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家族で過ごすクリスマスに考えた、大人の感情と子どもの視点
クリスマスの今日、家族でお義母さんの家に遊びに行きました。暖かいリビングには笑顔が溢れ、子どもたちの笑い声が響き渡り、いつものように楽しい時間を過ごしていました。そんな穏やかな団らんのひととき、スマートフォンを何気なく眺めていると、ネットニュースで目に留まった話題がありました。
電車の中で、単身らしき男性がカップルに対して罵声を浴びせる動画が投稿され、話題になっているというのです。混雑した車内での出来事とあって、動画には周囲の乗客たちが困惑する様子も映し出されていました。
そのニュースに反応したのは、長男でした。
“なんで怒ってるん?”
小学5年生の彼の問いに、一瞬、言葉に詰まりました。こういった感情の機微を説明するには、少々複雑すぎる気がしたのです。しかしながら、彼の関心を無視することもできません。
“せやな…大人になると、一人でいるのが寂しくなって、一緒におる人らを見ると、嫌な気持ちになることもあるんやろうな…”
そう答えつつも、これは話題を変えようとする一種の逃げ口上でした。しかし、長男はさらに追及します。
“でも、いちいち電車の中で言うんやったら、周りの人もおるやん。言うんやったら、電車降りてからでもええんちゃうん?”
その鋭い指摘に、心の中で思わず“おっしゃる通りです”と頷きました。しかし、そう簡単には話が終わらないのが、この年頃の子どもたちの特徴でもあります。長男は興味津々な様子で、さらに食い下がってきます。
“なんでそんな怒るんやろ?”
ここで、私は少しだけ言葉を整え、再び答えを試みました。
“大人になると、いろいろな事情があるんや。普段の生活でストレスが溜まってたり、悲しいことがあったり…そういうのが重なると、どうしても怒りたくなることもあるんちゃうかな。”
その上で、一方的な視点で物事を決めつけないようにと補足しました。
“せやけど、今回の話もしかしたら、何か前の出来事が原因かもしれん。電車の中で何かトラブルがあったのかもしれんし…一方的にその人だけが悪いって決めるのは早いかもしれんで。”
すると、長男はしばし黙り込み、何かを考えている様子でした。その横顔を見て、私は少しほっとしました。彼の中で何らかの気づきが生まれていれば、それだけで十分だと思ったのです。
家族で過ごす時間は、ただ楽しいだけでなく、こうして大切な価値観を共有する貴重な機会でもあります。特に子どもたちは、日常の小さな出来事から多くを学び、大人たちが忘れてしまいがちな純粋な視点を持っています。
長男との会話を振り返りながら、私はクリスマスの夜空を見上げました。家族とともに過ごすこのひとときが、未来の彼らの中にどういう形で残っていくのか、それを思うと少しだけ胸が温かくなるのを感じました。
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