もっと伝わる編集の基本~04.構成が整っていないと疑うべき「印」
前回、文章が構成どおりに書かれているかチェックする工程で、具体的に何をするのか説明しました。
この工程のキモは、文を仲間分けして、仲間外れの文を除外することです。
で、肝心の結論を書いていませんでした(すみません)。
今回は、前回を引き継ぎ、構成をチェックする作業とは何か改めて確認するところからスタートします。
結論「構成をチェックする」とは
前回を受けて、構成をチェックする工程では何をするのかを整理します。
「構成をチェックする」とは、その項目に入れると決めた話題以外の文があったら除外し、除外した文を、本来入れるべき項目に移動することです。
具体例を見せたので何となく理解していただけたと思うのですが、一見、スルッと読めてしまったからといって、それでOKとしてはいけません。
もっと厳密に、そこで何を言わんをとしているかを考え、言うべきことをを抽出する、純化する、洗って不純物を取り除く、そんなイメージでしょうか。
……えーとですね、と、いうか、少なくとも私はそうしていると言い換えたほうがいいかもしれません。ちょっと力入り過ぎました。
同じ話題があちこちに出てきたら、疑う
話を戻しますと、文章の書き方や編集に関する説明文のなかで、「同じ話題が、あちこちに散らばっていたらまとめる」といったことを読んだり、言われたりしたことはないでしょうか。
これは、「仲間分け」と同じことを言っています。
本来、同じ話題があちこちに散らばっている状態はあり得ないからです。構成で、意図して同じ話題を繰り返し出すことにしない限り、「何となく繰り返し出てきた」状態はNGです。
たとえば、朝起きて、仕事に行くという話しをしていたのに、仕事場の話題の中で朝の話が出てくる、
あるいは、結論を述べている場所で、前提の話が再度出てくる、
こういった状態が「同じ話題があちこちに出てくる」状態です。編集は、これを見逃してはいけないんですね。
ある話題が二度出てきたら、構成が整っていないと疑います。
一見無理なように見えてもこれを整理すると、大幅に文章がブラッシュアップされ、「言いたいこと」「伝えたいこと」が端的に印象づけられます。読む人にとっては、数倍読みやすくなりますよ。
小見出し・大見出し・章単位でも同じことを行う
文の仲間分けおよび同じ話題をまとめる作業は、小見出しの中でも行いますし、小見出し・大見出し・章といった文章のカタマリごとでも行います。
これがいわゆる「文脈を整える」という作業です。
原則として、構成に従って、文の仲間分けと除外した文をまとめる作業をしていけば、全体の文脈が整っていくはずです。
原則と現実、そして次回の予告
あえて「原則としては」と書いたように、これはあくまで原則であって、現実はそんなに簡単にはいきません。
実際に文章を書いてみたら、構成どおりの順番ではうまく文がつながらない、構成で求めていた結論までたどり着かない…なんていうことが、多々発生します。
そのとき、理想(構成)と現実(文章)、現実から生まれた新たな要素や本来主張したかったこと、意図などを踏まえて、最善の文脈を作り出すのは編集の仕事といえます。
といったわけで次回は、「文脈を作る」ために何をするのか、説明したいと思います。
今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。心より御礼申し上げます。少しでも皆さまの役に立つ要素があればいいなと思って一生懸命書いております。
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