〈読書〉キーポイント線形代数(4)
こんにちは。
キーポイント線形代数を読んでいます。
前回は、ポイント6(ランクの定義はどれも同じ)、ポイント7(線形代数の基本定理とは)を読みました。
今回は、ポイント8(固有値の意味をつかむ)、ポイント9(行列を対角化する)を読んだので感想と読み返したい内容を書いておきたいと思います。
固有値の意味
行列と言えば、「固有値の意味が分からない」という認識でしたが、ポイント8を読んで何となく分かった気になりました。
高校で習ったときは、よくわからないまま計算方法を記憶し、(その後忘れて)大学で習うタイミングでは記憶に残らなかったので、重要そうだけどどんな意味があるのか分からないものでした。
と、ここでは一言だけ引用しますが、本の中では1次の線形変換から固有値の説明があり、数式だけでなく幾何学的な解説があるので、この文が出てくる段階では納得のいく記述になっていました。
n次元ベクトルの場合は、行列Aと固定値λの関係は以下になります。
ここで、Eは単位行列です。
これを具体的な成分で書くと以下になります。
(数式エディタで行列書くの複雑だけど凄い)
この式から固定値を算出するためには、$${\vec{x}}$$が零ベクトルでない解を持つ必要があるので、下記の関係が成り立つような$${\vec{x}}$$を探しに行きます。
この式は固有方程式と呼ばれて、解が固有値になります。
固有値は物理現象の説明の中で多く出てきて重要っぽいイメージがあります。
今回は数学的な意味を納得することができたので、具体的な現象の解説で使われても理解がしやすくなるのではないかと思います。
微分方程式と固有値
例えば、
$$
\frac{d^{2}y}{dx^{2}}-3\frac{dy}{dx}+2y=0
$$
で、$${y=e^{λx}}$$としたときの特性方程式$${λ^{2}-3λ+2}$$です。
この微分方程式を$${y_{1}=y}$$、$${y_{2}=\frac{dy}{dx}}$$として、連立微分方程式に書き直すと、
$$
\vec{y}=
\begin{pmatrix}
y_{1} \\
y_{2}
\end{pmatrix}
、\quad
\frac{d\vec{y}}{dx}=A\vec{y}
$$
となり、ここで出てくる行列Aの固有値方程式は、先の特性方程式と一致するらしいです。
固有値ベクトルの線形独立性と行列の対角化
ポイント9では、前回のランクや線形独立な解の数などが関わってくるような記述がありました。
ここでいう行列Pは、行列Aを対角化するための行列で、Aの固有値ベクトルを列ベクトルとした行列です。
この文は、逆に言うと、線形独立でない固有値ベクトルが存在すると対角化することができない可能性があるということです。
つまり、ポイント6や7で説明されていた線形独立な解の数が重要な意味を持っているということが分かりました。
対角化の目的
なぜ対角化するのか?という点に関して、2次形式の標準化というものをあげています。
一通り読んで納得したつもりですが、嚙み砕けていないせいか、自分なりの表現ができません。
複数の変数を含む2次関数をスッキリした形にするために行うようですが、抽象化された手順が記載されていない(理解できてないだけ?)ので、ここを読んだだけでは応用できなさそうです。
ただ、運動エネルギーなど、2乗数が出てくる物理モデルなどでは利用される手法ということなので、今後どこかのタイミングでもう少し詳しく知りたいと思いました。
これ以外にも連立微分方程式や複素数の要素を持つエルミート行列などで、対角化を利用するようですが、今のところ理解できていないので、何かの現象でこの説明が出てくれば、改めて勉強してみたいですね。
本の内容以外で…
本の内容以外で一番感じたのですが、数式エディタは楽しいですね。
ググりながら何となくでやってますが、行列にもしっかり対応してくれているので、書きたいことが書けるという感じでした。
Latexももう少しちゃんと使えるようになりたいですね。
今日は以上です。