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珈琲を飲みに行く

京都は五条の『COFFEE SHOP WINDY(コーヒーショップ ウインディー)』にて丁寧に淹れられた美味しい珈琲を味わう


#私のコーヒー時間

10年以上、私なんかに相応しくないのでは、と恋い焦がれ、勇気がないと引き返し、勝手に長らく片思い

片思いは得意なんです

なんつって


2月1日の土曜日の午前中、『新風館』地階にて映画を観て、お昼ご飯に『大極殿』でおぜんざいを堪能し、寒さに凍えながらてくてく東へ南へジグザグ

今日はとことん欲望を満たす休日

『予定』を立て、それに沿って行動する

ものすごく沢山お金を使うとか、ものすごく遠くまで出掛けるとか、ものすごく沢山飲んだり食べたりするとかではない

お気に入りの服、お気に入りの小さなカバンを提げ、好きな道を通り楽しく歩いて、『気になっていた』『行きたかった』『食べたかった』『飲みたかった』を満たす

気まぐれな私だけれど、そんな1日を過ごすべく万事予定に沿って動く

五条大橋
五条川端
この角は大きいサイズのお洋服のお店があった
今はオール半兵衛麩
もともと所有されていたのかしら

東は鴨川を2本ほど東の本町通り、南は五条通りを目指して歩く

おそらく10年くらいは気になりつつ、何度も前を通っては訪れるのを先送りしていたお店

何らかの、まあ言わば、マイナスの感情を持つような情報を入れないよう、お店の公式の情報―こだわりや営業時間・営業日の確認―を見ては思いを募らせていた

普段、仕事中は安いドリップバッグにポットのお湯を雑に淹れてガブガブ

お休みの日は、飲むとき飲む分を淹れるものの、沢山飲みたいのでガラスポットに一気に2杯強淹れてごびごび飲んだりする

THE大雑把

そんな私が行って良いお店なのかしら

五条通りを本町通りへ南に曲がってすぐ
珈琲だけよ
ドキドキする
階段を上がる足もガクガク震えちゃう

勇気を出して、扉を開ける

先客は一組

にこやかな女性に『日本人ですか?』と問われ、少し戸惑い、はにかみつつ『はい』と答えたら好きなお席へどうぞと案内される

拍子抜け

不機嫌そうなしかめ面の店主にぎろりと一瞥され、カウンターに並ぶ常連客に頭のてっぺんから足のつま先まで目ねつけられ、座った席は後から来る常連客の・・・

なんて想像していた雰囲気とはまるで違う、珈琲の香りに包まれた落ち着く雰囲気

嬉々として焙煎室の横の席につく

このあとお店に来られた母娘らしき女性二人にも『日本人ですか?』と声をかけていた

五条通りはHilton(ダブルツリー?)やら沢山のホテルが出来ているので外国の方が多いのかしら

焙煎室
手で挽くタイプのミル
これは飾りなのかしら?
席から店内
カウンターがあり、淹れるところ見られる特等席
次はあの席が良いな
卓上を撮る

写真撮影もご快諾頂く

(写真撮って良いですか?と最後まで言う前に大きな溜息をつかれるようなイメージだった)

これを飲むつもりで来たので、“ブレンド珈琲”を注文する

お店のおすすめナンバーワンよ

カウンターにお客様が座られて、雑談しつつ珈琲を淹れておられる店主の姿を見つめる

“ブレンド珈琲”が、来た

クラシカル

お店に入った瞬間から、コーヒーの香りが充満しているので、あらためて感じる香りというものは特にない

カップを持ち上げ、鼻先に近づけると立ち上る湯気とともに“私の珈琲”が香る

体の中の隅々まで染みこませるかのようにその香りを存分に吸い込む

良い香りにうっとりする

そして、口に含んだ瞬間、甘さに驚く

喉を通り過ぎる前にどこかに行ってしまったように感じるほど軽やかなのに、その甘さは強く舌に刻まれるような感じがする

口に残るは甘さの余韻だけ

まるい・まろやか・やわらかいと言ったその甘さで口中は満たされるけれど、後味はすっきりとしているので、つい飲みすすめてしまう

『美味しいものは甘いんやで』と、過去何度か聞いた気がするが、この時ばかりは私も激しくそう思った

ゆっくり味わいたいと思いながら、もう次のひとくちを求めてしまう

この1杯で帰るのは勿体ない

奥様の手のすいた隙を狙い、もう1杯頂きたいのでおすすめを教えて欲しい、と声をかける

2杯目以降(2回目以降)しか注文できないメニューも持ってきて下さり、私の好みを聞きつつ丁寧に説明をして下さる

珈琲何グラム・お湯何ccは基本が決まっていて、それの比率違いや、挽き方、豆の種類、味わい、色々教えて頂いた上で奥様のおすすめのコロンビアを注文する

デザートはコーヒーを飲み終えてからの注文になる
お菓子を食べてから飲む『お茶』の反対みたい
珈琲豆を焼酎につけた珈琲酒かけアイスクリーム
豆そのままと粉
水出しではなく水で淹れる
すり鉢で自分で潰すのもあるみたい
エンターテイメント!

カウンター席の若い男性は常連客、もう一人は韓国の方

旅行中に立ち寄ったとかで、常連客の男性と上手な日本語で雑談しておられる

雑談に参戦しつつも、店主は珈琲を淹れる作業で動きっぱなし

挽いたり、計ったり、セットしたり、蒸らしたり
奥様お手製のコットンフィルターですって
直接聞いたのではなく漏れ聞こえる会話から知る

奥様との会話や珈琲のサーブまでの絶妙なやり取りも心地よく、1杯ずつ仕上がっていく様子を眺める

“コロンビア”が、来た

楽しみ
お茶のお茶碗を愛でるあの作法の意味が少しわかるカップも素敵
飲み口は唇に、持ち手も手に馴染む
カトラリはピカピカ

ブレンド珈琲とはまた違う甘みを感じるけれど、苦みにほんの少しだけ重さを感じる

そのせいかサラリとした後口と言うよりは、少し口に残る余韻が違う

強く来るけど、心地の良い柔らかさに気持ちがほどけるような甘味を感じる

こちらもすごく美味しい

どちらかというとブレンド珈琲のほうが好きな気がするけれど、食後だったり、1杯目だったり、もっと朝早かったらまた違う感じがしたのかも知れない

“コロンビア”を飲みはじめると、奥様がやって来て『“ブラジル”は今、新豆で、こちらの豆は機械乾燥ではなく天日干しなんです。で、書いているお店もありますがうちは書いてないけど、今、新豆なんです、言い忘れていてごめんなさい』とおっしゃる

珈琲への溢れる愛をみた気がした



また行きたい

もっと早く来ていれば良かった?

早いとか遅いとか、こんな美味しい珈琲前にして、つまんねえ事言うなよ

今、この一杯に出会い感動したことにはきっと意味がある

土曜日の楽しみがまたひとつ増えた、2月1日の午後のこと

とか何とか言いながら、頭の中を流れるのは、これ






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