【貴重:経験談】初めてコンサータを飲んだ感想
以前私は「初めてADHDを知った日』というnoteで、15歳の時に発達障害と診断されていながらも、それはASDメインであり、ADHDを知ったのは成人してからという記事を書いた。その時の記事もぜひ読んで欲しい。この記事は特殊な仕組みで、有料にしたが多くの方に知ってもらいたいと思い、このような仕様とした。
欲を言うなら同情するなら金をくれ、じゃあないけど、良かったら買って欲しい。
記事未読の人は、まずこちらから👇🏻👇🏻👇🏻
実際、成人を越えて自分の力でADHDを知った私は『診断してもらえて安心』した気持ちは微塵もなくて、障害否定から入り、何もかもを失ったかのような虚無感に包まれて体と心は浮いていた。
だけど診断されたからには対応しなくちゃいけない。少しでも1ミリだって生きやすくしていくには対処法を医師と相談しなくちゃならない。そこで出てきたのが薬物療法だった。発達障害は不思議なもので、ADHD・ASD・LDの複数構成で出来ているのに、はっきりした薬物療法はADHDにしか効き目はない。幸か不幸かADHD傾向がかなり強い私は、薬物療法に期待を寄せていた。
ADHDを治す薬は色々な種類があるけれど、私はコンサータという薬を処方されている。このコンサータは向精神薬というのに分類されており、12時間かけてドーパミンやらノルアドレナリンだか、私には足りていない『覚醒物質』なるものがじわじわ溶けていく。これらが恒常的に不足している状態がADHDという訳だ。実際、これらの薬は「準覚醒剤」として成立している。聞けば恐ろしいけど私はこれが無いと生きていけない。そんなコンサータにフォーカスした記事もあるので、時間がある時にでも「こんな世界があるのか」と、知ってくれるとすごく嬉しい。👇👇
そんな、飲む場面も飲んだ感想も詳しくネットに載って無い、容量用法を間違えば「麻薬及び向精神薬取締法違反」にもなりうるコンサータという危険な薬を飲んだらどうなるのか、多分一生飲んだことも飲む予定もないあなたに伝えたい。
と、前置きが長くなったが早速飲んでみた時の感想を伝えていきたい。私は今でこそ自分にぴったりのミリ数が27mgと36mgの63mgが1日に最適の処方量なんだけど、もちろん最初からこの高いミリ数は飲んでいなかった。子供でも処方できるミリ数が18mgからあるので、そこからスタートした。
私が18mgのコンサータを握りしめて行ったのは図書館だった。何故図書館にしたかというと、静かだから自分の体の感覚に敏感になれるし、万一戻してしまっても大丈夫なように御手洗いが近くにあったこと。そして必ず誰かがいる場所なので、万一ぶっ倒れたら誰かが呼んでくれるから。そんな理由があって図書館へと向かった。
図書館についてからはそそくさとポケットからブツを出し、持ってきた水筒の水と一緒にグイっと飲んだ。読書しながら待つこと20分後、心臓がドクドクしてくる。動悸だ。飛び出すほどでは無いけども、軽くジョギングしたくらいには心臓は波打っていた。そして目が開いてくる。まぶたが軽くなる。だるさが抜けて、体が解放されていくような感覚がする。これが今まで覚醒物質が足りていなかった作用かと確信する。今まで私が日中だるくて出かけるのが難しかったり、上手く毎日を使いこなせていない感覚は障害のせいであって、本当の自分はアクティブでどこにでも出かけられて母に似ているんだな、と思うと涙が出た。嬉しかった。
その後吐き気が襲ってきた。胃からむくむくと込み上げる酸味。それが喉元にまで襲ってきた時には流石に御手洗いへ行ってきた。胃液しか出なかったけど、その時私は、やはり『凄い薬を飲んでいるんだな』ということを再認識した。ぐるぐるとお腹の調子も良くなくて、体調は最悪だった。
そう、図書館へ向かったのは午前中のことだった。飲んでから正午を過ぎてもお腹が空かない。大食いではないけど、不思議な感覚だった。これもコンサータの副作用の「おかげ」なのだけど、12時間の効果が切れたらきっちり腹は減る。だから私は別に痩せてるわけでもない。お腹が空く時間にお腹が空いていないというのはなんとも不思議な感覚だと思った。ぐーとも鳴らないし、お腹いっぱいでもない。ただ、お腹が空かないのだ。
アクティブに動けることになった私はそのまま何故か役所に向かった。ちょうどいい距離があるから歩くのに最適であったからだ。歩くエネルギーが全身に満ちていて、スタスタ歩いていった。すると周りの景色が鮮やかに見える。木々が青々としてる、花が咲いている、こんなところに落書きがあったっけ。主治医曰くコンサータを飲んでいない『生のADHD』の場合には「歩く」ことが目的化されているので道に目がいかないが、コンサータという補助具を使うと少しその目的への固執が柔らかくなる、だから景色が鮮やかに見えるというカラクリだった。
役所についてから帰るまでも同じように動悸と気持ちの悪さを抱えつつ、真っ直ぐ家路に帰っていった。帰ってからも覚醒作用で眠れない、ただ横になるだけ。たった何時間かの出来事なのに、フルマラソンを終わらせてきたかのように私はハアハア肩で息をしていた。そして、もう飲むもんかと思いつつ、これが毎日続くとどんな未来が待っているんだろうって期待に心躍らせていた。
で、結局コンサータに魅了され、
この次の日から今日までコンサータ生活は続いている。
これからも、手放せない友達だ。