ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)について。
ADHD_noteです。
今回は、ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)について書きたいと思います。
私は以前から(10年ほど前くらいから)当時の職場の女性などとの会話でHSPの言葉・概念は知っていましたが、noteを始めてからなぜかよく目にするようになったので、あらためて気になるようになりました。
そしてなにより、HSP関連の記事を見ていると、『あれ、これって発達障害の症状にも似てるのでは?』とも思える症状が複数あったことから、noteに記事を書いてみようかなと思った次第です。
ハイリー・センシティブ・パーソン(英: Highly sensitive person, HSP)とは、”高度な感覚処理感受性を、気質(生得的な特性)として持つ人”という定義で、エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。
※以下は、主にWikipediaからの情報をまとめたものですが、一つずつ内容を書いてみたいと思います。
・「ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)」という言葉は、1996年にエレイン・N・アーロン博士が考案した
・(HSPは)心理学上の概念であり精神医学上の概念ではない。病気や障害ではないので、DSMにも指定はされていない。
・HSPは人口の約15% - 20%を占め、男女によって偏りは見られない。同様の性質は、人間以外にも100種以上の生物にも見られる
(人間だけではないというのは、種の多様性、適者生存、ダーウィンの進化論の考え方に近い?と私個人的には思っています。)
・HSC(Highly Sensitive Child):HSPの子供時代を指す
・HSE(Highly Sensitive Extroversion)/ HSS(High-Sensation Seeking):どちらも特定タイプのHSPを指す。
・「HSE」は、HSPの3割を占める「外向的」なタイプ。
・「HSS」は刺激探求型とも呼ばれ、好奇心が強く刺激を求めるタイプを指し、やはりHSPの3割を占める。
・HSEとHSSは大半が重なっているが「HSS」の中には「内向型」も存在するなど完全に同一ではない。
・HSP/HSE/HSSの差異は「HSPと非HSP間の違い」に比べれば大きなものではない。
・エンパス(Empath):HSPとほぼ同義であるとされ、「HSPが心理学的概念」であるのに対し「エンパスはスピリチュアル的概念」。「エンパス」として言及される際は「サイコパスと真逆・対をなす存在」であるとされる。
・ギフテッド :自己内外の情報・刺激に対する感受性の高さ・表面的な特徴の一部が発達障害と似ているなど、HSPと類似した特徴を多く持つ。また、2015年~2018年の調査では「ギフテッド」の8割程度はHSPであるという結果が出ており、何らかの関連が示唆されている。主な違いとしては、「ギフテッド」はIQが平均を大きく上回ること(IQ130以上とされる場合が多い)が特徴の一つで、HSPの場合はIQは言及されていない。また「HSPが実行に移すまでに熟考し時間がかかる傾向」なのに対し「ギフテッドは素早く行動に移す」点も違いとして挙げられている。
・DOES(ダズ)
HSPの属性は「DOES」という頭文字で表され、4つ全ての性質を持っているとされる。
1 Depth of processing(処理の深さ)
HSPは感覚データを通常よりはるかに深く、かつ徹底的に処理しているが、それは神経システムにおける生物学的な差異によるものである。
2 Overstimulated(刺激を受けやすい)
感覚的に敏感である。五感や、人の感情や雰囲気から自身の内部に入り込まれ受ける刺激が非HSPに比べ強い。何に対して敏感かは個人差がある。心身ともに疲れやすく、不機嫌や体調不良などにつながりやすい。嫌なことだけでなく、楽しいことでも刺激が多すぎると疲労になる。
3 Emotional reactivity and high Empathy(感情的反応性・高度な共感性)
神経細胞「ミラーニューロン」の活動が活発であることにより、共感力が高く感情移入しやすい。他者の問題を自身の問題として同一しやすい面もある。
4 Sensitivity to Subtle stimuli(些細な刺激に対する感受性)
人や環境における小さな変化や、細かい意図に気づきやすい。無意識的あるいは半無意識的に環境内の些細な事柄を処理できる能力から、しばしばHSPは「ギフテッド」や「第六感」を持っているように見えることもある。
参考資料:ハイリー・センシティブ・パーソン Wikipedia
となっています。
HSPは大体10人に1~2人の割合でいるようです。
なお、私が気になっていた発達障害との違いですが、
