『男らしさの終焉』レビュー 2022年3月27日~28日
【3月27日】
グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』を読んだ。「従来の『男らしさ』はもういらない」「時代に合った男性像を築いていこう」といった内容。概ね同意だ。
気になった点を挙げる。「男らしくあれ」という要請は、社会全体からの圧力だ。それに従わなければ同性からも異性からも否定される。いわば男性は社会から責められて「男らしさ」を演じてきたのだ。
著者はその「男らしさ」を茶化したり、皮肉を言ったりする。芸術的表現として、男性器を強調した人間や、それををかたどったビルを描く。私には自虐的で趣味が悪いと感じた。男らしさを演じなければならなかった男性たちに対するいたわりが欠けているように思う。
終盤の「男性が独身でいることは健康的ではない」という言葉が引っかかる。男性は結婚すべきだという。なぜなら男性は自分の健康に気が回らないからだと。
同性婚でも同じと書いてあるが、9割の男性は異性愛者だ。これでは結局「男性は女性と結婚して、女性に健康の面倒を見てもらえ」と言っていることにならないか。女性に男性の世話をすることを求めていることにならないか。
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著者は1985年生まれの男性。 不登校、社会不適応、人付き合いが苦手。 内向型人間。HSP。エニアグラムタイプ4。 宗教・哲学(生き方)…
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