ツクールMZを買った勢いでゲームつくったよ
RPGツクールMZ~?
すげえ、たしかにすげえよ。
MVでの……というよりこれまでのツクールシリーズでの痒い所に手が届くよくできた改良版だと思うよ。
でもよぉ~、買ったからってすぐにつくるわけでもねぇし……買うのはまだあとでいいんじゃねえかなぁ……
買うか(発売日前日)
↓
つくるか(購入後)
ということになりました。
思えばツクールMV買ったときも同じように勢いで『幽獄』つくってました。
企画も制作もMZを買った直後からとなります。
steam版なので厳密には8月21日ですね。
以下、本編のネタバレを含みますのでプレイ後にどうぞ。
・なにかサクッとつくれて短いやつ
じゃあワンマップだ。そんで脱出ゲーム。
短くてそれなりに満足感のあるジャンルってことならエロかな。
ホラーもいいかもしれんけど。
つまり『黒先輩』っぽいやつ。あ、そうだ百合にしよう。
百合っぽいやつもつくってみたいな~と前々から思ってたんすよ。
そんで今回は「どっちも黒幕」や!
つまり互いに「ククク……この閉じ込めは私の仕業なのだよ……」とか思ってる。
……どゆこと?
細かいことはいいとして、なんか百合っぽいことしてたら百合ゲージが溜まっていき、MAXで脱出。
そういうゲームになった。
なんも考えんで手癖でキャラデザしよう。
手癖すぎるだろ。
どっちもどっかで見たデザインすぎるぞ特に先輩……。
ただのそっくりさん、まったくの赤の他人、別人です。
マップを組んでキャラのドット絵も打とう。
2キャラしかいないから骨延長手術して頭身をちょっと上げよう。
百合ゲージとか用意して立ち絵表示プラグインも組んでオープニングもつくろう。
ここまで一日。
順調なように思えて、大きな問題があった。
「一枚絵スチル何枚いるの?」
うーん……8枚? 9枚?
それはもう……「サクッと」つくれるゲームではないのではないか?!
・コンセプトを整理
後輩と先輩の二人のキャラがいて、百合百合するゲーム。
脱出ゲームだが、メインは百合。
プレイヤーを悩ませたり詰まらせたりしない。
イベントの内容によってはスチルがいる。
プレイ時間は1時間くらいは欲しい(と思っていたが、30分くらいになった)。
また、「どっちも黒幕」の面白さを出すために「先輩ルート」「後輩ルート」があり、主人公として選んだ方の心中語が聞ける。
「もう片方のルートではどうなってるのかな?」とプレイヤーが気になる流れになればよし。
また、大オチとして「どっちも黒幕」があるので「片方が黒幕」はほとんど開幕にネタばらしが可能。
「これが明らかにならないと話が面白くならない」というような設定は出し惜しみせずさっさとバラしていくにかぎる。
また、プレイヤーが頭を捻る脱出ゲームというよりは「キャラクターの反応が楽しいゲーム」みたいにしたいので、なにもないところでも調べたらなにか反応があるとか、フラグによって反応が変わるなどの手間は惜しまない。
というわけで、こじんまりした短編ながらフラグ管理は結構ややこしいゲームになりました。
フラグ管理のややこしさがインタラクティブ性に繋がると信じて……!
・ネタを集めよう
なんか勢いで百合ゲーにすることにしたけど百合っぽい行為ってなんだよ。
あと脱出ゲームっぽさもいるわね。
というわけで、脱出ゲームをプレイしたり百合作品を摂取することでネタを集めることにしました。
脱出ゲームから、電気を消して文字が出てくるやつええやんとパクったり、ある仕掛けが別の仕掛けに繋がっていたりというのを意識。
百合作品を摂取して、レベルの高い百合を前に打ちのめされるも、「まあええわ……わいはわいでksみたいな百合をつくるんや……」と気持ちを新たにしたりしました。
具体的にはこのへんとか。レベルたっか……わいの百合なんてksや……。
あとは適当に置いた部屋の小物からイベントを逆算したりする。
台所あるんだから料理イベントは必要なのでは?
その結果がホットサンドメーカーなの?
