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tomekantyou1
自分は身体の科で医者をしていたが、それから色々あって今現在はメンタルのほうを診ている。元々がこちら志望でありこれこそがわがテリトリーであるとつくづく思うから、転科して良かった。
遠回りをしたのは武者修行のためであった。その副作用は、未だに自分が身体科で働く夢を見てうなされることだ。
「今やっていることを全うできなければ、何をやってもできない」そんな風に考えて努力していたのだが、無理がたたった。今日の仕事への意欲の高さを思うと、「やはり、人によって合う仕事はあるのでは?」と思える。
過去に培った技術はどうやら残ったらしい。それが良かったと思える時もある。もう少しだけ言うと、それで自分を誇らしく思える時もある。これ以上は自慢話のようになるからやめる。ただ、報われたと思うことがあるのは救いだ。
ただ、今自分が若い人に対して何かを伝えるとしたら、人生は損切りでいいということだ。「やってきたことに無駄はない」とか「元を取る」という発想がいいとは思えない。
それよりはばっさりと潔く捨てたほうがいい。爽快だから。その爽快さで次のステージを踏める。
新しい場所の居心地の良さが身に染みるなら、遠回りしたことにも意味があるのではないか。