三鷹歌農書 721-740 三鷹歌農書 2024年1月10日 20:19 釜に火を起こせば鍋の薄氷にたまゆら靄のたちて消えたり三鷹歌農書 (七ニ一)米に水ひと晩吸はせカルデラを蒸籠(せいろ)に作り蒸しやすくせよ三鷹歌農書 (七ニニ)宝船のごとくに一輪車(ねこ)に白菜を積み上げてキムジャン(キムチ作り)会場に向ふ三鷹歌農書 (七ニ三)鉢巻をほどきハクサイの締まりたる玉取るときの重さが嬉し三鷹歌農書 (七ニ四)スタートのレースフラッグ振るごとくふかし布引いて蒸米を臼に三鷹歌農書 (七ニ五)搗き始めは潮いくつか餅に生(あ)れど打たるるほどに跡かたもなし三鷹歌農書(七ニ六)搗くほどに木臼に餅のいきいきとひかりはなてるほどにつやめく三鷹歌農書 (七ニ七)時を継ぎて餅つきうたは武蔵野も「めでためでたの若松様よ」三鷹歌農書 (七ニハ)足腰を定めて杵を振り下ろすただ真ん中を打つことをのみ三鷹歌農書 (七ニ九)三テコは三人(みたり)の杵の三拍子餅仕上げんとトレモロめきて三鷹歌農書 (七三○)岩稜に降りて染み込みゆく雪の割りしハクサイの山に撒く塩三鷹歌農書 (七三一)ハクサイの海を渡れる盥ぶね塩揉みせんと鍋を漕ぐなり三鷹歌農書 (七三ニ)巨大なる手ごねハンバーグにあらずハクサイ十玉に塗る薬念(ヤンニョム)ぞ三鷹駅歌農書(七三三)肋骨に筋肉付けてゆくごとくハクサイの襞にヤンニョムを塗る三鷹歌農書 (七三四)大きなる寒牡丹一つ咲かせむとキムチの壺に詰むるハクサイ三鷹歌農書 (七三五)横倒しにすれば車輪(ホイール)抱くごとく搗き終へし臼を洗ひ浄めつ三鷹歌農書 (七三六)大役を終へし蒸籠を休ませる日向ぼつこをしてもらふなり三鷹歌農書 (七三七)餅搗きとキムチ作り(キムジャン)同時進行しヤンニョムからみ餅をいただきぬ三鷹歌農書(七三ハ)七草を知りて順番あるも知りカルタみたいと札書く少女三鷹歌農書 (七三九)ほつほつとみどりの芽吹く雪の野を七草粥を大鍋に煮る三鷹歌農書 (七四○) ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #短歌 #家庭菜園 #野菜作り #三鷹歌農書