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部下の「ミス」を責めるだけなのは、3流マネジメントだと思う。

「選手、スタッフ全員がトミヤスを選ぶ」マンCとの大一番で先制点献上も…アルテタ監督は冨安健洋への信頼を強調!「ミスは起こり得る」

https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=126794

この記事を見て、アルテタ監督の発言から見えるスタンスは、マネジメント(マネージャーというと、部活のマネージャーなどの想起もあり、少しニュアンスが異なって捉える方も多いので、経営者や組織のマネジメント職の意味であえて「マネジメント」と表現します)のあるべき姿だと思いました。

この失点は、本当に痛い失点でした。ファンが怒るのも無理はないと思います。ただ、「今のは簡単に外に出して逃げるべきでしたね」というのも、チャンスメイクの確率を減らす点で、結果論でしかない、とても難しい判断の要求される中でのプレイだったと個人的には思います。

現在、19年ぶりの優勝を目指すアーセナルの現状からすると、このミスによる失点は、あまりにも重すぎると思います。ファンや、メディアは、一斉にこれを叩きます。
でも、チームマネジメントの立場にある監督が、そうさせないことを明言する事で、チームの一体感は上がると思います。

何より、「ミスをしないことを最大目標にさせてしまう」という恐怖支配をさせないための、とても重要な発言だとも思いました。

アーセナルが好調な理由が、垣間見えるようなアルテタ監督の発言とも感じました。

すべては、確率でできている

サッカーだけでなく、すべては確率の問題と言えます。
何かミスが起きた時に、その人事態を否定したり、できないと決めつけたりすることは、マネジメントがやるべき事ではないと思います。

そうではなく、そのミスは起こるべくして起こったのか、何かを準備していないなどプロセスに問題があるのか、仕組みの問題かなどを見極めて対処しなければならないと思います。
その対処を一緒に作ろうとするメンバーのミスは、それを気づかせられなかったマネジメントのミスでもあると思うのです。

ミス1つで、人を追い詰めることは、人材の使い捨て行為にすぎません。
ミスする人を切って、ミスしない人を入れたら、ミスの数が減るということをやるだけなら、そのマネジメントの存在意義はほぼありません。

確率を上げていない責任の半分は、マネジメントサイドにある

「あなたはミスが多いから」とは言うのは間違いです。強いていうなら「この3ヶ月を見ると、あなたはミスが多いですよね?」と期間を絞らなければなりません。この期間が、そのマネジメントが認識をアップデートする期間です。それが長すぎて、例えば「ここ数年見てきましたが」というとしたら、その改善を撮らせていないマネジメントの責任は大きいと思うのです。

本来は、「あなたは起こりうるミスに対して、準備ができていない」という認識を共有すべきだと思います。

そして、それをできるだけ、自分から気づかせるべきです。教えるのではなく。

ミスの確率が高かった人が、その確率を大幅に下げることは可能だと思います。その可能性を追求できない人は、組織作りに向いていない、とさえ思ってしまいます。
もちろん、ミスを悪いことと思っていなかったり、嫌がらせのためにやるような人であれば、それは根底から話が違ってきますが。

どのように、自分から気づかせるか、そして大幅にその確率を下げるのかというと、私の考える裁量手法は、「質問を繰り返して、自分から出てくるのを、ひたすら待つ。引き出す。」です。
与えた答えは、自ら出した答えの1%にも満たないと思うのです。

もちろん、時間の制約があることもあります。その場合は、引き出し続けて、最後に考えを伝えるだけで、1%から10%くらいの効果にはなると思うのです。

だから、答えをすぐに与えてしまう人も、マネジメントには向いていないですし、「次は、ミスをするなよ。わかってるな!」とだけいう人も当然、マネジメントには向いていないと思います。


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