HSPに関しては、DSMなどで医学的に定義されていないため、病院での診断(病気・障害との診断)はつかないという違いがあります。
※心療内科などでHSPから生じる、うつ様症状に対する治療を行うクリニックはありますが、HSPそのものを診断するものではありません。
あくまでも、うつなどの症状、もしくは他の(うつ病以外の)精神疾患症状を診断し治療する、というのが現在2020年での一般的な考え方です。
これは、発達障害グレーゾーンに似ているかもしれません。
ちなみに、私がネット上のチェックサイトなどで確認してみると、結構当てはまる選択肢が多く、このサイトに限って言うと、
私はHSPという結果となりました。
さて、冒頭から何度か書いている通り、
今回私がHSPの記事を書いてみようと思ったのは、ADHDやASD(自閉スペクトラム症)と、HSPとの関係が気になったからです。
前述のWikipedia内の情報にも、発達障害とHSPの違いについて、書かれています。(リンク表記は省略しています。)
発達障害との違い
HSP(HSC)の表面上の特徴の一部(主に「強い刺激に悩まされる」「社会的な行動から距離を取り勝ち」な点)が「発達障害」や「不安障害」と類似している点が指摘されることがあり、HSCが発達障害と誤診されるケースや、また、実際に軽い「自閉傾向」を併発しているケースもある。
しかし、両者の社会生活における感じ方や脳機能の働きという点では全く違うものであり、以下の点において正反対であると言える。
「発達障害は感覚の処理障害/統合障害」だが「HSP/HSCは感覚の敏感さ」である。
「発達障害は脳機能に問題があって社会生活に支障をきたす」が「HSP/HSCの脳機能は正常であり、扁桃体・ミラーニューロンの活動が活発。感じ方が人より繊細すぎて生きづらさを感じる」。
その他の違いの一部
「ADHD」の判断基準である多動性・衝動性は「HSP/HSC」の慎重さとは真逆
「ADHDは左脳の血流のほうが活発」だが、「HSP/HSCの大半は右脳の血流が左脳に比べて活発」
「ADHDは、意志決定・集中力・結果を考えるのに適切な機能が全般的に欠如している疾患」だが、「HSP/HSCの場合は通常(少なくとも穏やかで慣れた環境では)これらのことが得意。
「ASD:自閉症スペクトラム障害(自閉症・アスペルガー症候群)」の問題があれば、普通は親や小児科医が早い段階で気づく。
「ASDはミラーニューロンの活動が低い」が「HSP/HSCはミラーニューロンの活動が活発(※前述)」。
「自閉症は社会的なものごとに対する理解が鈍い(人の気持ちに関しては、気づきにくい、空気を読むのが苦手など)」が「HSP/HSCはむしろ、社会的なものごとに対する理解力が高く、人の気持ちを察することに人一倍長けて、共感力が高い」のが決定的な違い
「自閉症の子供は2、3歳になっても、人に興味が少なく、コミュニケーションを取りたがらず、空想遊びもしない傾向」だが「HSCは過剰な刺激を受けている時以外はコミュニケーションを望む」
「アスペルガー症候群の子どもは、コミュニケーションを取りたがるものの、人の話を聴いたり、話すタイミングを直感的に理解することができず、婉曲表現や皮肉を理解する、秘密を守る、顔色を読む、といったことも苦手。誰も興味がないような事柄について、淡々と話すことがよくある」が、「HSCではこのような点はいずれも、見られない」。
ハイリー・センシティブ・パーソンWikipediaより引用
発達障害とは全く違う(むしろ正反対という)特性が書かれていますが、私自身はADHD(一部ASD)も有りながら(ちなみに、今はADHDとASDは同じ障害では?という考え方も一部出てきているようです)、HSPのチェックリストを試すと、「HSPです」となるということには、若干困惑しています。(『どないやねん!』くらいのノリですけどw)
今回、ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)について書いてみて、正直、これまでは「いろいろな感覚が過敏な人」というように、ざっくりととらえていましたが、少し詳しく知れた気がします。
なによりHSPが、人口の20%だとしたら、5人に1人という、かなりの数になります。
日本の人口の2400万人程度がHSPということであり、それぞれ生きづらさを感じる症状ですから、特に重症の方に対する治療法などは望まれます。
かつて、ADHDがMBD(微細脳障害)とされていた時代もあったように、
今後、科学の進歩で脳の研究が進めばいろいろとわかってくることもあると思います。
最後に、HSPに関連するnoteの興味深い記事をシェアさせていただきます。
んー。この記事を見ると、”HSPと言う人”の中に、精神疾患を持っている人もかなり多いんじゃないかなぁ・・・と思います。
もしもご自身の症状で悩まれている方は、心療内科・精神科で一度診察を受けられた方がいいと思います。
それが、”悩み” の解決になれば良い、と私は考えます。