【都市伝説】『ストーカー』
ある一人暮らしの女性がストーカーの被害に悩まされていた。
ゴミが荒らされた形跡があったり、
彼女の家の前にずっと立っている男が近所の人に目撃されたり……。
なによりも彼女を悩ませていたのは、
毎日必ずかかってくる無言電話の存在。
ある日、我慢の限界に達した彼女は、
いつもどおりかかってきた無言電話の相手に向かって、
「いいかげんにしてよ、この変態! 警察に連絡しますよ!」
と怒鳴りつけた。
すると、
しばらくの沈黙のあと、
電話は「殺す……」という低いつぶやきの声とともに乱暴に切られたのだ。
怖くなった彼女は警察に連絡した。
彼女の話を聞いた刑事はすぐに彼女の家にやって来ると
電話に逆探知の仕掛けをし、
「もしなにかあったら、すぐに駆けつけますから」
と言い残して帰っていった。
その日の夜。
やはり彼女のもとには電話がかかってきた。
ただし今夜の電話は無言ではない。
電話口で男が不気味な声で笑っている。
彼女は怖くてすぐに切ってしまいたかったが、
警察に逆探知をしてもらうために我慢をした。
男の笑い声はやむことなくつづいている。
どれくらいの時間がたっただろうか。
突如、彼女の携帯に電話がかかってきた。
昼間の刑事からだ。
「今すぐその家から外へ逃げ出しなさい」
刑事は緊張した声でそう告げた。
しかし、外ではこの恐ろしい男が自分を待ちかまえているのでは?
そう思うと彼女は行動に移せない。
その気持ちを感じたのか、刑事はつづけざまにこう言った。
「逆探知の結果が出たんです。犯人は電話をあなたの家の中からかけています。犯人はあなたの家の中にいるんです!」
驚いた彼女はすぐに男からの電話を切った。
しかし……
電話が切れてもなお、
部屋の中には
男の笑い声が
響きつづけて……。
1か月ほど前
家の近所で全国ニュースで放送される事件が起こった。
最寄り駅が同じと放送されていたので
ビックリしていたが、もともと治安は良くない。
昔ながらの住民も多いが、ホスト、キャバクラの従業員らしき人も多い。
深夜、酔っぱらって大声を出している人もたまにいる。
話が脱線したが、全国ニュースで放送された事件は
憶測が飛び交い、被害者、加害者の背景がわかると論調が変化していった。
今回、「ストーカー」の都市伝説をご紹介したのは
この事件を思い出したからです。
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