夫婦東南アジア旅Day16. プノンペン🇰🇭~カンボジアが誇るカフェ&ウドンの仏教遺跡群~そしてKilling Fieldへ~
2022年9月28日
夫婦東南アジア旅Day.16
朝のうちに今回私たちが宿泊しているホテル"Poolside VIlla"でバイクをレンタルしました。
今日はプノンペンから少し遠出をして、"Oudong(ウドン)"という街にある「ウドンの仏教遺跡群」まで足を伸ばして行ってみたいと思います。
プノンペンからウドンまではバイクで2時間ちょっと。
カンボジアの田舎道は全く舗装されていない為、道が悪いところもある分ゆっくりゆっくりと参ります。
ちなみにバイクは1日8ドル、約1,160円でした。
カンボジアのみんなが好きなカフェ「Brown Coffee」
9:00過ぎにホテルを出発。
道中スーパーマーケットに寄って水を買いつつバイクを走らせること約20分、本日朝ごはんがてら寄りたかったカフェ「Brown Coffee (ブラウンコーヒー)」へと到着しました。
こちらは今カンボジアの若者を中心に絶大な人気を誇っているカフェで、カンボジアオリジナルのチェーン店です。
元々コーヒーは地元の人たちに広く愛されていたカンボジア。
しかしそこまでカフェ文化は発達しておらず、屋台でコーヒーに練乳を入れた所謂ベトナムコーヒーの様なものを飲む、と言うスタイルが主流だった様です。
転機は海外留学へ行ったカンボジアの学生達。
海外のカフェ文化に感化された彼ら彼女らは「カンボジアにもこんなおしゃれなカフェを作りたい!」という強い想いを抱きます。
そしてコーヒーの勉強をし、2009年に5人の若者を中心にオープンされたのがこの「Brown Coffee & Bakery」。
カンボジア国内で店舗数をどんどん拡大し、カンボジアのスターバックスとうい雰囲気です。
店内の内装にもとても拘っていて、1店舗ずつ違うコンセプトで装飾が施されているみたいです。
ちなみにこちらの店舗では「カンボジアの暮らし」をコンセプトにしている様で、伝統的なクメール木造家屋を現代的解釈で再表現したと言われており、まさにモダンでありつつもクメールの伝統を垣間見えるようなそんな素敵な内装です。
私は抹茶ラテを頼みましたが、美しいラテアート。
バリスタさん達の技術の高さを感じます。
コーヒー豆にもこだわっていて、使用される豆はすべて高品質なアラビカ豆のみ。
しかも店名に「Roastery」と付く店舗「BROWN Coffee - Roastery Parkmall」「BROWN Coffee - Roastery BKK」などなど・・・では特別なフードやドリンクメニューもあるようです。
スターバックスのリザーブ店のようで、思わず色々な店舗に行ってみたくなります。
今回私たちはパニーニをチョイス。
フードメニューもたくさんあって、どれも美味しそうです。
カンボジアでは、この「Brown Coffee」へ行くことが一種のステータスの様なものになっている、と聞きました。
本気でコーヒーが好きで、それにこだわり続け、勉強し続けている若者達。
誇りを持って働いている姿を見て、きっとここで働くということも、彼らにとってはある種のステータスやモチベーションになっているのでは無いかと感じました。
どこか安心するカンボジアの風景
ブラウンコーヒーを後にして、再びウドンに向けてバイクを走らせます。
ここから1時間半ほどのドライブです。
カンボジアの風景はどこか懐かしいような、安心するような、心の奥からじわじわ満たされていく様な、そんな不思議な感覚を呼び起こされます。
カンボジアの民家は大体こんな感じで、居住空間は主に2階になっているみたいです。
1階はほぼ屋根ありの外、みたいな空間。
みんなそこにハンモックを吊るしてくつろいだり、お母さん達が家のことをやったりしているのをよく見かけました。
牛さんを飼っているお家もたくさん見かけます。
とても大きい・・・
赤土に、緑が青々と映えます。
雨季の間はこんな感じでどこもかしこも水溜りまみれです。
独特な家屋の色。
バイクの後ろからボーッと景色を眺めながら、ああこれがカンボジアの色なんだなあ、とぼんやり思いました。
スコール続きの雨季の洪水
ウドンまでの道中で、おそらく普段は平地であろう場所にて釣りをしている人々を発見。
雨季の今、スコール続きでどこもかしこも洪水です。
何が獲れるのでしょう、網を仕掛けている様です。
みんなそんな光景を横目にバイクを走らせます。
右側では洪水。
そして左側では野焼き。
そして道が悪すぎるのでよそ見は禁物。
乾季にはこの場所にどんな景色が広がっているんだろう。
