見出し画像

スカートを穿きたい男性の悩み 2022年4月【5】

発端は思春期

春が来て、スカート姿の女性を目にする機会が増えてきました。これが私の心を不安定にさせます。

私は男性で現在37歳ですが、中学生の頃からスカートという衣服に憧れていました。ご存知の通り、男性が穿くことは一般的ではありません。穿いてはいけないわけではありませんが、公然と穿くのは難しいことです。

そのため、スカートで過ごすのは家の中だけにとどめていました。それも家族がいない時に限ります。家族がいる時は自室だけ。それも彼らが寝てから。いつ呼び出されるかわからないからです。

30代にして外出

それから20年。スカートを穿いて外出するようになりました。30代半ばになっていました。きっかけはネガティブな感情でした。スカート姿の女性を見るたびに、イライラしてしまうのです。

これ以上、自分の欲求を抑えてはいけない。スカートを穿いて外出しよう。そう思って、同居している母に相談しました。困惑も見せず「いいじゃない」といった様子でした。ホッとしました。

そもそも私は高校生の頃からジェンダーに関心を持っていて、たびたび口にしていました。近年は髪を伸ばして、ヘアアクセサリーの話などもしていたので、唐突な感じはなかったのだと思います。

古着屋に行き、次々にスカートを買いました。それに合うトップスと靴も揃えました。

スカートを穿きたいだけで、女装するつもりはありません。しかし全身メンズファッションで、スカートだけレディースにすると、チグハグな見た目になってしまうのです。

初めてスカートで外出した時は緊張しました。ヒソヒソ話をされるに違いないと思ってビクビクしていたのですが、そういうことはほとんどありませんでした。

みんな驚くほど他人に無関心です。この気付きを得てからは、毎日のようにスカートで出かけるようになりました。

長続きしなかった

でも長くは続きませんでした。スカートでの外出は喜びも大きい代わりに、苦しみも大きいのです。いつまでたっても「自分はおかしな格好をしている」という意識が抜けず、気が休まることがありません。

1度だけ女子高生グループにヒソヒソ話をされました。清掃の中年女性に不審者を見る目つきをされました(振り返ってもまだ凝視していて、ショックでした)。

どちらもスカート外出を始めたばかりの頃です。それ以降こういうことはなくなりました。ただスカートを穿いている限り、いつでも起きる可能性があると思っています。

トイレが使いにくい

トイレの問題もあります。スカートの時はだれでもトイレを使うようにしています。これは使えるトイレが限定されることを意味します。また自分が使っている間、障がい者の方が使えないことを思うと心苦しいです。

スカートを穿いている時、男子トイレには入りにくいです。メンズファッションの時に何度か、手を洗っている私を見て、外の表示を確認しに行く男性を見かけました。長い髪でマスクをしているだけで、女性と見間違える人がいるのです。スカート姿だったら、より多くの人を驚かせてしまいそうです。

気楽に穿けるようになりたい

こんな思いをしてまで、スカートで出かけたいかと言えば「NO」です。私は疲れてしまいました。男性用のズボンを穿いていれば、何事も起こりません。周囲の目を気にすることなく、心穏やかに過ごせます。

しかし、その穏やかな気持ちは、スカートが目に入った途端に崩れてしまいます。あきらめた悔しさを思い出して、イライラしてしまうのです。

スカートをもっと気楽に穿けるようになりたいです。また世の中の服装に対する意識も変えていきたいです。

メンズスカートは違う

なお、私が穿きたいのはレディースのスカートです。私はスカートの優しさや柔らかさに惹かれています。メンズスカートにはそれがありません。男性モデルはアーティスト然としていて、気取っている感じがあります。私が求めているものではありません。

丈はひとまず膝下

丈は膝より長いものを穿いています。膝上にも心惹かれるのですが、それで外出するのは心理的なハードルが高すぎるため、今のところは控えています。

ここから先は

280字
月に4記事以上投稿しています。1記事の文字数は1000~1500字ぐらい。社会に適応できない人間のチャレンジです。マガジンの購読は、そのチャレンジを応援する意味を持ちます。応援していただけたら嬉しいです。

著者は1985年生まれの男性。 不登校、社会不適応、人付き合いが苦手。 内向型人間。HSP。エニアグラムタイプ4。 宗教・哲学(生き方)…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?