有機農業とは? 無農薬栽培との違い
安心・安全な農産物を購入したいとの消費者のニーズは年々高まっており、今後は一層の食品の安全性が求められるといわれている。
今回は有機農業と無農薬栽培の違いなどをご紹介する。
■有機農業とは?
有機農業とは、農薬や化学肥料に頼ることなく自然な土づくりを行った上で農産物を作る農業形態のことを指す。具体的には、2006年に策定された
「有機農業推進法」に定義されている以下の条件をクリアした農業の方法
・化学的に合成された肥料や農薬を使用しない
・遺伝子組み換え技術を利用しない
・農業生産に由来する環境への負荷をできるだけ低減している
化学肥料や農薬に頼らず自然と共生することで、環境を大切にしながら行う農業と言える。有機農業は、有機栽培、オーガニックとも呼ばれている。
■無農薬栽培との違いは?
無農薬栽培とは、「農産物を生産している期間中に農薬を一切使わない」という栽培方法を指す。 対して、有機農業は有機と認められた農薬の使用は許可されている。有機農業(オーガニック)=無農薬ということではない。
「無農薬」の表示は、残留農薬が全くないとの誤解を消費者へ与えることから「無農薬」の表示を使い商品を流通させることが禁止されている。
■有機JAS認証とは?
有機JAS認証とは、農林水産省が定めた基準をクリアした農産物を消費者に届けるための制度である。
JAS規格にのっとって検査を行った結果、認定された生産者にのみ付与されるもので、この認定マークがついている農産物であれば、「有機野菜」として販売することができる。以下が、有機JAS認証を受ける条件の一部である。
化学肥料や禁止農薬、遺伝子組換え技術を使用していないこと
種まきや植え付けの前2年以上、禁止された化学肥料や農薬を使用していない健康な水田や畑で農産物を生産していること
栽培から出荷まで記録を取り、農産物がどのように生産されたかの確認ができること
有機JASマークのない農産物や畜産物、加工品は、「有機」「オーガニック」と表示する等紛らわしい表示をすることは法律で禁止されている。
この有機JAS認証のおかげで、消費者が求める「有機」「オーガニック」で生産されている農産物が見分けやすくなっている。
■有機農業のメリット
環境に配慮ができる
農産物が持つ本来の味を出すことができる
消費者からの信頼を獲得できる
■有機農業、地域の取り組み
大分県臼杵市 ほんまもん農産物とは?
大分県臼杵市では、
ほんまもん農産物とは? うすき夢堆肥等の完熟堆肥で土づくりを行って、
化学肥料・化学合成農薬を使わずに栽培した農産物で、臼杵市の独自認証。審査は有機JAS認証機関に委託している。 臼杵市土づくりセンターで
製造する草木を主原料とした完熟堆肥「うすき夢堆肥」による土づくりを基本とした環境保全型農業・有機農業を強く推進している。
■まとめ
有機農業は、安心・安全な農産物を消費者のもとに届け、環境への負荷を減らすことができ、生産者・消費者にとって魅力的な農法であると感じた。
臼杵市のほんまもん農作物では、土づくりセンターで製造した、たい肥を
農家に使用してもらい、おいしい農産物をつくる農業を推進しているという点で、自治体が有機農業を全力でサポートする取り組みをつくる必要があると感じた。
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