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ADHDと運動による集中力の持続に関する研究詳細

下記の論文の要約まとめ 

Physical exercise in attention deficit hyperactivity disorder – evidence and implications for the treatment of borderline personality disorder
https://bpded.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40479-019-0115-2

ADHDと運動による集中力の持続に関する研究詳細

以下に、ADHDの人が運動をした際の集中力の持続時間に関する研究を詳しく説明します。

急性運動の効果

子供を対象とした研究

  1. 研究内容:

    • ADHDの子供たちが30分のランニング後に注意力タスク(例:Go/No-goタスク、Stroopタスク、Flankerタスク)を実施しました。

  2. 結果:

    • 反応時間の短縮: 運動直後に反応時間が短縮されました。具体的には、反応時間が平均で25.4ミリ秒短縮されました。

    • エラーの減少: ミス(オミッションエラー)が1.5%減少しました。

    • 集中力の改善: 運動直後に集中力が向上しましたが、具体的な持続時間についての詳細な記述はありませんでした。これらの効果は運動直後に顕著に観察されました【22†source】【23†source】。

成人を対象とした研究

  1. 研究内容:

    • ADHDの成人が運動中に注意力タスク(例:Conners Continuous Auditory Test of Attention, CATA)を実施しました。

  2. 結果:

    • 運動中の反応時間の短縮: 運動中(サイクリング時)に反応時間が25.4ミリ秒短縮されました。

    • エラーの減少: ミスが1.5%減少しました。

    • 集中力の改善: 運動中に集中力が向上することが確認されました【22†source】【23†source】。

長期的な運動の効果

  1. 研究内容:

    • 週に1〜5回、各セッション10〜180分の運動プログラムを4〜24週間実施しました。運動プログラムにはランニング、サイクリング、スイミング、ロープジャンプ、球技などの有酸素運動が含まれていました。

  2. 結果:

    • 注意力の持続的な改善: 長期的な運動により、注意力の持続的な改善が報告されました。

    • エグゼクティブ機能の向上: 作業記憶、抑制制御、タスクスイッチングなどのエグゼクティブ機能の改善が観察されましたが、これらの効果の具体的な持続時間についての詳細は記述されていませんでした【21†source】。

運動の種類と集中力の効果

  1. 有酸素運動:

    • 研究内容: サイクリングやランニングなどの有酸素運動が中心。

    • 結果: 有酸素運動後に注意力が向上し、反応時間が短縮されました【21†source】【23†source】。

  2. マインド・ボディ運動:

    • 研究内容: ハタヨガなどのマインド・ボディ運動が実施されました。

    • 結果: ADHDの成人ではヨガが注意力に有益であることが示されましたが、全ての注意力関連の側面で改善が見られたわけではありませんでした【21†source】。

運動中と運動後の集中力

  1. 運動中の集中力:

    • ADHDの成人が運動中に注意力タスクを実施した結果、運動中に集中力が向上することが確認されました。この効果は運動中に顕著であり、運動終了後にも持続するかどうかについては更なる研究が必要です【22†source】【23†source】。

  2. 運動後の集中力:

    • 運動直後に集中力が向上することが報告されていますが、具体的な持続時間についての記述は限られています。運動直後の注意力の改善が顕著である一方で、長期的な効果については一貫した結果が得られていません【23†source】【24†source】。

まとめ

運動がADHDの人々の集中力や注意力に対して短期的および長期的に有益であることが示されていますが、具体的な集中力の持続時間に関する詳細なデータは限られています。運動直後や運動中の集中力の改善が顕著であることが報告されていますが、持続時間に関してはさらなる研究が必要です。運動の種類や強度、持続時間によって効果が異なるため、個々の状況に応じた運動プログラムの設計が重要です。

【参考文献】

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