普通と異常の違い 『普通という異常』を読んで。
昨日この本を読み終えました。
とてもキャッチーなタイトルだと思い、そんなタイトルに惹かれて読みました。
読んでいて記憶に残ったことを書いておきます。
ADHDやASDに対する考え方
ADHDやASDは誰にでも素質は備わっているもので、それが顕著に現れるからADHDやASDと言われる。素質にグラデーションがあるという意味のことが本に書いてあり、考え方としていいと思った。(病気と言われると、どこかで線引きがされていてぶつ切りな印象があるため、グラデーションという考えは良い)
ニューロティピカル症候群
こんな性質を持つ人たちのことを指します。
いったい誰のことでしょうか?
そう、世間で「普通の人」と言われている人たちです。引用した記事と同じ文言が本にも書いてあったように思います。こう書かれると「私は普通の人です」と思っていても、嫌な気分ではないでしょうか?
ニューロティピカル症候群の説明を読んでこんなことを思い出しました。
ジハイドロゲンモノオキサイド(DHMO)という物質です。
この物質はこんな危険性があります。
感のいい人はわかるでしょう。2つの水素と1つの酸素からなる物質なので、水(H2O)です。水もこう言われるとあまり良いものとは思えないですよね。
普通でない人は異常なのか?
この章は本を読み終えての感想です。
自分が普通かどうかの判断基準について読み終えてから思ったことがあります。こんな疑問です。
・見た目が全く同じ人の集団がいて、その集団だけが特徴的な性格を持っていたら、その人たちは異常なのか?
→自分とは違う集団なので、その人たちはそういう人たちと割りきれるのか?
自分が普通かどうかは、ある特定の人と自分が同じ集団に属しているから普通か異常かを判断できるのであって、全く別と言われたら異常と言えないのではないかと思います。
上に書いた話は抽象的な例ですが、具体例として人種があると思います。センシティブな問題なので具体例を出すのは少し憚られます。パッと思いついたのは、マサイ族です。マサイ族は視力がとても高い(パッと検索すると6~10程度がヒットします)とされています。1km先も見えると聞いたこともあります。同じ人間ですが、マサイ族は私たちから見たら普通なのでしょうか?日本では視力検査で、一般的に2.0までしか測定しないので高くてもその程度だと私は思っています。日本人からマサイ族の視力を見ると異常です。けれども、マサイ族はそういう人種と言われれば納得できるのではないでしょうか。自分たちを基準(普通)にすると異常であり、自分たちと全く別とすると全然異常ではないです。
*マサイ族を例に出しましたが、私の問題提起からすると、マサイ族は当てはまらないのかとも思います。(ルッキズムの問題を含んでいることは承知しています。)
個人的な意見としては、問題提起どおりの自分と同じ集団にいるかどうかで普通か異常かを判断するのかと思いました。