納豆+アボカドは「え? それどうなの?」という枠として発想しましたが、自分でも食べたところぶっちゃけ塩気が効いてれば大抵のものは美味しいんじゃないでしょうか。
特に問題もなくふつうに食える代物です。
アロマオイルはなんだっけ……棚の中になにが入ってたら面白いかなとかいう発想だっけ……。
自分で使わずに作中に出すのものなんだな、と思ってアロマオイル買って部屋に置いてるけど存在感が薄すぎる。
意識して嗅げばまあいいにおいです。えっちな気分にはなりません。
・表情差分どうすんだ
今回はキャラメインのゲームということで表情差分をゴリゴリに用意しようということになったのですが、問題があります。
こうです。
立ち絵を表示させるときにゅっとフェードインさせるのですが、そのとき半透明の状態で表情と素体が重なると不自然になります。
というわけでこうです。
観光地看板手法でなんとかしました。
もっとうまくやればPixi?やらのマスクとかを使いこなすとよさそうですが、そこまで色々調べるのもめんどくさいのでこの形に。
これもこれで、画像読み込みが遅れると生首が浮くことになるのですが……そこまでは知らん知らん!
・スチル仮組み
とりあえず本編からつくろう、スチルは後回し……ってことでひとまずこんな感じのを用意しておきました。
絵なんて描きはじめればあとは描くだけだからね……。
一日一枚ペースで結局11枚描きました。
あ、タイトル合わせれば12枚でした。
・いろいろ気になる部分が出てくるよ
脱出ゲームではありますが、百合の方がメインなのでプレイヤーを悩ませるつもりは毛頭ありません。
というわけでヒントはガンガン出していこう。
でも、どういうタイミングで?
たとえば「探索をはじめてから5分以上経ったら」。
つまり「オープニングが終わって探索開始」といったタイミングでタイムスタンプを押して、そこから時間を測って進展がなければプレイヤーが詰まってると判断してヒントを出す。
そのためには時間を測る必要があるわけですが……
またツクールはplaytimeをGraphics.frameCountで測ってる!!
それモニタの性能とかで時間ズレるやつじゃなかったっけ??
というわけで、updateのフレーム単位でplaytimeを記録する方式に修正。
他にも。
デフォのメニューUIは使わないなあ。改造するかなあ。いや、メニュー画面そのものが要らないな……。
と、前作でなんか見たことのあるようなUIをそのまま持ってきてアイテム一覧を作成。
あとはセーブとオプションくらいなのでこれも専用ボタンに。
アイテム入手のエフェクトも欲しいな!
でも百合ゲージが邪魔で左下表示方式だと見栄えわるいな!
右上からにゅっと出てくる感じにしよう!
あ、部屋が狭いからうろうろしてる相手キャラ邪魔だな……。
というわけでまた前作でも前々作でも見たことのあるような位置交換システムを流用。
セーブ画面やタイトル画面も後回しにはなるもののまあそれなりのものにしなきゃね……とちょちょいと改造。
タンスとか冷蔵庫とか開くときやっぱ開くアニメーションいる?
いるよね……。
なんかこういう細かいモーションがインタラクティブ性をどうのこうの……。
というわけでもとのドットをちょいちょいいじる作業。
そんなこんなユーザビリティを高める作業などもします。
・あとはスチル描くだけ
イベント内容を考えたりテキストを書くのはそれなりに難産でしたが、絵を描く作業は脳みそを使う必要がほぼないのであとはただ描くだけです。
ここまできたらもう完成したも同然。
仮面ライダーでも観ながらひたすらゴリゴリ描きましょう。
よくないのは仮面ライダーを観るのも忘れて集中してしまうことです。
そういうときはなんかこう姿勢もよくないので健康がアレ。
なんか今日は二枚くらいいけそうだな~という日もありましたが、腰がやばくなってきたので一日一枚ペースで終わったら寝てました。
剣崎……。
さて、これで最後の一枚だ……完成が近いな? と思いきや、
お風呂のシーンは元絵をちょいちょいした差分では誤魔化せない感じだったので、もう一枚描くことに。
終わった……と思ったけど着替え立ち絵をまだ描いてなかった。
今度こそ……いやタイトルが……エンディングスチルが……。
そうこうして、アキレスは終盤怒涛の追い上げを見せ亀をぶち抜いたのでした。
・背後霊テストプレイ
デバッグもそうですが、本作においてテストプレイ要件は二つ。
・ヒントは十分か?
・プレイヤーが興味を持つオブジェクトに反応がちゃんと設定されているか?
