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醜いあひるの子

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瓶底メガネで地味な女の子、屋嘉比智風。苛められていた過去がある為、人と上手く付き合えなかった。しかし、高校2年生になりクラス長を無理やり押し付けられた上、クラスメイトの鮎川匠馬に…
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記事一覧

【小説】醜いあひるの子 #0話

何時も猫背にして自分を小さく見せようと努力し、教室という空間で息を潜めて椅子に座り、一日…

仙堂りえい
3か月前
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【小説】醜いあひるの子 1話

放課後の職員室は以外と賑やかで、若干、居心地が悪い。 横を通り過ぎる生徒や教師が自分を笑…

仙堂りえい
3か月前
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【小説】醜いあひるの子 2話

ーーー18時20分。 鮎川家の前に到着。 家は周りと同じくらいの大きさなのだが、手入れさ…

仙堂りえい
3か月前
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【小説】醜いあひるの子 3話

※智風が受けた虐め(残酷的表現)の話が出てきます。 それから3日間、『同情』と考えが纏ま…

仙堂りえい
3か月前
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【小説】醜いあひるの子 4話

次の日。 いつも以上にテンションが低い状態でバイトに出掛けた。 すると、着くや否や塾長に呼…

仙堂りえい
5か月前
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【小説】醜いあひるの子 5話

次の日。 1限目の授業は担任。 皆が席に着いたと同時、教室のドアが開き、クラスの女子の黄色…

仙堂りえい
3か月前
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【小説】醜いあひるの子 6話🔞

6・7・8話はエロの回となってます。 目の前に鮎川の顔。 鮎川の切れ長の目が智風の瞳を捉える。 何が起こっているのか理解出来ない智風は、大きく瞬きを繰り返していた。 「君の負け」 輪郭をなぞる様に顔を撫でられ、長い指が頬からゆっくりと唇に移動し、下唇を撫でる。 鮎川の指が唇に振れ、今度はゆっくりと顔が近づいて来る。 そこで漸く先程、鮎川にキスされたのだ、と気づき智風は慌てて躰を離した。 「あ、鮎川君!な、な、なんで、」 「何でって…賭け、したよね?」 「賭け…、あ

【小説】醜いあひるの子 7話🔞

何が起こったのか。 頭が真っ白になり、そして、躰が一瞬だけふわりと浮いたような感覚に脳が…

仙堂りえい
5か月前
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【小説】醜いあひるの子 8話🔞

『友逹以上の関係』とはどのような関係なのか。 眩しい程美しいプラチナの歯車は、継ぎ接ぎだ…

仙堂りえい
5か月前
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【小説】醜いあひるの子 9話

12月25日。本日はクリスマス。 サンタのコスプレをした店員や、お洒落して男性の腕にしが…

仙堂りえい
5か月前
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【小説】醜いあひるの子 10話🔞

“社会科見学”と言う言葉に完全に釣られ、結局、匠馬の思い通りにラブホテルに行く事になって…

仙堂りえい
5か月前
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【小説】醜いあひるの子 11話🔞

自分が何をしたと言うのか。 謝れば反対に怒られ、不機嫌になられ、服を剥ぎ取られて、あんな…

仙堂りえい
4か月前
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【小説】醜いあひるの子 12話

「出来ましたー!鶏のたたきに鶏皮の味噌煮。厚揚げのキノコあんかけと貧血予防にひじきと豆の…

仙堂りえい
4か月前
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【小説】醜いあひるの子 13話🔞

 1月3日。 朝食を摂ると先日、匠馬のお婆さんに貸して頂いた青地の拗梅柄の着物を着させてもらって毎年行くらしい神社へ初詣に行く事に。 初詣、といっても近所の小さな神社に行く程度で、これといった思い出はない。 正月といっても両親共、貧乏暇なしで家にいない事の方が多かった。 そんな少しだけ悲しい思い出を振り返りながら、着物に袖を通した。 着慣れない着物と化粧は少し、疲れるけど匠馬が行くのを楽しみにしてくれているので、頑張ろうと顔を上げた。 着替えをすまし、車を見て智風は固まる。