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縫ってみた〜ミシンでパスケース作り〜
新年度もはじまり、新しい経路で通勤・通学をされた方もいらっしゃるかと思います。
バスや電車を利用する人にとって、おすすめの小物が「パスケース」です。
バックから取り出しやすく、降車口や改札口などで素早く支払うことができます。
(カードを財布やスマホと一緒に入れて使うこともできますが、読み取りでエラーが出やすいため別々にしています)
今回は交通系ICカードを入れる、パスケース(定期入れ)作りの様子をお届けします。
(この記事は画像20枚、3700文字ほどで構成されています)
パスケース作りについて
これまで使っていたパスケースが痛んできたため、自作しようとしてから5ヶ月。
昨年10月から刺しゅうした布でパスケースを作っていましたが、布の厚さを失敗して不恰好な状態に……。
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布自体が厚かったり、クリアケースがかたかったりしたことで凸凹が激しいです。
基本的な裁縫技術が不足が原因でしたので、練習用を作ってみることにしました。
今回はこちらの作り方を、参考にさせていただいてます。
材料の準備
パスケース作りに必要な材料を用意し、規定のサイズに裁断していきます。
必要な材料やサイズは、以下の通りです。
※今回は8.5cm×5.5cmのカードが入る大きさになっています。
(接着芯以外は、縫代込みのサイズ)
<布地>
背面 1枚(9cm×13cm)
中側 1枚(9cm×13cm)
表窓 1枚(9cm 11.5cm)
全て同じ布地を使ってもいいですが、今回は花柄の布とジーンズ生地を合わせていきます。
使用する布地はとくに制限はありませんが、裏表を返す作業があるので固い生地は避けた方が良さそうです。
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花柄の布地をメインにします。
<接着芯> (縫代不要)
背面 1枚(7cm×11cm)
中側 1枚(7cm×11cm)
表窓 1枚(7cm×9.5cm)
接着芯とは樹脂を吹きかけてある布のことで、布の裏につけて張りを持たせることができます。
布自体に張りがあると型崩れを防止でき、裁縫中も折り目がつけやすく作業しやすくなるのです。
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薄手のものなので、洋服作りにも使えます。
接着芯にもさまざまな材料や厚みがありますが、薄手の方が扱いやすく失敗も少ないようです。
(最初に製作した際は厚手の物を使用したため、作業がしずらくなってしまいました)
<窓部分>
クリアケース (7cm×9cm)
今回のパスケースでは中が見えるように、透明のクリアケースをつけるようになっています。
クリアケースの材質にも種類はありますが、比較的薄手で柔軟性のある素材を選ぶようにしてみました。
<タグ部分>
革ひも、または綿テープ (8mm×6cm)
パスケース本体タグをつけておくことで、付属のひもが取りつけやすくなります。
パスケースのタグにする素材は、丈夫で取れにくいものを選びましょう。
今回は革ひもがなかったので、丈夫なハギレをつけてみました。
パスケースの材料を組み合わせる
材料の裁断まで終えた後は、手順にそって組み合わせていきます。
1.布地にそれぞれの接着芯をつける(3枚とも)
最初は布地の裏側に、それぞれのサイズに合わせた接着芯を貼りつけておきます。
貼りつける際はアイロンをかけていきますが、裏表を間違えないように気をつけてください。
(表面のざらついている側が接着します)
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位置がずれないよう、まち針で留めてます。
接着芯には縫代がないため、布端の上下左右1cmずつ内側になる位置につけます。
2.窓部分の布を切り取る
次に表窓の布地に、窓部分を作る工程です。
裏側の布端から上下左右2.5cmの位置に、チャコペン(なければ鉛筆)で線を引きます。
さらに1cm内側にも同じように線を引き、中央部分を切り取っていきました。
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3.縫代分の切り込みを入れる
切り抜いた四隅から、先に線を引いた(上下左右2.5cmの位置)の四隅に向かって切り込みを入れていきます。
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4ヶ所に切れ込みを入れた後、線に沿って接着芯の側に折り込んでいきます。
4.裏側にクリアケースを合わせて縫う
折り込んだ布端を挟む形で、クリアケースをつけます。
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動かないように、まち針で留めています。
縫いつける際はミシンを使用しますが、縫っている最中にクリアケースの位置がずれないよう気をつけてください。
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もう少し内側を縫っても、よかったかもしれません。
5.表窓の片側を2つ折りして縫う
カードの出入り口部分は、片方の縫代部分を折って縫います。