道を譲りましょう"牛優先道路"
バイクで走っていると、牛の大群に遭遇しました。
ゆっくりゆっくり、車やバイクなどお構いなしにのったりのったり歩いて行く牛達と、それを避けながらそろりそろりと走るバイク達。
十数メートルに渡り、牛の列は続きます。
みんな耳が垂れて、大きなコブがあります。
カンボジアでは基本的に全て"牛優先道路"となっておりますので、見かけた際には必ず道をお譲りください。(多分)
カンボジアの古都"Oudong(ウドン)"
さて、いよいよウドンに突入です。
実はここウドンは、1618年~1866年、いわばクメール王朝が衰退してから、フランスの植民地となる前の約250年間ものあいだカンボジアの首都として栄えていた場所なのです。
その間でこの地に100を超える数多くの寺院が建てられました。
そのうちの多くは、べトナム戦争やカンボジア内戦で破壊されてしまいましたが、その中でも小高い丘の上に立つ仏教寺院群は戦禍を免れ、現在ではユネスコ暫定リストに登録されている様です。
仏陀に供える蓮の飾り花
さて、今日の目的地「ភ្នំឧដុង្គ」の麓までやってきました。
クメール語は全く見当もつきませんが、こちらは小高い丘の上に聳え立つ仏教寺院の数々が見られる「Phreah Reach Throap Mountain(ウドンの仏教遺跡群)」です。
丘の麓には麓には蓮の花とジャスミンの花で作られた美しい献花が売られています。
あまりにも見事に作られています。
「$1だよ、どう?」とお姉さん方がしきりに勧めてくると言うこともあり、献花の美しさに魅了された私は、せっかくなので一つ購入。
ひと束のお香も一緒につけてくれました。
ひとつひとつ、お姉さん達の手作りで、彼女達のお仕事です。
どうやって作るのか聞きたかったな。
仏教寺院群はこの階段をずっと登った先にあります。
なかなかの階段ですが、ひと束の花とお香を手に持って、寺院へと参拝しに参りましょう。
「ភ្នំឧដុង្គ」 ~Phreah Reach Throap Mountain
(ウドンの仏教遺跡群)~
階段を登り見上げた、視界のその先に姿を表したのは、白く美しく聳え立つ仏塔です。
灰色がかった上品な姿に、長い階段を登ってきた疲れが一気に吹っ飛びます。
神聖な場所なので土足厳禁。靴を脱いで上がります。
下を見下ろせばこの景観。
随分と上まで登ってきました。
入り口を守るのは、もちろんナーガ。
見事な装飾です。
ナーガやブラフマンなど、ヒンドゥー教の神話に登場する神々の姿が彫刻されています。
当南アジアでは広く仏教が信仰されていますが、こうしてヒンドゥー教の神々が寺院で多く見られるのは、そもそも仏教はヒンドゥー教から生まれたものでもあるため、神話が混在しているのだと思います。
そう言う部分にも、宗教や時代の変遷を感じてとても興味深いです。
この仏塔の一番上に立つ、金色に輝く綺麗な槍の様なもの。
この時はこれが一体何なのかを知りませんでしたが、この後行くタイで、タイ人の友達が「あれは仏陀の傘なんだよ」と教えてくれました。
長い間この仏塔はここに立ち、一体どんな景色を見続けてきたのでしょう。
カンボジアの寺院で見かける彫刻は、みんな優しいお顔。
仏塔を支える三首の像と、その上にシンハ、さらにその上にナーガ。
偉大な守護神達が仏塔を囲んでいます。
もう一度振り返り、その姿を目に焼き機つけて、次の仏塔へと進んでいきます。
誰かがここに備えたのでしょう。
献花がもう一つの仏塔までの道を彩ります。
こちらは最初の仏塔よりも古いもので、作りがだいぶ違います。
このタイルの様な装飾、私はベトナムやタイのイメージがあったため、カンボジアでは少し珍しいように感じました。
仏塔の自然な土色とタイルの色合いが、とても可愛らしく素敵です。
仏塔は全部で3つ。
最後の塔が最も古いのか、塔を支える像は苔むしていました。
高い丘の上に立つ寺院。
観光客の方々はもちろんいますが、ここにはとても静かな時間が流れていました。
野性の猿の群れ
仏教遺跡群からの帰り道、再びあの長い階段を今度は下っていると、何やら前方に立ち止まる人達。
よく見ると階段の途中に野性の猿が何匹もいます。
私たちの前にいた人たちは、手に持っていたお菓子か何かを猿に取られた様子。
この場所でいつも観光客を待っているのでしょうか。
遠くから見ている分には可愛いですが、どうやら観光客の食料を盗るのが癖になっているようで、待ち構えて威嚇してくるお猿さん軍団はなかなか怖かったです。
しかも一匹二匹ではなく、階段にも木の上にも十数匹は居たでしょう。
くれぐれもウドンの仏教遺跡群へ行く際は、階段の猿にお気をつけください。
食べ物は鞄の中へ!
