クランクケースの内圧の移動
エピソード48
令和6年10月
ヘッドの準備が整って、新しいピストンの重量合わせも終わり、コンロッドボルトも新しい物に交換して長さを計測し記録して準備が出来たので、いよいよと思って全てを再確認したら
ライナーはノーマルよりストロークが増えてるのでピストンの首振りを抑える為にクランクに当たるギリギリまで伸ばしてます
ライナーとクランクウェイトの隙間は狭い上にクランクがフルカウンターでしかもウェイトの形が2輪だから広がってるのでピストンが下がっていく頃にはウェイトが蓋をしてしまいます
これでは1(4)番のピストンが下がった時の圧力を2(3)番へ、2(3)番が下がった時の圧を1(4)番へ上手く逃す事ができません
そこでライナーの加工です
Rになった部分をRに削ると斜めから見ると歪な形に見えますが、真横から見ると削った部分はちゃんとした綺麗なRになってます(笑)
1番と2番、3番と4番の間だけ圧力の逃げ加工をしました
効率良くシリンダー間の圧力を移動さす目的です
削った部分はピストンのピン側なのでもちろんピストンには触れてません
ノーマルでは抜け切らないクランクケースの内圧をブローバイの径を広げて放出し、シリンダー間の圧力移動もスムーズになる方向へ加工し、これでノーマルに比べて確実にスムーズに回るエンジンになりました
考えれる事で出来る事は全てやります
フルチューンですから(笑)
それから、同時進行のシリンダーが内燃機屋から帰ってきました
前回の仕様+ライナーにOリングを入れる+振れ止め加工です
ボーリングはまだしていません
ウェットライナーが水漏れした場合、被害がピストンまで及ばなければ今回のピストンに合わせてボーリングし、ピストンまで被害が有った場合は新しいピストンでボーリングする為です
費用削減です(笑)
しかし、よく見て下さい
ウェットライナーとの比較です
最後の写真を見たらライナーの長さが短いのが分かります
ちゃんと長さを指定したのですが厚みや径は指定通りですが長さがノーマルの400のライナーと同じ長さになってます
これだとピストンのスカートが飛び出てピストンが暴れます
やり直しでまたお金が掛かりそうです
予備のシリンダーを使わなくて済むようにウェットライナーが成功する事を心から願う今日この頃です