2024年の映画作品振り返り
はい、2024年も、新年が明けて随分経ってからの映画感想振り返りになります。12月に年間ベストをポンポン決めている方は、年末ギリギリには映画観ていないんでしょうか? どうしてもこの時期くらいになってしまいます。
2024年に鑑賞した作品は49作。特に印象的だった5作を順不同で挙げています。
2024年の各作品はこちらから↓
前年2023年の映画振り返りはこちらから↓
読み返してみて、印象的だった5作品を改めてご紹介。いつも通り順不同です。それでは、どーぞ。
『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』
シリーズ3作目にして、邦画史に名を刻む決定打となったアクション映画の傑作。面白さ、エンタメという点でなら、年間ダントツでした。少しずつ1作目からの雰囲気が変わっているのを、世界観のブレに捉えてしまう方もいるかもしれませんが、連載漫画の方向転換と同じようなものなので、漫画好きの自分としてはリアルタイムで追えている感じがとても良いんですよね。今年の後期朝ドラ『ばけばけ』で髙石あかりさんが世に大きく出るのも楽しみです。
『ソウルの春』
今年の韓国大統領・尹錫悦の戒厳令発令の報道には本当にハラハラさせられました。それは、この作品を観ていたからこそのものだったのかもしれません。
社会と歴史が込められた重厚さがありながらも、ちゃんとエンタメで面白さと共にそれを伝えてくれる傑作。本当に韓国映画業界そのものの充実さというか、矜持のようなものを感じる作品でした。
『あんのこと』
2024年の役者といえば河合優実さんで決まりなのは間違いありませんが、『ルックバック』『ナミビアの砂漠』と出演作が傑作揃いなので、どれにするかは迷ってしまいました。ただ、今は自分の心に深く深く刺さっているこの作品にしておきます。未だに観た時の重さが残っているし、この作品が描いた理不尽さは、致し方なかったものでは決してなく、これまた未だに自分の中で続いている、政治への怒りという火を消さないようにしてくれている名作だと思います。
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
評価軸がバラバラで5作品を選んでいるので、それぞれが名作なわけですが、「好き」というだけなら本作を挙げます。自分自身の人生へのエールとして観返したいし、大切な誰かへの励ましとしても、この物語を薦めたいです。本当に大事な1作になりました。この作品を観た時の暖かい気持ちは、いつまでも忘れたくないものです。そして、作中のこの3人のことも。
『悪は存在しない』
『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』という傑作を輩出して、映画監督として大きな存在になっておきながら、ここまで観客を戸惑わせる物語、それでいて、またしてもしっかりと傑作として叩きつけていることに、畏怖の念を抱きます。濱口監督、恐るべしという感想しかありません。棒読みでも伝わるキャラクターの心情、言葉の魔法によるメッセージ、それらを内包した美しいショットと来て、その全てを破壊してしまうかのような不穏な結末。三島由紀夫が『豊饒の海』で描き続けた物語を『天人五衰』で収束させたような衝撃でした。この衝撃は年が明けてもまだ記憶に刻まれています。
週イチペースで観ているとハズレもありますが、今年は素直に「面白かったなー」と楽しめる作品が多くなった気がします。それでもやっぱり訳わからん作品や、辛くてしんどい作品が印象に残ることが多いんですよね。
まあ、現実世界はしんどいどころではない状態が今年も続いていますが、物語を糧にして、フィクション以外の差別や暴力を否定しながら、ボチボチと世界平和を目指す所存でございます。
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