『読書からはじまる』を読んで。
最近読んだ文芸誌のコラムに引用されているのを見て、読もうと思いました(どの文芸誌だったかは忘れました)。
今回読んだ『読書からはじまる』は2001年発行の本です。
本書のはじめにには、
と、あります。20年前にも「活字離れ」と書いてあるので、活字離れ=読書離れではないが、その意味を含んでいると私は解釈しました。
誤解を避けるために書いておくと、この後には、昔よりも本が出版されており、活字離れではなく、今の問題は本に対する考え方とありました。つまり、ただ単にありきたりなことを言いたい訳ではないということです。
ちなみに、この本出版時の昔よりも今の方が本の出版数が多いと書いてあったので、今現在の本の出版数を調べてみました。
2020年の本の出版数はYahoo!ニュースになってました。掲載されている書籍出版点数のグラフを見ると、7万点を下回るくらいであり、同グラフ内の2000年の出版数を比べて変わらないくらいでした。
個人的には2000年当時と比べて、今はKindle出版などもあるので、それらをこの統計に含めると2000年当時よりは多いと思っています。
意外だったのは、「本を読まなくなった」という割には、Yahoo!ニュースに載っているグラフ上では2013年までは書籍出版点数は増えていたことです。読まなくなったと言いつつも出版しているんだなと。
ここからは記憶に残った所をぼちぼち書いておきます。
忘れられない1冊なんてない
結構驚きです。バカ真面目なんでしょうか?よく言われるフレーズなので、「自分はまだ出会えてないだけ…」と思っていました。人間は忘れる生き物なので…と、これもありきたりですが、ごく一般のことが書かれていて、「はぁ」と感心しました。初めて聞いただけに驚きでした。
個性
今よく言われている話です。テクノロジーが作り出したのはみんなが人並みの世界です。みんなが同じなら、私のオンリーワンは何?と。これからは私でなければならないものは何?というのが難問になると書いてあり、まさにおっしゃる通りでした。
少しページを進めた先には、個性は自分の言葉の使い方、言葉での自分での表し方に懸かってくるとありました。このnoteも言葉の使い方の1つなのではないかと感じました。
歳をとれば完成していく
子供の頃、大人を見てそう思ってました。そして、大人になれば勉強しなくてもいいということも。自分も大人の仲間入りをしたけれども、大学生の時点で既にそんなことはないと気づいていました。
自分を確かめるには心の働き
自分を確かめる言葉は個人的な営みの中での心の動き。
競争のための勉強ではなく、自分を確かめるための勉強
確かに。学校では勉強に点数をつけられて競争の機会の1つとされる。社会でも選抜のための資格。その資格取得のための勉強と、競争の手段として用いられる。そうではなくて、自分はどういう人間なのか(どういうことが向いているのか?興味があるのか)を知るための勉強が必要とされている?色々勉強することが自分を知ることに繋がるのではないか?
経験
「○○をやった。」だけでは経験にはならない。具体的にどんなことをしたのかを言葉で表してこそ経験になると解釈しました。
NEWSという単語
知っての通りのニュース。何か有名な話のような気もするが、North, East, West, Southの頭文字を取った単語ということを知らなかった。ニュースは方角を知って自分の立ち位置を知るという意味が込まれた単語ということが書いてありました。なるほど。今は情報が溢れすぎて自分の立ち位置がよく分からなくなっているとも。
読書は木、情報は果実
新聞のコラムにこんな記事があったそうです。
夫婦で、夫は本を読まないけれども買う。妻は本を読むけれども買わない(図書館で借りる)。
夫の方は本の中身の情報を手に入れたかった。もう手に入れたので読まない。妻の方は読書のための読書をするので本を読む。読書のための読書というのがよく理解できていないが、自分を作るための物という解釈をした。
読書は何かを生産するもの(木)であり、情報は回るもの(果実)である。
ここが一番読んでいて、はっとさせられました。
最後に
理解しきれない部分がまだまだあったかなと。最近は本を読まないと叫んでいる当人たちが本を読まないので、まずは当人が本を読もうというブーメランもありました。子どもの本を大人こそが読もうというような所もあり、まさにそうだなと。私自身、全く記憶にありません。赤ずきんとかシンデレラも危ういくらいです。ごくまれにそういう話を友人とする機会がありますが、全くついていけないです。
では。
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