ハンモックが揺れる、お昼寝屋さん
再びバイクに跨り、仏教遺跡群を出てプノンペンへ戻る道中、走り出してすぐに何やら気になるお店に出会いました。
最初はレストランかカフェかと思ったのですが、お店の中にはたくさんのハンモックがゆらゆら揺れるだけ。
よく見るとハンモックに揺られながらお昼寝をしている人の姿があります。
想像するに、飲み物でも飲みながらお昼寝ができるお店の様ですが、はっきりとした真相は分からず、今でも気になっております。
ご存知の方がいらっしゃったら、是非とも教えていただきたいです。
カンボジアの田舎道
朝から降ったり止んだりだったのですが、少しずつ天気が良くなってきて、空が明るくなってきました。
帰りもひたすらカンボジアの田舎道を走ります。
学校帰りの少女達。
カンボジアでは通学もスクーター。
みんな人懐っこくて、すれ違うとき、明らかに見ず知らずの私たちに手を振ってくれます。
何でもない中にある、温かさ。
それは人からも街からも景色からも感じます。
綺麗なお家の色。
この何でもない風景が美しすぎて、何枚も写真を撮ってしまいます。
ゆっくりと風に揺れる、3本の椰子の木。
葉っぱでおやつかな、
おしり側から失礼します。
こんな感じで2時間弱のドライブはあっという間に終わりました。
途中ガソリンがなくなって立ち寄った小さな家族経営のガソリンスタンド。
クメール語も読めないし言葉もわからない私たちに、全身にかっこいい刺青を彫ったお兄ちゃんと、小さな男の子がニコッと笑ってガソリンを満タンにしてくれました。
いつの間にかどんよりした空はからりと晴れ、プノンペンの街には光が降り注いできました。
気持ちの良いドライブも終了。
一度ホテルへ帰り、お昼寝をしてから次の目的地へ向かうことにします。
"Killing field" ポル・ポト政権の生んだ悲劇を目撃するために
時刻は16:00。
ホテルからバイクを走らせること40分、本日のもう一つの目的地「KIlling Field(キリングフィールド)」へ到着しました。
ここは、1975年から1979年に渡り、ポル・ポト政権によって行われたジェノサイド、大量虐殺が行われた殺人広場のうちのひとつです。
悲しいことに、こういった場所がカンボジア中に130箇所も存在していて、中でもこの場所が有名です。
このオレンジの建物の中には中には展示があり、実際に何が行われていたのか展示資料を読むことができます。
そして屋外では、実際に虐殺が行われていた場所を歩き、見ることができます。
といっても残っているのは本当にここで・・・?と思うような跡地。
ただ、実際にここで、こんな風に殺された、という解説を見ながら足を進めるうちに、当時の出来事に想いを馳せずにはいられなくなってきます。
特に胸が痛んだのは、たくさんのミサンガがぶら下がった大きな木、その名も「Killing Tree(キリング・ツリー)」
その幹に、まだほんの小さな子供が次々と投げつけられ、叩き付けられて亡くなっていったと言います。
そしてその処刑をしていたのも、まだ小さな少年兵だったと。
この建物の中にはぎっしりと、頭蓋骨が収められています。
そう、これは慰霊塔。
そしてその中のほとんどの遺骨が、"Unknown"、身元の分からないものなのです。
当時ポル・ポト政権は、全てを平等にしようと考えました。
学があるから、お金があるから、経済があるから争いは起こる。
全てが平等で均一のとれた美しい世界を作るためには、学びもいらない、貨幣もいらない、病院も、映画も、文化も芸術も、そういったものは一切排除したらいい。
民は全て平等で、皆ただ畑を耕せばいい。
そのために邪魔になる人々は、すべて殺してしまえばいい。
学者は殺すべきだ、
海外へ渡航経歴がある者も殺すべきだ、
本を読む文化人も殺すべきだ、
思想はいらない、農民こそが国民だ。
この思想が、たったの4年間でカンボジアの人口の1/4の命を奪いました。
そしてそれはまだたったの40年ちょっと前の出来事。
カンボジアへ来たからにはどうしても行きたかった場所の一つ。
このあまりにも言葉にはし難いような悲惨な出来事と、昼間に見たあの長閑なカンボジアの田舎道の風景と子供達の笑顔があまりにも遠くかけ離れていて、それが深く胸に突き刺さりました。
私はとても、写真を撮ることができませんでした。
カンボジアで絶品台湾料理!"鴻順小館"の水餃子!
さて、今日も私たちは罪深いことに、また絶品レストランを見つけてしまいました。
それはプノンペンに住む台湾人家族が経営する小さなレストラン"鴻順小館"です。
晩御飯を求めてバイクを走らせていた私たちが出会ったこのお店。
Googleの口コミが良いけれども、なかなか入りづらそうな雰囲気でしばし逡巡しましたが、ええい!と入れば台湾人家族が笑顔で出迎えてくれました。
とにかくめちゃくちゃ美味しかったのがこの水餃子。
もちもちの皮の中に餡がぎっしり、
そして付け合わせのタレも、黒酢の風味とラー油の風味が合わさって最高のコンビーネーション。
そしてやっぱり頼んでしまうのが炒飯ですね。
文句なし、空きっ腹に最高の炒飯でした。
お父さんにお母さんに、4人姉妹でしょうか?
ギャルのように派手なお姉さんが、とっても素敵な笑顔で食事を運んできてくれてキュンとしました。
今夜はクメール料理じゃないけれど、中華系の味が食べたくなったら是非ここにいってみてください。
旅のスケッチ
なんて優しいんだ、カンボジアの風景
カンボジアの若者達の熱意に触れた、BROWN Coffee
見事だった、仏陀に供える蓮の飾り花