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Step 14:いつでも柔軟に!「アジャイル」が掲げる第4の価値
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この記事で学ぶこと
「アジャイルソフトウェア開発宣言」で示されている「4つの価値」の4つ目、「変化への対応」について、詳しく学びます。「計画に従うことよりも、変化への対応を重視する」とは、一体どういうことなのでしょうか?この章を読めば、その真意が理解できます!
この記事って要はこういう話
アジャイルでは、変化は、恐れるものではなく、むしろ歓迎すべきものです。この章を読めば、なぜアジャイルが「変化への対応」を重視するのか、その理由がわかり、変化の激しい現代社会を生き抜くヒントが得られるはずです。
アジャイルソフトウェア development 宣言の4つの価値を、もう一度おさらい!
Step 11、Step 12、Step13では、「アジャイルソフトウェア開発宣言」の「4つの価値」の1つ目「個人と対話」、2つ目「動くソフトウェア」、3つ目「顧客との協働」について学びましたね。
ここで、もう一度、「4つの価値」を、確認しておきましょう。
プロセスやツールよりも、個人と対話を
包括的なドキュメントよりも、動くソフトウェアを
契約交渉よりも、顧客との協働を
計画に従うことよりも、変化への対応を
これらは、「アジャイル」の基本姿勢を表しており、右側の項目を、より重視するのでしたね。
4つの価値4番目:変化への対応を重視する理由
では、なぜ「アジャイル」では、「計画に従うことよりも、変化への対応を」重視するのでしょうか?
それは、変化は、常に起こりうるものであり、変化に柔軟に対応することこそが、プロジェクトを成功に導く鍵だと、考えているからです。
従来の開発手法(ウォーターフォール型など)では、最初に詳細な計画を立て、その計画に従って、開発を進めます。しかし、このやり方では、途中で変化が生じた場合、対応することが困難です。
例えば、開発の途中で、顧客の要望が変わったり、新しい技術が登場したり、競合他社が新しい製品をリリースしたり…といったことが、頻繁に起こります。
このような変化に、柔軟に対応できないと、最悪の場合、プロジェクトが失敗に終わってしまう可能性もあります。
「アジャイル」では、このような事態を避けるために、変化を、恐れるのではなく、むしろ歓迎します。 そして、変化に柔軟に対応するために、短い期間で計画を立て、実行、評価、改善を繰り返すのです。
変化への対応で、何が変わる?
「アジャイル」で、「変化への対応」を重視することで、具体的に、何が変わるのでしょうか?
顧客の要望を、より正確に反映できる: 開発の途中で、顧客の要望が変わることは、よくあります。「アジャイル」では、顧客の要望の変化に、柔軟に対応できるため、顧客満足度の高いソフトウェアを開発することができます。
市場の変化に、迅速に対応できる: 市場の状況は、常に変化しています。「アジャイル」では、市場の変化を、いち早く察知し、それに対応することで、競合他社に差をつけることができます。
技術の進歩を、積極的に取り入れることができる: 新しい技術が登場した際には、「アジャイル」では、その技術を、積極的に取り入れることができます。これにより、より良いソフトウェアを開発することが可能となります。
リスクを最小限に抑えられる: 「アジャイル」では、短い期間で開発を繰り返すため、たとえ失敗したとしても、そのリスクを最小限に抑えることができます。早い段階で問題を発見し、軌道修正できるのです。
変化への対応を実現する具体的な方法
では、「アジャイル」では、「変化への対応」を実現するために、具体的にどのような方法を、取っているのでしょうか?
例えば、「アジャイル」の代表的なフレームワークである「スクラム」では、以下のような方法で、「変化への対応」を促進しています。
スプリント: スプリントと呼ばれる、1~4週間程度の短い期間で、開発を繰り返します。
スプリントプランニング: スプリントの開始時に、チーム全員で、スプリントの目標と計画を話し合います。この際、変化への対応を考慮した計画を立てることが重要です。
デイリースクラム: 毎朝15分程度のミーティングを行い、進捗状況や課題を共有します。この場で、計画の変更が必要かどうかを、迅速に判断します。
スプリントレビュー: スプリントの最後に、成果物(動くソフトウェア)を顧客にデモンストレーションし、フィードバックを得ます。このフィードバックを基に、次のスプリントの計画を修正します。
スプリントレトロスペクティブ: スプリントの最後に、チームで、自分たちの仕事の進め方を振り返り、改善点を話し合います。この場で、変化への対応方法についても、議論します。
これらの活動を通して、変化に強いチームが作られ、変化に柔軟に対応できるソフトウェア開発が実現できるのです。
まとめ:アジャイルは、変化を味方につける
「アジャイル」が掲げる、第4の価値「変化への対応」について、詳しく見てきました。「アジャイル」では、変化を、恐れるのではなく、むしろ歓迎します。なぜなら、変化は、常に起こりうるものであり、変化に柔軟に対応することこそが、プロジェクトを成功に導く鍵だと考えているからです。
変化の激しい現代社会において、「アジャイル」の「変化への対応」を重視する考え方は、ますます重要になってくるでしょう。
さあ、次のステップでは、「アジャイル」の「4つの価値」について、総まとめを行います!
理解度チェック
Q1. 「アジャイルソフトウェア開発宣言」で示されている「4つの価値」のうち、4番目のものは、次のうちどれでしょう?
包括的なドキュメントよりも、動くソフトウェアを
契約交渉よりも、顧客との協働を
計画に従うことよりも、変化への対応を
Q2. 「アジャイル」が、「変化への対応」を重視する理由は、次のうちどれでしょう?
変化は、常に起こりうるものであり、変化に柔軟に対応することこそが、プロジェクトを成功に導く鍵だから
計画を立てるのが、面倒だから
変化に対応しないと、顧客に怒られるから
Q3. 「アジャイル」で、「変化への対応」を実現するための、具体的な方法の例として、最も適切なものは次のうちどれでしょう?
最初に全ての計画をガチガチに決めて、変更は一切しない
スプリントと呼ばれる、短い期間で、開発を繰り返す
顧客からの要望は、全て無視する
解答
A1. 3. 計画に従うことよりも、変化への対応を
A2. 1. 変化は、常に起こりうるものであり、変化に柔軟に対応することこそが、プロジェクトを成功に導く鍵だから
A3. 2. スプリントと呼ばれる、短い期間で、開発を繰り返す
全問正解できましたか?間違えてしまった方は、もう一度記事を読み返してみてくださいね!
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