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本を読んで光を取り戻す 2023年10月【2】

10月に入って急に寒くなった。そのせいか体調を崩し、先日は一日中起き上がることができなかった。

体は弱っていても頭は冴えている。はじめはスマホでネットばかり見ていた。次第に嫌になって、本を読み始めた。

私はあまり読書をしない。かつては本の虫だったが、今では月に数冊程度。散々ネットを見てウンザリした後に、ようやく本を読むことができる。

よく読んでいる時は、頭の中に言葉が溢れる。思考は冴え、スラスラと話せる。一方あまり読んでいない時、思考は鈍く、言葉がうまく出てこない。

私が最もよく読んだ時期は、17歳から23歳頃。本は酸素のような存在で、それがないと生きられないと感じていた。

大学2年生の頃、遊園地で清掃のアルバイトをしていた。その帰り道、水たまりに新聞の切れ端が落ちているのを見た。しゃがんで顔を近づけて、貪るように読んだ。

朝から晩まで肉体労働をして、体は疲れていたが、頭は疲れていなかった。何かを読みたくてたまらなかった。看板の注意喚起などではなく、まとまった文章を読みたかった。当時はこれほどまでに、読むことに飢えていた。

誰かの話を聴く時も、自分が話す時も、頭に文章が浮かんでいた。でも今は違う。音しか聞こえない。本をあまり読まなくなったからではないか。

短期記憶があまりできない。自分が直前に話したことさえ曖昧だ。声というものは、言ったそばから消えていく。そこが文章と違う。確認のために数行戻る、数ページ戻るということができない。

もっと本を読む。豊かな読書習慣を取り戻す。そうして、音を聞いて頭に文章が浮かぶ自分を取り戻すのだ。

頭に文章が現れないことは、目を閉じて道を歩いている時のように心細い。もっと光を。本を読んで、視界を取り戻すのだ。

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著者は1985年生まれの男性。 不登校、社会不適応、人付き合いが苦手。 内向型人間。HSP。エニアグラムタイプ4。 宗教・哲学(生き方)…

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