電子部品業界について素朴に感じたこと

 電子部品業界というと、これまた範囲が広い世界になりますが、その中でも抵抗器業界で素朴に感じた事を書きたいと思います。

 ここ10年ぐらいスマホ需要のおかげで伸び続けていた抵抗器業界は、世界市場規模は3,000億、その中で国内の世界シェアは30%、アジア特に台湾のヤゲオという企業が30%以上を占めており価格競争で存在感を示している感じです。

 国内のメーカーは品質重視の戦略を取っており、これから自動運転やEVで伸びる自動車業界へ力を入れており付加価値を高めています。今後は5GやIOTにより、抵抗器の需要はより増えていくと思われるのでアジア勢との競争も熾烈になることは予想できますので長期的に見て成長産業かと。

 そんな日本の抵抗器メーカーが直面している中長期の課題は人材です。これから国内は大きく人口が減っていきますから。特に課題になるのが理系人材、ただでさえ人口が減るのに理系人材はもっと少ない。この貴重な人材を様々な企業が獲得するべく大変な努力をしています。

 この貴重な理系人材を獲得するために、企業はどのようにアピールしていけば良いか。短期的な広告などではあまり効果は無いと感じます。私が企業の担当者であった場合にどんな戦略をとるか、題名をつけるなら「ユニークマンキャンペーン」というのはいかがでしょう。

 その心は、今まで製造メーカーでは垂直型の上意下達が中心でした。もちろんそれはこれからも大きく変わりませんが、問題なのは従順な人が必要以上に採用されていたように思います。要するに変な人は弾かれてしまうみたいな。

 この変な人というのは、小さい頃から協調性が無く、夢想がちでエキセントリックな人という意味です。そんな人は、田舎だと浮いてしまうので人口の多い東京に出て行っていたのだと。この変わった人を排除せず、活用していくことが今後は重要だと感じてます。

 仮に「ユニークマンキャンペーン」の施策をする場合に、「巻き込む」というテーマでキャンペーンを張りたいなと。抵抗器を使った課題を提案してアイデアが良かった人には「1年間好きな本100冊プレゼント」みたいな内容ではどうでしょうか。参加者も小学生から大学生までとして、地域の人たちにアピールをする。伝える手段もTwitterなどのSNSを使えばタダです。このようなキャンペーンをしていけば、自然に企業の名前は覚えてもらいます。また、参加してくれた方達とのエンゲージメントが高まり先々入社してくれるかもしれません。

 また、キャッシュが安定している間に次なる事業の柱を作る必要があります。「多角化」をテーマにその変わった人のユニークな発想力やあえて空気を読まない力が発揮されるかもしれません。先に入社して、自由にやっている先輩を見れば後輩も面白い会社だと思って来てくれるかもしれません。

 今は不確実な時代ですが、そんな時代は変わった人=ユニークな人がある一定必要だと思います。昔のソニーやホンダは発想が面白かったですしとにかくユニークで尖っていました。若い人はそういうのが好きですから、そういう場所を用意しておいたらきっと人は集まってくるのではと考えてます。また、この変わった人についての行動特性や組織でのマネジメントなどについてなどは、近く掘り下げていこうと思っています。

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