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総合内科専門医試験⭐︎合格のための3大原則⭐︎
学生時代から言われてきた、試験合格のための3大原則。
それは、
① 過去問をやる
② みんなと同じことをする
③ 手を広げすぎず同じ教材を反復学習する
これは多くの試験に当てはまる普遍の真理なのではないかと思う。
総合内科専門医試験にも同様に当てはまる。
当たり前といえば当たり前なのだが、試験そのものが久しぶりだと意外と意識から抜けていたりする。
総合内科専門医試験では、これらがどのように当てはまっているのかを、1つ1つ、解説していく。
① 過去問をやる
なんや当たり前やん、そんなこと、と思われるかもしれないが、これは意外と盲点だ。毎年の出題問題は公式には非公開である(内科学会出版の古い過去問題集以外)。そのため、最新の過去問は無いものと諦めて受験してきた先生方も中にはいらっしゃるのではないかと思う。
内科学会が販売している過去問題集1・2は易しめの問題で構成されており、出題された問題の一部(改変)が掲載されているに過ぎない。そして、過去問題集2でさえ、2018年に出題された問題と古い。
そのため、つい他の出版社が出している問題集を先に重点的にやろうとしてしまいがちである。そして、(直近の年度の)過去問を解くことは次第に後回しになるか、そもそも必要性すら感じていないかもしれない。しかし、これは敵の姿を知らずして戦闘訓練を始めるようなものだ。内科学会の過去問題集2はもちろん、実際に出た近年の問題の復元をナントカして早めに入手するのが個人的にはオススメだ(過去問題集1は古すぎる上に解説もないので、私はやらなかった)。
SNSに疎く、医局も辞めていた私は、「過去問と同じ問題なんか出ないから。やっても意味ない。」と言う、同じく退局済みで先に合格していた友人の言葉を鵜呑みにし、当初は公式過去問題集以外の過去問はやらずに過ごしていた。というか、直近の年度の過去問の入手方法が分からず友人に尋ねた際に彼女も持っておらず、回答が上記の通りだったため、直近の過去問は手に入らないものであり、皆直近の過去問なしで受験しているのだろうと諦めていた。
しかし、試験の1ヶ月前になって、所属していた某オンラインの勉強会の先生から運良く復元問題を譲って頂くことができ、慌てて直近2年分を解いた。そこで、それまでの自分の勉強の方向性が若干ずれていたことに、ようやく気がついたのだった( ̄д ̄;) ハッ そして、それなりの人数の受験者が過去問を解いているor内容をおおまかにでも把握しているであろうことにも気がついた。私の友人は元々秀才なので過去問なしでも合格したが、凡医が情報戦に乗り遅れるのは危険だ。
友人が言うように、確かに全く同じ問題はほぼ出ない。
しかし、医学部生時代に受けた試験を思い出してみてほしい。試験とは基本的にそんなものではなかっただろうか。よっぽど過去問通りの試験でない限りは、基本的に全く同じ問題というのは出ても少数で、あとは類似問題であることが多く、この教授はこのトピックが好きで毎年のように出してくるだとか、出題形式や問題の問い方の特徴など、試験ごとの傾向があったと思う。そのため、過去問の答えをただ丸覚えするだけではなく、過去問を中心に周辺知識を固めて、過去問から読み取れる傾向や出題者の意図などを無意識的に分析しながら勉強していたはずだ。
実際に受験してみて、やっぱり過去問は大事だと感じた。毎年の出題内容を分析されているケアネットの長門先生によれば、2024年度は出題委員が変わったのか、少し傾向が変わり難易度が上がっていたとのことだった。以前の方がプール問題からの出題が多かったようだ。それでも、よく出る疾患、内科学会推しというべき疾患があるし、過去問を解いてこそ、なんか次はこれが出題されそうだゾ、という勘も働くというものだ。実際に私も、そのような勘は働いた。一つ例を挙げるなら、試験前夜に内科救急診療指針2022 (約380ページある)の中で次出るならここじゃないか?とひらめいた部分があったが、見事に的中した。過去問を一度も見ていなかったら、おそらくこんな勘は働かなかったと思う。
医局に入っている方は、合格者に聞いて回れば誰かしらが何か持っていると思うので、ぜひ一度聞いてみてほしい。内科学会は現在SNS上での出題内容の拡散を禁止し、違反者は資格を剥奪する可能性を示唆する警告を出している(2024年度の総合内科専門医試験の際に一日中アナウンスされた)。そのため、今後SNS上では「過去問」ではなく「予想問題」のようなモノしか手に入らないかもしれない。それでも、出来る限り実際に出されたモノに近いものを入手することをオススメする。問題のエッセンスのみを記した過去問資料もあり、それはそれで役に立つが、解答の選択肢も全て本番通りの形式の、クオリティの高い復元を本番通りに解くのが個人的には良かったと思っている。登録料が無料or安いところで譲って頂けたので、本当に運が良かった。もっと早く手に入れていれば良かったし、むしろ1番最初に見ておくべきだった、という反省はあるけれど。
② みんなと同じことをする
別の記事でも書いたが、周りに合格者の先輩がいらっしゃる環境にあれば、直接話を聞いてみる、あるいはネットで合格体験記や当ブログのような記事を読んで参考にするのが得策である。バリエーションはあれど、大体みんなコレはやっていると思われるモノは必ずやっておくのが無難だ(公式過去問題集2やセルトレ問題集、クエバン、出るズバなど)。みんなが解ける問題は解けた方が良い。死兆星といって、基準点を下回る科目が2つ以上あると、総得点が6割以上取れていても不合格になるという仕組みになっている。その基準点が何点なのか、つまりどのくらい点数が低いと死兆星がつくのかは公開されていないが、風の噂では得点率4割以下が2科目以上あると危ないようである。合格ラインは総得点6割以上と絶対評価ではあるが、死兆星に関しては-2SDなど相対評価で足切りしていると思われるので、みんなが解ける問題は確実に得点できた方が良い。いわゆる割れ問やみんなが解けないような問題は後で削除される可能性があるので、別に解けなくても良い。
③ 手を広げすぎず同じ教材を反復学習する
これもよく言われることだが、同じ教材を必ず反復学習して、知識を定着させることが大切だ。これは受験勉強の頃から言われてきたんじゃなかろうか。曖昧な知識は得点につながりにくい。総合内科試験を受ける皆様は、仕事に子育てに忙しい世代である。同じ教材を繰り返し反復するためにも、手を広げすぎないことも大切だ。1回見ただけでバッチリ記憶できる脳を持った人以外、問題集の1周目なんて自分がどれだけ理解しているかの確認程度に過ぎない。自分は凡人だという自覚があるなら、出来れば3周以上、少なくとも全問は2周+間違えた問題だけでも3周以上したいところだ。
なんだ当たり前のことばかり、と思われるかもしれないが、当たり前のことを当たり前にすることが大切だ。