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さながら人が流れる水族館…5/19文学フリマ東京38に参加します。

こんにちは。
葉山かのこと申します。文フリ東京が近づいてまいりましたね。
新刊を準備する方……告知に本腰を入れる方……わくわくどきどき大人の文化祭さながらの盛り上がりを見せ巨大化傾向が止まらない文学フリマ……。

私はというと、すでに怖気づいています。しんどい。

※この記事は、文フリに参加するノウハウ、有益で便利な情報、文フリに向けた気構えを示す積極的な意図はありません。
日々考えたことに対する日記です。

文フリ遍歴

初参加が2022年11月の東京、今回で7回目の参加です。
頒布しているのは以下の通り。

長編小説多め

参加初めての時は何をしてもワイワイきゃいきゃい楽しくてはしゃぎまくっていたのですが、寄る年波と慣れと人混みへの苦手意識から、今は近づくにつれ「誰も来てくれなかったらどうしよう」「体力もたん…」「翌日仕事…」「隣の人怖かったらどうしよう…」というネガティブループに苛まれ胃を痛くしています。

…………とか言いながらも、やっぱり少しわくわく楽しみにもしてます。

今回から有料化

しますね。私は正直あまり歓迎できないな~と思う反面、前回の東京開催の朝の山手線ホームばりの混雑を見ているので「致し方なし」という気持ちです。

私が歓迎できない理由はいくつかあります。

出店者同士でばかり盛り上がっちまうんでは

自作の本の感想をいただくとき、人は(少なくとも私は)天にも昇るような嬉しさを感じます。びっくりするほど嬉しい。

ただ、しばらくすると見えてくるのはやはり出店者同士で読みあう構図が多いということ。
当然と言えば当然です。だって同じ趣味を持った同志だから。
それに、自分が書いたものを「面白い!」と思ってくれる方が作ったものは往々にして面白いと感じることが多いです。

これは互いにWinWinの関係ですし、イベントの楽しさを実感するきっかけに成り得る素敵な出会いだと思います。
私もそういう出会いを求めてイベントに参加し続けています。

しかし、そればかりで盛り上がるってのはなんか違う気がします。

私は「小説を書くことなんかに興味ないけど面白そうだから読んでみたい」って方、つまり、過去の私みたいな方に楽しんでもらいたいという気持ちもあります。

今回の有料化はそんな「ただ面白そうだから来た」ような方々の間口を狭め、より内輪ノリに似た雰囲気を加速させてしまう懸念を感じています。

とはいえ混雑は嫌だから仕方ないってのは理解してるんですけど…。

気休めにはなりますが、私は読書が趣味の文フリを知らない方何人かに「5/19にこんなイベントありましてね……、まあ参加費かかるんスけど……よかったら……デへへ」みたいな宣伝をしたりしました。
(多分来てくれない)

また、文フリでの素敵な作品や出店者の方との出会いを喜ぶ反面、素敵ではないものに出会う機会も少数ですがございます。
同人誌即売会は、ある意味自分の主張や意志の表明の場という側面も持っていると思います。
そのためモラルを欠いた振る舞いや言動、自己中を目撃することも稀にありました。
そういった側面もあるので、出店者以外の一般参加者、様々な感性や考えを持った人々に開かれた場であってほしいと私は思ったりなどいたします。

個人的にはもう少し小規模に抑え、有料化せず回数を増やしてくれたらなぁと思います。

有料化したのに設営ボランティアなん?

そう一言、言いたくなる気持ちは実はあります。

これまで私は朝の設営ボランティアに参加してました。(地方参戦除く)
会場ができていく過程を見るのは大変楽しいものでございます。

ただ、今回は机多いし体力持ちそうにないので参加しないかもしれないです。体調優先。

文フリ東京は人間水族館さながら

挨拶や買い物を終え、興味をもってくださる方も減った(みんな混雑で疲れている)イベント終盤にさしかかると私は段々頭がぼんやりしてきます。
すると人がブース前を横切っていく様が、水族館の巨大水槽さながらの風情を帯びて見え始めます。
そこからは猛烈に眠い。

その眠気の中で感じる「自分は多数の中のたった1にしか過ぎぬ…」という現実は、準備を頑張った分苦いものがあります。

(すみません。初めに断っておくべきでしたが、私はそこそこ卑屈な部類ですしネガティブ思考が板についているような人間です。)

積んだ在庫が半分もはけない……目前のブースにはお客さんが途切れない……何を思いあがってたんだ。私の小説なんて腹の足しにもならないのに。せめて煮込んで食べれる素材にするとか実用性を備えないと売れるはずないだろ。出版不況にプロがあえぐ時代だというのに……)

そんなことを一通り考えたあと、旅立っていった1冊を思うのです。

「自分は多数の中の1なのに、その1を求めて買った1人がいる」

板についたネガティブすら反論の余地のない絶対の事実を前に頭を垂れてひれ伏すしかありません。
その嬉しさを噛みしめるためだけに、あの修羅の文学フリマ東京に今回も参戦してきます。

ただ、それだけの日記なのでした。解散。


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