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療育手帳のメリットを紹介します! 助成・支援サービス編【医療費・就労支援など】

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Ahneは、おうちでできる療育のご提案や、講義型の学習サービス、発達・療育についての個別相談などを行っています。

皆さんこんにちは、Ahne代表・療育作業療法士のかいとです!

今回は、療育手帳のメリット 助成・支援サービス編と題して、療育手帳を持っていることで受けられる医療費の助成就労支援などのサービスについてご紹介します!

「療育手帳ってどんなメリットがあるの?」
「受けられるサービスが複雑でわからない!」

といった疑問やお悩みを解決する記事となっております!


Ahneではほかにも、療育手帳についての記事を投稿しています。
療育手帳についての知識やメリットを紹介した記事をまとめたマガジンはこコチラ!👇


ぜひ最後までご覧ください!


【おさらい】療育手帳ってなに?

療育手帳とは、知的障害があると診断された人が申請することができる手帳です。

療育手帳が取得できるかどうかは、「IQが70以下(自治体によっては75以下などの場合も)」「生活に支障が出ているか」といった基準で判断されます。

これ以外に、自治体によっては、発達障害などほかの障害を持っている人でも、療育手帳を取得することができる場合があります。

また、地域によっては「愛の手帳(東京都)」など、療育手帳という名前ではないこともあります。


療育手帳の等級

療育手帳は、障害の程度によって等級が設定されています。多くの場合、A判定・B判定の2区分に分類されています。

  • A判定:重度の知的障害がある場合。おおむね、IQ 35以下が基準になっています。

  • B判定:中軽度の知的障害がある場合。おおむね、IQ 70以下が基準になっています。

なお、自治体によっては、3区分や4区分など、より細かい分類を行っている場合もあります。


医療費の助成

療育手帳を持っていると、医療費負担額の助成を受けられる場合があります!

対象となる方や、受けられる助成の内容は、自治体によって異なっています。

たとえば東京都では、愛の手帳(東京都における療育手帳と同じ立ち位置の手帳)の1度・2度の方(先述の「A判定」にあたる方ですね)が、助成の対象になっています。

該当する方は、医療保険の対象となる医療費・薬剤費の助成を受けることができます。

なお、所得額が、定められた所得制限基準額を超える場合など、療育手帳を持っていても助成の対象外となる場合もあります。

このように、細やかな規定が自治体ごとに定められています。お住いの自治体の公式ホームページを確認したり、問い合わせたりして確認してみましょう!


就労支援サービス

療育手帳を持っている方は、就職や転職の際、就労支援サービスを受けることができます!

就労支援サービスには、いくつかの種類があります。ひとつずつ見ていきましょう。


①就労移行支援

就労移行支援は、一般企業への就職・転職を目指す障害のある方を対象とした支援です! 就職に必要な知識やスキルを身につけるためのサポートを行います。

就労移行支援は、就労移行支援事業所という施設に通いながら行います。

仕事に向けて体調や生活習慣を整えたり、知識やスキルを学んだり、就労支援員に相談をしたりすることができます。

また、就職活動に向けて、応募書類などの書き方のアドバイスを受けたり、面接練習をしたりすることもできますよ!

利用するためには、市区町村の窓口で、事業所を利用するための申し込みをする必要があります。

利用料金は、多くの場合無料となっています。ですが、前年度の所得によっては、自己負担が発生する場合がありますので、注意が必要です。


就労継続支援

就労継続支援とは、一般企業での就職は難しいものの、一定の支援を受けながらであれば働くことができる方を対象としたサービスのことです!

就労継続支援では、利用者の方は、一定の支援を受けながら働く「福祉的就労」を行うことができます。

就労継続支援には、A型とB型の2種類が存在しています。それぞれの違いを見てみましょう!


②就労継続支援A型事業

A型事業では、利用者の方はA型事業所と雇用契約を結びます。

そのため、最低賃金以上の給与を得ながら働くことができます。また、社会保険などの規定や法令も、一般企業と同じように適用されることになっています。

一般企業との違いは、自分の体調やスキル、適性などの状況や条件を考慮してもらいながら働くことができる点です。時短勤務など、柔軟な働き方ができる場合も多いです。

仕事の内容としては、パンやお菓子などの製造、レストランでの接客や調理、農作業、工場や倉庫での作業などです。

また、近年ではパソコンを使った作業を行う事業所も増えています。データ入力をはじめ、プログラミングなどを行う事業所もあるんですよ!