後者は、たとえば「長い棒」を手にしたとき、テレビの下とか鏡台の下とかプレイヤーは調べ始めるんですが、作者としてはそのへんは特になにも想定してません。
なので、なにもないのですが、なにもないならなにもないなりに「なにもないなあ」という台詞を用意しておこう、と。
(理想はすべての箇所になにかしらあることですが、現実的ではないので)
そういう感じの漏れがないかというチェックです。
ヒントに関しても額縁のギミックとかは結構気づかれにくかったり、時計とかも脚立に登る発想がなかったり。
というか、「一度使ったアイテムを他の場所でも使う」という発想がなかなか出ないようでした。
脱出ゲームではわりとド定番ですが、ド定番なのはまさに「見逃されやすいから」なんですよね。
また、「ベッドが上がっている」ということ自体がなんか気づかれにくい様子でしたが、なんかいい感じに修正する手立ても思いつかないのでこれはそのまんまです。
あとは「実績リストが欲しい」との声があったので軽く実装しました。
イベントギャラリーみたいになればなおよしですが、ちょっとめんどくさいのでやめました。
・オミットした要素
「脱出ゲー」とか「謎解きゲー」とか台無しにするかごとく時間経過でパートナーが勝手に謎解きをして進行していく……
とかいうアイデアも考えていたんですが、「サクッとつくる短編いうとるやろがい!!」と、労力に見合わないとの判断でオミットしました。
放置してたら勝手に謎が解かれていく脱出ゲーム……それはそれで面白そうな気はするんですけどね。
フラグ管理とか進行管理とか考えると「とりあえずつくってみた」をやるにはちょっと重いかな……。
・で、MZどうだった?
constやアロー関数がふんだんに使われてたのが印象的でした。
じゃなくて、一番の目玉はアニメーションだと思うけどアニメーションはまったく使ってないですね……。
あ、プラグインコマンドがすごい便利でした。
こんなふうに、立ち絵表示に関してはプラグインを自分でつくって、コマンドを設定して使ってました。
MVで似たようなことをしようとすると、ファイル名を直接入力する形になるのでスペルミスが起きたり画像選択が面倒だったりするのですが、MZではふつうにイベントコマンド「ピクチャー表示」をのようにファイルを選ぶことができます。
これが便利。間違えないし操作性もよい。
あとは「ピクチャー移動」でイージング初期実装もよい。
本作で決定的に恩恵を受けてるのはこのへんでしょうか。
あと、スマホ操作向けのUIが格段によくなってますね。
スワイプ操作がデフォ装備! びっくり!
・こんな感じだったよ
最後に、制作録をメモっておいたので貼り付け。
8/21
・立ち絵ラフ
・キャラグラフィック用意
・マップ仮組み
・立ち絵表示プラグイン
・フキダシプラグイン整備
・百合ゲージ
・オープニング
8/22
・立ち絵完成
・表情差分実装
・ネタバラシ
・キス未遂
・ストロー
・照明OFF
・スチルイベント仮組み
・脱出ゲームをプレイ
8/23
・ベッドで寝る
・壁ドン
・アイテム一覧UI
・アイテム入手エフェクト
8/24
・アイテムアイコン
・アイテムを入手順に表示
・額縁裏スイッチで脚立入手
・脚立を使ってエアコンの上を調べる
・位置交換実装
8/25
・Game_Talk実装
・playtimeを修正
・脱ぎ差分ラフ
8/26
・アロマイベント
・ホットサンドイベント
・近い位置をキープし続けるイベント
8/27
・ホットサンドイベント2
・お風呂イベント
・映画イベント1
・開閉オブジェクト
8/28
・脱出口出現
・エンディング(仮)
8/29
・スーツ後輩
・着物後輩(色ラフ)
・着物先輩(線画)
8/30
・先輩着物(色ラフ)
・箱の謎解き
・映画2
・着替え(仮)
・クリア回数グローバルセーブ
・セーブとオブションボタンを設置
8/31
・効果音選び
・進行イベント2
・裏エンディング
・脚立に登るグラ
・ルンバ
・タイトル画面
・α版完成
9/1
・脚立スチル
9/2
・タピスチル
9/3
・ストロースチル
9/4
・壁ドンスチル(途中)
9/5
・壁ドンスチル(完成)
・セーブUI
9/6
・ベッドスチル
9/7
・絡みスチル
9/8
・お風呂スチル1
9/9
・お風呂スチル2
9/10
・脱ぎ立ち絵
・着物立ち絵
・タイトル
・β版完成
9/11
・三周目隠し要素
・エンドスチル
9/12
・実績リスト
・ヒント追加など微修正
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