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詩   面影…ⅱ


宵に降り始めた雨は
止む気配もなくて

やさしいリズムで
耳もとに溶け込むかのように
降り続いて…


いつしか
不思議な夢の中へと誘われていた


” ねえねぇ、こっち
さぁ ”

差し伸べられた手を
何のためらいもなく掴んでいた

初めてではない
たぶんどこかで会ったことがあるのだけど
思い出せない

じっと見つめると…
     見つめ返してくる

そして謎めいた微笑みで
抱きしめてきた

そしてすぐにわかった
懐かしいこの匂い
あのときの オモ カ ゲ


にやりとウインクで返事をすると

そのまま二人の身体は

 ふわり と浮いた


そして…



“ ねぇ、今年はこぐま座あたりでデートしない ・・? ”

と アイツ



  

           ‥



雨音は魔法のリズム奏でつつ君へ君へと心走らす

 


君の香の夢の名残りか冬の星



口もとの僅かな紅や冬苺
 


冬銀河恋しき想いに翼あり








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