利用するためには、まずは主治医に相談してみましょう。

そのほか、就労にあたって不安がある場合は、相談支援専門員(※1)に相談してみることも有効です!

※1:障害のある方が暮らしていく上での困りごとなどの相談に乗り、必要なサービスへとつなぐ役割を担う人です。
これから就労を目指したいと考えている場合、どこかの段階で相談支援専門員の方に相談してみることをオススメします!

その後、自分に合った事業所を探します。事業所はネットでの検索のほか、ハローワークや市区町村の障害福祉担当窓口に相談することもできますよ!

良さそうな事業所があれば、可能な場合は見学や体験をさせてもらいましょう。その結果、その事業所で働きたい場合は、履歴書を送ったり、面接を受けたりします。

晴れて採用が決まれば、市区町村の窓口で受給者証の申請を行います。この際に、療育手帳などの、障害の程度について証明する書類が必要になります。

また、その後「サービス等利用計画案」を市区町村に提出することが必要になります。これは、サービスをいつ・どれくらい利用するかを記載したものです。

この「サービス等利用計画案」は、先述の相談支援専門員に作成してもらうことが多いです。セルフプランとして自分で作成することもできますが、一部の自治体ではセルフプランが認められていない場合もあります。

これらの書類が受理されると、サービスを利用するために必要な受給者証が発行され、事業所を利用できるようになります!


②就労継続支援B型事業

B型事業では、利用者の方は雇用契約は結ばずに働きます。利用者の方は、事業所では「生産活動」を行い、その対価として「工賃」を受け取ります。

この工賃は、最低賃金が保証されているわけではない点には注意が必要です。

B型事業所でも、自分の体調やスキル、適性などの状況や条件を考慮してもらいながら働くことができます。

週あたりの就労時間の平均は20~25時間ほどとなっていますが、それより短い時間・日数で働くことも可能で、A型事業よりも柔軟な働き方ができます。

仕事の内容としては、パンやお菓子などの製造、簡単なパソコン入力作業、手工芸などがあります。A型事業と比べて、細分化された作業が多く、取り組みやすい内容であることが特徴ですよ!


B型事業所を利用する場合にも、まずは主治医に相談をしてみましょう。また、B型事業所を利用する際にも、悩みなどがあれば相談支援専門員へ相談してみることが有効です!

それから、自分に合った事業所を探します。ネットでの検索のほか、市区町村の障害福祉担当窓口に相談することもできます。

なお、B型事業所は、利用できる人数(定員)が決まっています。定員いっぱいになってしまっている場合など、見学や採用が厳しい場合もありますので、注意が必要です。

利用したいB型事業所が決まったら、お住いの市区町村の障害福祉窓口で利用申請を行います。

その後、B型事業所を利用する場合も、「サービス等利用計画案」の提出が必要になります。

この「サービス等利用計画案」は、先述の相談支援専門員に作成してもらうことが多いです。セルフプランとして自分で作成することもできますが、一部の自治体ではセルフプランが認められていない場合もあります。

必要な書類を提出し、B型事業所の利用が認められると、受給者証が発行されます。これにより、B型事業所を利用できるようになります!


さいごに

今回は、療育手帳のメリットについて、医療費の助成や就労支援のサービスに注目して解説しました!

この記事が、療育手帳の取得を考えておられる方や、療育手帳のメリットについてお悩みの方、お仕事のことでお悩みの方の力になっていれば幸いです。


Ahneでは、専門知識のある療育作業療法士による個別相談や、発達障害や療育についての講義型学習今日からできるおうち療育のご提案なども行っております。

もちろん、今日お話ししたような、療育手帳についてのご相談・お悩みにもお答えしています!

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最後までご覧いただきありがとうございました!



【この記事を監修した人】
かいと

Ahne代表。療育作業療法士。
こころの問題についての知識も豊富で、「心理×作業療法」の組み合わせで心身の両面を支援できることが強み。様々な療育現場での支援経験アリ。


【この記事を編集した人】
リル

Ahneライター。元書籍編集者。
note記事のほか、Ahneオリジナルの教科書を鋭意制作中。





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