見出し画像

【読書感想】自分の小さな「箱」から脱出する方法

こんにちは。本を読んだので感想を書いておきたいと思います。

読んだ本

アービンジャー・インスティチュート著・『自分のちいさな「箱」から脱出する方法』を読みました。

内容

コミュニケーションにおいて、自分の精神的な状態をどのように客観視するか、という考え方が書かれています。(と、思ってます)

コミュニケーションがうまくいかない原因を「箱の中にいる」と表現して、仕事やプライベートでその状態が如何に悪影響を生んでいるかを説明し、最後には「箱の外」に出るためのヒントが書かれています。

物語調で書かれているので、例えばこんな場面、というのがイメージしやすいです。ただ、どこに何が書かれているか、後から探しにくいという点は否めないと思います。(文章量は少ないので少し時間をかければ見つけられますが)

感想

「箱」

「箱の中に入っている」状態は”自己欺瞞”に冒されている状態であると説明されています。敢えて別の言葉で表現するなら、「むきになる」「固執する」「イライラして自分を見失う」というような状態が近いと感じました。

自分中心に物事を考えて、自分自身も相手に対しても客観視することができなくなっている状態が箱の中に入っている状態だと思います。

「箱」という概念を使うメリットは、自分の精神的な状態を”箱の中”と”箱の外”で二値化できることだと思います。

例えば、「イライラ度」のようなものをイメージすると恐らく連続的な指数で、「少しイライラしている」状態もあれば、「すごくイライラしている」状態もあって、その状態に合わせて対処していく必要がありそうに感じます。

対して「箱」を用いると、どっちにいるか?を考えることで、自分の立ち位置をハッキリさせ、客観的に物事を認識するためのキッカケにすることができるのだと思います。

自分への裏切り

「自分への裏切り」が箱に入るきっかけだと説明されています。
「自分への裏切り」は、ある相手に対して「〇〇(ポジティブなこと)をすべきだ」と感じたのにそれを実行できないことを表します。

自分への裏切りが起ると、自分が実行しなかったことを正当化しようとしてしまいます(=箱に入ってしまう)。この自己正当化が始まると、自分に都合のいい事実(自分の良いところ、相手の悪いところ)を主観的に探そうとし、それによって自己中心的な言動や相手へ非難する言葉をぶつけるなどの行動によって、相手へもネガティブな印象を与えコミュニケーションがどんどん悪化していくそうです。

この辺りの内容は、自分自身の生活や仕事を振り返っても沢山見つかる内容で納得のいくものでした。以前、「イライラは伝染する」という言葉を聞いたことがありますが、そのメカニズムが説明されているような印象を受けました。

箱から出る方法

相手のためになることをしようと考え・行動することが箱から出るための手段だそうです。これは簡単ではありませんが、そうなるように努力することが大切ということでした。

本書の前半の方では、相手のことを考えているフリや偽善は否定されているので、自分の利益を考えずに相手のことを考えられる状態にならないといけないのでかなりハードルが高いです。

おそらくは、最初は偽善から始めても、真に相手のことを考えられるように努力することが大切だ、ということだと思います。

この辺りは意識を変えるしかない気がしまうが、「箱」というイメージしやすい概念を使うことで少しはやりやすくなるのかもしれません。

物語

物語の内容は、共感できない部分も多々ありました。というのも、エグゼクティブな人たちの話だったのと、時代的背景なのか文化的背景なのか、私の常識と違う考え方が感じられたり、主人公が謎に物分かりが良くて都合がよすぎる感を感じられたためです。

この辺りはAmazonのレビューでも同じような感想の人もいるようでした。ネガティブな方のレビューを読むのは面白かったんですが、これが自己正当化?と思いながらも、これはこれとして楽しめました。

今日は以上です。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集