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30首を連ねて#4

本日、6/23は、地元沖縄にとって大事な日です。
慰霊の日と言い、県民の休日に制定されています。よくテレビで中継される平和の礎だけでなく、各地で慰霊祭が行われるのが例年です。ここ2年は開催の縮小、中止が続き、戦争経験者の高齢化と相成って急速に廃れないかが心配です。

実は、6/23は「沖縄戦の終わった日」ではないんです。6/22未明の司令官自決により23日には「沖縄における日本軍の組織的抵抗が止まった日」なのです。7月になっても米軍の攻撃、日本軍個人個人の抵抗は続き、戦火は収まっていないのです。そして1972年までの米軍統治下、2021年も横たわる米軍基地に、「沖縄はまだ戦後が終わらない」とも言われます。戦後76年。今日だけでも、1945から今日までのオキナワに目を向けていただければと。

今日に因んで、30首から沖縄に関する歌を取り上げますね。自然、社会、文化、生活、色んな切り取り方をした歌たちです。

1 海の色はエメラルドにコバルトに名前も知らないあおいろたちに

3 じいじいと、蝉の声で起きる朝背中に一筋汗の流るる

12 影を踏み影を追いかけ歩く道明日から通らぬこの通学路

13 シュプレヒコールの中で育った私の目には何が映るか

18 “失われた10年”の間に誕生して世の中大体寒色でした

22 日没前地面を見つめる君に問う今日の空は何色ですか?

23 国言葉宗教を超えて繋がれる我ら人間そんなに違わない
(とある楽曲より)

25 あなたとは生きられなかったこの日々はあなたに誇れる私でしたか

13は以前お話したので割愛で。
振り返ると意外と少なくて、関連する歌も載せていますが、よく考えると、30首に連ねていない歌でもたくさん詠んでいたのでまたいつかの機会に。

自然を切り取る難しさ

海の色はエメラルドにコバルトに名前も知らないあおいろたちに

日没前地面を見つめる君に問う今日の空は何色ですか

沖縄の白い砂に映えるグラデーション豊かな海。エメラルドグリーン、コバルトブルーなんてよく聞きますよね。いざ色見本を広げるとそれだけに留まらない色を見せます。“あお”というカラーをフルに使う、そんな海を言い表したかった歌が上の歌になります。

そしてカラフルな海を映す空も、表情豊かな気がします。天気や太陽の位置で刻一刻と変わる空も、俯いていては分からない。時には燃えるような夕焼けを映すし、海の向こうでスコールの起きている場所が見える時もあります。空の表情に気づく心の余裕を持ちたいという自戒の歌でもあります。

自分なりの切り取り方

"失われた10年"の間に誕生して世の中大体寒色でした

これは、沖縄だけではないかもしれないのですが、生まれてから今日までの社会の様子や景気、近年は度重なる災害など、思い返す時に嬉しいニュースよりも悲しい、辛いニュースが多い気がします。そう思ってるのは私だけじゃないとわかっていますが、それを暗いや重たいではなく、“寒色でした”と色で表現した時、“自分らしさ”を見た気がしたんです。最後の七音で一般化せずに結べた気がして、お気に入りの歌です。

地元を詠んでいくのは、そこが私の軸だからだなと思いました。ジャンルは違えどHIPHOPのレペゼンに近いと思います。

HIPHOPという言葉も出てきたので、次回は私の好きな音楽に因んだ歌を選ぼうかなと思います〜。予定は未定ですがね。

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なんくるあひる
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