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もっと伝わる編集の基本~06.制作の「手綱」は編集が握る~(今さら)ここで扱う「編集」について

今さらですが、このコーナーで扱う「編集」の範囲について説明させてください。
いろいろと「編集は~」という言い方で説明をしているうちに、編集全体を語っているようで、そうではないのにそんな言い方になっているな…とだんだんだんだん気になってきてしまったんです。すみません。
本来最初に書くべきでした……ほんとにすみません。ちょっと脱線ですが、今回はここで扱う「編集の範囲」について説明します。


制作工程での編集

編集がカバーする領域は、企画、制作、進行管理、デザイン、発行、プロモーション業務など、多岐に渡ります。
それらのプロセスで欠かせない著者やデザイナー、イラストレーターなど各種スタッフとのやり取り、デザインチェック、昔なら色校チェックなども業務範囲です。

編集者はコンテンツが世に出るまでに必要な、一切合切の業務を担当します。まさに現場のプレイングマネージャー、何ならプレイヤーがほかに一人もいないプレイングマネージャーだったりもします。

このコーナー(マガジン)で扱う「編集」は、制作工程で求められる編集の業務です。

私の主観で作った表ですが、制作工程には企画、ライティング、編集、校正、校閲という工程が含まれます(デザインも入れてもいいかもですが)。
ここで扱う編集は、一番濃い黄色の部分です。少しだけ校正についても触れると思います。企画での編集の役割は扱いません。

ライティングと編集は不可分。でも別

担当を見るとわかりますが、編集は、編集者もライターも行います。そもそもライティングという工程に編集は不可分であり、必ずセットです。

ただし、セットではあるけれど、やはり異なる。これがライティングと編集の関係性です。
だからこそ、ライティングを上達させたいなら編集スキルをアップするべきだし、ライティングを行うと編集スキルもアップするという好循環が生まれます(これがこのコーナーの、そもそもの主張ではあります)。

少し話が逸れましたが、ライティングと編集は分かちがたい工程ではあるけれど、やはり別の工程なので、ライターと編集者、それぞれ別の人が担当するのが基本です。

ただ、私は編集もライティングもやってきましたが、本格的に編集を行うのは、やっぱり編集者です。
なぜなら文章の目的やターゲットなど、文章の骨幹を一番理解して手綱を握っているのは編集者であり、ライター・著者は、編集者に御されている馬(悪い意味じゃないです!!)のほうだからです。

誤字脱字があってダメだと思われるのは編集者

校正は基本的に編集者と校正者の領域です。校正者を別に置く予算がないときは編集者が校正も行います。
誤字脱字についても、責任を負うのは基本的に編集者(編集部)です。

私たちは出版物のなかで誤字脱字を見つけたとき、「この編集者、ダメだな」とは思いますが、「この著者、ダメだな」とは思いません。それは校正の責任を負うのは編集者だからです。

校閲とは、事実確認を行うことですが、これも責任を負うのは編集者(編集部)です。著者として事実と異なることを書いてしまった場合、著者の評判は下がりますが、刷り直しや訂正、必要に応じて外部への謝罪などを行うのも基本的には編集部(編集者)が主導します。

最終責任は編集者にある

何か間違いがあって、編集者が「だって著者がそう書いてたから(確認取りませんでした)」と言っても、誰も聞いてくれません。あるいは「校閲担当が見逃した」と言っても同じです。
コンテンツの直接の責任は編集者(編集部)にあり、著者は権利を共有する人という位置づけです(多分)。

著者の書いたことも含め、確認のうえ間違いないものを世に出すのが編集者の仕事です。そのため、世に出す前に内容の良しあしを判断するのは、編集者になります。著者が「どうしてもこれで出したい」と言ったとしても、それにGOを出すのは、やはり編集者であり、その意味で最終責任は編集者(編集部)にあるといえます。

だから、編集という工程は、モノを作るうえでとても重要であるし、とても大きな責任があります。

改めてのお詫びと次回へのお約束

といったわけで、編集者の仕事と、ここで扱う編集の範囲について説明しました。

ここまで来て理解したのですが、この回を挟んだのは、なぜライティングを上達させるうえで編集スキルをアップしたほうがいいのかという、ライティングと編集の関係について述べたかったのと、コンテンツ制作において手綱を握っているのは編集だという話をしたかったのだと思います。

……えーと、本当にこの話は最初にすべきでした。すみませんでした。そして、次こそ「構造」の話の続きをしたいと思います。…ほんとにすみませんでした&読んでくれてありがとうございました。


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