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Step 12:顧客満足度を向上!「アジャイル」が掲げる第2の価値

【アジャイル宣言編:4つの価値と12の原則】 / Step 12:顧客満足度を向上!「アジャイル」が掲げる第2の価値 ←いまここ

この記事で学ぶこと

「アジャイルソフトウェア開発宣言」で示されている「4つの価値」の2つ目、「動くソフトウェア」について、詳しく学びます。「包括的なドキュメントよりも、動くソフトウェアを重視する」とは、一体どういうことなのでしょうか?この章を読めば、その真意が理解できます!

この記事って要はこういう話

アジャイルでは、分厚い仕様書や設計書よりも、実際に動くソフトウェアを、いち早く顧客に届けることを重視します。この章を読めば、なぜアジャイルが「動くソフトウェア」を重視するのか、その理由がわかり、あなたの仕事に対する考え方も、変わるかもしれません。

アジャイルソフトウェア開発宣言の4つの価値のおさらい

Step 11では、「アジャイルソフトウェア開発宣言」の「4つの価値」の1つ目、「個人と対話」について学びましたね。

「アジャイル」では、プロセスやツールよりも、「個人と対話」を重視するのでした。なぜなら、ソフトウェア開発は、人が行うものであり、メンバー同士の積極的な対話を通して、より良いアイデアが生まれ、より良いソフトウェアを開発できる、と信じているからです。

では、復習も兼ねて、「アジャイルソフトウェア開発宣言」の「4つの価値」を、もう一度おさらいしておきましょう。

  • プロセスやツールよりも、個人と対話を

  • 包括的なドキュメントよりも、動くソフトウェアを

  • 契約交渉よりも、顧客との協働を

  • 計画に従うことよりも、変化への対応を

これらは、「アジャイル」の基本姿勢を表しており、右側の項目を、より重視するのでしたね。

4つの価値の2番目:動くソフトウェアを重視する理由

では、なぜ「アジャイル」では、「包括的なドキュメントよりも、動くソフトウェアを」重視するのでしょうか?

それは、「動くソフトウェア」こそが、顧客にとって、最も価値のあるものだと、考えているからです。

従来の開発手法(ウォーターフォール型など)では、開発の初期段階で、分厚い仕様書や設計書などの、膨大なドキュメントを作成することが一般的でした。しかし、どんなに詳細なドキュメントを作成したとしても、それが、顧客の要望を、完全に満たしているとは限りません。

なぜなら、人間は、実際に「動くソフトウェア」を目にするまでは、自分が本当に欲しいものを、正確に理解することができないからです。

例えば、あなたが、新しい家を建てるとしましょう。設計士から、分厚い設計図を見せられただけで、本当に自分が理想とする家が建つかどうか、判断できるでしょうか?おそらく、多くの人が、実際に家が建ってみるまで、わからない、と答えるでしょう。

ソフトウェア開発も、これと同じです。「動くソフトウェア」を、実際に顧客に見てもらい、触ってもらい、フィードバックを得ることで、初めて、顧客が本当に求めているものを理解することができるのです。

動くソフトウェアを、いち早く顧客に届けるメリット

「アジャイル」では、「動くソフトウェア」を、いち早く顧客に届けることを重視します。なぜなら、それには、以下のようなメリットがあるからです。

  • 顧客のフィードバックを、早期に得られる: 開発の初期段階で、顧客からフィードバックを得ることで、手戻りを減らし、開発の効率を高めることができます。

  • 顧客の要望を、より正確に把握できる: 実際に「動くソフトウェア」を触ってもらうことで、顧客自身も気づいていなかった、潜在的なニーズを引き出すことができます。

  • 顧客満足度を高められる: 顧客のフィードバックを反映しながら、開発を進めることで、顧客満足度の高いソフトウェアを開発することができます。

動くソフトウェア重視=ドキュメント不要?

「アジャイル」では、「包括的なドキュメントよりも、動くソフトウェアを」重視しますが、これは、決して、ドキュメントが不要、という意味ではありません。

必要最低限のドキュメントは、もちろん作成します。「アジャイル」が問題視しているのは、過剰なドキュメント作成に時間と労力を費やし、肝心の「動くソフトウェア」の開発が疎かになってしまうことなのです。

まとめ:アジャイルは動くソフトウェアで価値を創造する

「アジャイル」が掲げる、第2の価値「動くソフトウェア」について、詳しく見てきました。「アジャイル」では、分厚い仕様書や設計書よりも、実際に動くソフトウェアを、いち早く顧客に届けることを重視します。

なぜなら、「動くソフトウェア」こそが、顧客にとって、最も価値のあるものであり、顧客のフィードバックを得るための、最良の手段だからです。

さあ、次のステップでは、「アジャイル」が掲げる、第3の価値「顧客との協働」について、詳しく見ていきましょう!

理解度チェック

さて、ここまでの内容を理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう!

Q1. 「アジャイルソフトウェア開発宣言」で示されている「4つの価値」のうち、2番目のものは、次のうちどれでしょう?

  1. 包括的なドキュメントよりも、動くソフトウェアを

  2. プロセスやツールよりも、個人と対話を

  3. 契約交渉よりも、顧客との協働を

Q2. 「アジャイル」が、「動くソフトウェア」を重視する理由は、次のうちどれでしょう?

  1. ドキュメント作成が、面倒だから

  2. 「動くソフトウェア」が、顧客にとって、最も価値のあるものだから

  3. 開発のスピードを、速くするため

Q3. 「アジャイル」では、ドキュメントは、一切作成しなくても良いのでしょうか?

  1. 作成しなくても良い

  2. 必要最低限のドキュメントは作成する

  3. 従来の開発手法と同じように、詳細なドキュメントを作成する

解答
A1. 1. 包括的なドキュメントよりも、動くソフトウェアを

A2. 2. 「動くソフトウェア」が、顧客にとって、最も価値のあるものだから

A3. 2. 必要最低限のドキュメントは作成する

全問正解できましたか?間違えてしまった方は、もう一度記事を読み返してみてくださいね!

【アジャイル宣言編:4つの価値と12の原則】 / Step 13:変化を楽しむ!「アジャイル」が掲げる第3の価値 ←次はここ

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