【読書感想】シルクロード(上)-(1)
こんにちは。
シルクロードに関する本を読んでいますが、読みなれない内容・文体なので、途中記録をメモしておきたいと思います。
読んでいるのは、ヘディン著、福田宏年訳の『シルクロード(上)』です。
神保町の澤口書店という古本屋で気まぐれに購入しました。
ヘディン
著者のヘディンは割と有名な冒険家のようです。
中国~ヨーロッパの中央アジアの探検記録を残しています。
ネットで調べると、ヒトラーに功績を評価されたこともあったり、ナチスとの関係もあったみたいなので批判されることもあるようですが、それを利用して平和に尽くしたような表現も見つかりました。
内容
シルクロードを自動車道路にすることで、西方との貿易を強化しようとする中国政府(当時は中華民国?)の要請で、シルクロードの調査探索を実施したときの記録です。
日々の細かい出来事や信条の変化も冷静に書かれており(和訳だからかもしれないが)、当時の時代的な技術的な背景を含めて、状況を思い浮かべることができる表現が多いです。
出てくる横文字が地名なのか人名なのか一般名詞なのか判断しにくい部分が難点ですが、目次の後に地図が掲載されているので、今どこにいるかを追いながら読み進めることが出来ます。(スマホもあると更に理解が進む)
シルクロードを調査する内容だと思いますが、ページのかなりの部分は風景の描写と車や人のトラブルに関して書かれています。あとは、行きかう人々やシルクロードに住む人々との交流記録が多く書かれていました。
読書の進捗
最初から読み始めて、「6 イェオリの帰還」まで読み終わりました。
シルクロードの地図でいうと、ハンディ・トロゴイの辺りだと思います。
出発して2か月くらい経った頃です。1933年10月21日に北京を出発して、12月21日までの内容だと思います。
感想
私のイメージの「探検」は植物や地形の調査をしたり危ば険な生物の生態を調べたりというようなものでしたが、トラブルばかりでその記録が大半の印象です。
車が故障したり、何度もタイヤがはまったりして動けない。
あの人は今どの辺にいるのだろう?連絡が全くつかないから考えないようにしよう。
病気になった。体調不良で動けない。
燃料を確保する。
盗賊団が来ないか不安
とか、そういうのばっかりでした。
でも、今改めて思い返してみると、これらのトラブル記録が、シルクロードの自動車道路化の検討する上で重要なものになるのだろうなと感じます。
ここではこんなトラブルがあるかもしれないからこんな対策を取ろうとか、ここは盗賊が良く出るから軍を置いておいたり迂回したりしようとか、そういうことに使える情報何だろうと思いました。
また、出会った人々との交流の記録や写真、風景や地形の情報は確かに「探検」と言えるものでした。
太古からシルクロードを何度も往復する貿易商隊は多数いても、しっかりとした記録は残っていないのだろうと思います。もし商人が政府に対して記録を提出するなら、当たり障りのない情報だけにしておくだろうし、自分の商売ノウハウを他人に教えないようにするのは想像できます。
そういう意味で、海外の探検家に頼むのは、余計な配慮が入らない情報を入手するための手段だったのかもしれません。(科学的な記録をつけるという点でも欧米人の方が進んでいたのかもしれない)
内容的には第一目標のエツィン・ゴルまでもうすぐ、というところです。
今後どんなことが起こるか期待しながら読んでいきたいと思います。
今日は以上です。