見出し画像

ソラマメを育てよう③定植

(2022年11月7日)

 11月に入り、朝晩の気温がぐっと下がってきた。それでも日中は、作業をしていると汗ばむ陽気。10月3日にポットに種を植えたソラマメは、芽を出すまでに時間はかかったが、発芽後は順調に生育。8~15cmに育った。畑の方は、基肥を施し、銀マルチを張って準備万端。11月3日、いよいよ定植作業に取り掛かった。

作業性高く、日当たり良好 L字立てに

 ソラマメが育ったときに、どのような形にするのか。左右に各3本の枝を育てるU字立てと、一方に5本の枝を伸ばすL字立て。収量はU字立ての方が多いとされているが、作業のしやすさ、光の当たりやすさ、そして大きな粒が早めに育つというL字立てを選択。最終形を頭に描きながら、マルチの真ん中よりも少し右側に寄せて穴を開けていく。間隔は約50cm。枝を10センチ間隔にして整枝していくので、50cmは必要なのだ。

 昨年は、おおざっぱに穴を開けていったのだが、今年はちゃっと測って穴あけ作業。 ポットで育てているので、穴にスポッと入れて、軽く土をかけるだけでオッケー。栽培2年目。農業大学校で学んだこともあり、昨年よりも作業はスムーズに進む。やはり、1年経験したことで、ソラマメが最終形が分かったのが大きいのかな?

 大粒で3粒がそろいやすいという「三連」を約200株、陵西一寸は約60株を定植。なかなか骨の折れる作業だった。畑一面に銀色のシートが夕陽に輝き、ソラマメの苗がずらりと立った光景を眺めると、達成感がある。

昨年の失敗、苦い経験を糧に

 3aほどの畑なのだが、北側の一列が幅約1m、長さ15mほど残っている。ここには、同じ時期に種を植えていた「スナックエンドウ」を植え付けた。昨年、独自のやり方で、苗を植えてしまい、失敗した苦い経験が。 伸びたつるを誘引しておこうと、支柱にビニール被服のワイヤーで縛ったのが失敗の第一点。成長が阻害され、風が吹いたりすると、そこで折れることも。ツルを伸ばすために張った網の目が小さすぎたことも失敗の一つ。網の目が小さいと、風をまともに受けてしまい、支柱が倒れてしまうこともしばしば。

 昨年の反省を踏まえ、ことしは、従来から地元の農家が育てている栽培方法に切り替えた。そこで活躍するのが「藁」。ほとんどの田んぼでは、稲刈り時に藁は細かく裁断して、土に漉き込むことが多いが、米を作っていただいている方にお願いして、少し、切らずに残しておいてもらった。それを刈り取り後に束にして、「藁ぐろ」という、家のような形に積み上げて、保管しておいた。こうしておけば、雨風にも強く、来春まで腐ることなく十分に活用できるのだ。

藁ともみ殻 最良の農業資材

 便利な農業資材が多く売り出されているが、やはり、藁やもみ殻は重宝する農業資材だ。もみ殻は、保温、保湿性に優れ、肥料にもなる。藁をスナックエンドウの上にかけておけば、保温性とツルの誘引に役立つ。何よりも優れているのは、ナイロンなどと違い、そのまま畑に残していても、分解され、土に戻るという環境にやさしい特性だ。

 豆類は冬の寒さをしのぎ、春になると、大きく育ち始める。藁ともみ殻は寒さからソラマメやスナックエンドウを守る「防寒着」の役割を果たしてくれる。

(あぐりげんき通信)

この記事が参加している募集

よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは、おいしい野菜・かんきつ栽培と、その情報発信に役立たせていただきます。