「理数探究の考え方」を読んで。子どもの頃に知りたかった内容

背景

大学の研究室に入ってから、勉強や物事の見方への考え方が変わりました。それの肉付けになればと思って読みました。

ざっくり内容

「理数探究」の用語の説明から、理数探究に密接に関わる理科と数学の教育の現状。そして、理数探究が生きてくる大学の研究から科学を伝える職業までが書かれています。

感想

内容としては、想像通りでした。ちょっと意地悪な言い方をすれば、自分の望む内容だったとも言えます。ざっくり書くなら、「推論することって大事だよね」とか、「科学的思考を持つことって大事だよね」とかです。

ちょっと気になったのは、著者の言い分が極端な所がありました。けれども、それだけ日本の教育が危ないということを示しているのかな~って思います。実際に著者は教科書の作成に関わっているようで、力を入れているからこそ、半端な人を嫌っているのだと感じました。

この本では、理数探究の例として、高校生が科学コンクール?に出したものが紹介されてます。
その中で、「この研究は不十分です。何が不十分なのか分かりますか?」というような、まさに何が足りないのかあなたは分かりますか?と、読者に科学的な思考を問う場面が何度も登場します。実際に、分かるものもあれば、分からないものもあります。大学院を出た身としては恥ずかしいな~と読んでいて感じます。

そんな研究例も小学校・中学校で習ったかも?と思えるものもあって、先生から「長々しく理由を書かなくても、「対照実験だから」と書けば◯を貰えるから」なんて言われた記憶を思い出しました。今考えると、テストで点数を稼ぐためにはそれでいいかもしれませんが、「どことどこが対照になっているのか?」を分かった上で「対照実験だから」と書くのか、「あ、この問題形式だから答えは「対照実験だから」と書けばいい」では、全然違うなと思います。

子どもの頃に知りたかった内容は、上に書いたような、点数を取るための思考と内容を理解するための思考を分けることを小学校~中学校くらいに知りたかったです。子どもの教育の難しさとしてこの本では、子どもが抽象的な思考を持つことが難しいと、紹介されています。まさに、私個人としては、建前と本音的なものが分からなかったです。点数を取ること=内容が分かっているになっているので、物事の考え方の分離みたいなことを知れればなぁ~と思いました。(ここにも、昔だったらそういう抽象的なことを知ったとしても理解できたのか?という問題もあります。)

それに加えて、よく言われる「もう少し世界を広く見よう」みたいな視野狭窄を解消しようという問題も本を読むことで少しは広がったように感じます。これも同じで、昔に読んだら理解できたのか?と言われればその限りではないですが。

・最後に

この本の最後に紹介されていたサイエンスコミュニケーターという職業は中々素敵だなと感じました。なんちゃってサイエンスコミュニケーター(本人は分かっているつもりだけれども、周りからみたらとんちんかんなことを言っている人)になる危険性も書かれていたりすごく難しい職業だとは思います。特に日本人は間違った時にバッシングが最近は特に酷いのでメンタル的にやられそうでもあります。個人的には、「正解」はその一時のものであって、未来永劫正解ではないというマインドを持っていますが、みんなが間違ったらそれが正解(例えば、言葉の使い方)となることもあるので難しいと思います。

この本は理数探究を知りたい人や、自分は科学的な思考をできているのか?と確かめるにもいい本だと思います。

こんな所で。

では。



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