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6.材料を重ねて置く
表窓の準備ができた後は、材料全体の組み立てです。
それぞれ表になる面が上になるように、中側・表窓・タグの順番で配置していきます。
タグは半分に折って両端を外側に向けて、右端の真ん中(表窓の端がついていない方)に揃えます。
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タグの向きは違いますが、だいぶパスケースの形になってきました。
7.背面を表が内側になるよう重ねる
6で配置した上に、背面の布を表が内側にくるように重ねていきます。
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8.ミシンで縫っていく
縫代(接着芯の周り)に沿って、ミシンで縫っていきます。
その際に返し口として5cm、側面に縫わない部分を残しておきましょう。
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書かなくてもいいですが、チャコペンで目印を引いています。
9.表裏をひっくり返す
全ての材料を縫い合わせたら、返し口から裏表をひっくり返しました。
この時角を切り落とすと、中でかさばらず形もキレイに仕上がります。
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布地にかたさがあると返しにくいので、注意してください。
10.形を整えていく
裏表を返し終えたら、全体を平らにしていきます。
四隅は作業しづらいため、目打ちなどを使って角を整えてください。
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あまり力を入れると、穴が開く可能性があるため気をつけましょう。
11.パスケース全体の端を縫う
最後にパスケース全体の端をミシンで縫っていきます。
ミシンをかける位置は内側にならないよう、できるだけ端に沿って縫っていきましょう。
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縫った糸や切れ端などを取り除いて、パスケース本体の出来上がりです。
後から足した部品
参考にさせていただいたパスケース本体に、いくつか部品をつけ足しました。
使用した素材の問題や、個人的に使いやすくしていくためです。
<付け足した部品>
持ち手とDカン
パスケースのひも部分はいくつも種類がありますが、今回は100均で購入した「持ち手」を採用しました。
リール式やゴム式は伸び縮みして収納しやすいですが、劣化もしやすい素材でもあります。
落下防止や防犯のためにも、強度の高い革素材にしたのです。
そのままつけても良かったのですが、ハギレを使用したことでフックをかけると不恰好な形に……。
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後々タグが劣化する可能性もあるため、物を引っかけられる部品「Dカン」も使用することにしました。
Dカンはバックにも使われている部品で、本体と肩ひもなどをつなぐ際に使われます。
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タグに折り込んで、糸で縫いつけました。
以前この部分の金具が開いてしまい、パスケースを落としたことがありました。
1番劣化しやすい部品でもありますので、頑丈な金具を選ぶようにしましょう。
ボタンとヒモ
試しにカードを入れてみたところ、隙間が空いて落ちる可能性がありました。
中に厚紙などを入れて滑らないようにしてもいいですが、もうひと手間加えます。
出入り口部分にボタンをつけ、カードが滑り落ちないようにしたのです。
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取りつけたことで落下防止にはなりましたが、少し不恰好に見えます。
裁縫に詳しい母に相談すると、ボタンを取り付ける位置が逆でした。
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ボタンをタグにつけることで強度が増し、ひもの取り付けを表窓の中にしまうことで見栄えが良くなるそうです。
(この形なら、ボタンの出っ張りも気にならなくなります)
まだまだ修正した方がいい箇所もありますが、今回のパスケースが完成しました。
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カードに名前が入っているため、ハギレで隠しています。
まとめ
ここまでミシンで縫う、パスケース作りについてお届けしてきました。
それぞれに使いやすく作り替えられるのも、ハンドメイドならではの魅力です。
背面の布に刺しゅうやレースをほどこしたり、複数の布を組み合わせてみてもと独創的なデザインにすることもできます。
しかし基本的な構造や過程を知らないと、思いがけない失敗につながります。
今回1通り作ってみることで、「どのようにアレンジすればいいか」がわかってきました。
何事も身につけてるには、まずやってみることが大事ですね。
いつも以上に長くなりましたが、最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
裁縫する際やパスケースを購入する際に、少しでも参考になったなら幸いです。