令和阿房列車論〜その28 山線廃止決定から鉄路存続に急展開?
はじめに
2023年7月15日、このようなYouTube動画が上がっていました。
函館本線の小樽~長万部間について、北海道新幹線開業と引き換えに鉄路廃止のうえでバス転換されることが決定していました。
ところが、このうち小樽~余市間について再び鉄路存続の話が再燃しているのです。
これはいち鉄道ファンの郷愁の話ではなくて北海道のみならず日本全体の問題に発展しそうです!
鉄路存続再燃の流れ
路線バス業界のドライバー不足
いま、路線バス業界のみならずトラック業界を含めた大型二種免許ドライバーが全国的に減少しています。
こと私の住む横浜市内の路線バス事業者においても事業者の路線バスの減便のみならず路線廃止が目立っています。
北海道においては更に切実な問題になっています。
北海道における大手のジェイ・アール北海道バスがドライバー不足による減便を敢行したニュースは記憶に新しいと思いますが、こちらも大手の北海道中央バスも同じ問題を抱えているのです。
ドライバー不足問題を抱えている中で「(JRの並行在来線を廃止するから)転換バスをお願いします」と言われても出来ないのです!
道庁側の対応の悪さには呆れるばかり
一方、地元自治体である北海道庁(道庁)はバス転換ありきで沿線自治体を進めていた事実が発覚したのです。
今までのニュースを知る限りでは、輸送密度の少ない山線を鉄路存続することについて資金面の問題を絡めて困難であると沿線自治体の意見一致でバス転換が決定したという話でした。この時点で道庁側はバス転換は出来る前提で考えていたのでしたが、この時点でバスドライバー不足問題は全く表面化していませんでした。
ところが冒頭のYouTubeにおける内容を見るとバス転換などありえない現状が表面化したのです。
道庁側が転換先として検討していた北海道中央バスがドライバー不足を理由に交渉が難航している話が(YouTube内で上がっているセミナーの中で)出てきたのです。
もともと山線の中で小樽~余市間は現状の輸送密度が2,000人を越えており鉄路存続の可能性がありました。ところが道庁側を含めた沿線自治体は資金面の負担をしたがらないがためにバス転換ありきで話が進み、過去の赤字路線のバス転換の前例ありきでバス転換を進めていたのでしょう。そのため通勤通学のピーク輸送時には1時間あたり10便運行させる計画案をあげています。
ところが上記のようにドライバー不足の中で、どうやってドライバー要員を確保することが出来るのでしょうか?
出来るわけないでしょう!
バス転換を企画立案した道庁の職員は、バス業界の現状をリサーチもせずに過去のバス転換ありきで机上の計算で作ったことが露呈された訳で、行政界隈あるあるの結果になってしまいました。
さらに考えられること
この輸送密度という人数にも疑問が湧くのです。
おそらくバス転換ありきで作った輸送密度は通勤通学のみの人数を元に作成したと推測出来るのです。
そうだとすると今後増加するインバウンドをはじめとする定期外利用の人数を含めるとかなりの過小評価であると思うのです!
現に短編成のディーゼルカーの車内は通勤ラッシュのような状況なのです。
まとめ
このバス転換問題の急展開は北海道の限定的な問題ではなく日本全体の問題でもあるのです。
最後に(以下は私の個人的な意見ですが)過去をさかのぼると国鉄分割民営化しかり並行在来線問題しかり行き当たりばったりの運輸政策には怒りを通り越して失望すら感じます。
日本が破綻しないうちに(有能無能は別として)かつての田中角栄ぐらいの行動力のあるリーダーに改革して欲しいものです。
国民から税金を搾り取って海外に金をばら撒いて顔色を伺う今の岸田政権には失望するばかりです。