「認知症世界の歩き方」がおもしろい!
どうもご無沙汰しております、wamです。
今回は情報発信というより、コラム的な内容です!
最近読んだ「認知症世界の歩き方」という本が面白かったので
よろしければ最後までお付き合いください♪
個人的な最近の出来事としては、
先日まで育児休暇を取っておりまして、
先週あたりから病院のお仕事に復帰しました!
一人目の時は、コ○ナ禍での育児だったこともあり
あまり外に出て忙しくすることもなく
脳みそ内の時間がゆっくり過ごしていたので
仕事復帰し、保育園という未知の場所に預け、
いきなり世間という時間の流れの速さに対応できず…
仕事の事も飛んでいる部分が多かったので
自分のペースを作るのが本当に大変だったりしました。
(当時の自分、おつかれ!笑)
子供がまあまあ丈夫な子だったので、
呼び出しも多くなく助けられました。
二人目は、一人目の生活に合わせて
バタバタとした育休の日々だったので体感時間もそうですし、
体力的にも脳の活動的にも維持できていた部分があったからか、
仕事復帰もすんなりいった気がします。
メンタル面でも、一人目の時は仕事に関して不安でいっぱいでしたが
今回は、まあ一回なんとかなったんだから、何とかなるだろう的な。笑
いい意味で適当に気負うことなくできている感じがします!
ですが、私個人の気持ちや調子など関係ないのが子供
復帰と同時に、
やれ発熱だ、やれ結膜炎疑惑だと交互に呼び出し祭り…
あんたらこの間まで2カ月くらい一回も熱出してなかったじゃん…
鼻水とか出ててもめっちゃ元気だったじゃん…
なんと子供たちの通う園は、発熱から24時間登園できないという
働きマン泣かせの制度。。
(もちろん子供達のためなのは重々承知ですけども;;)
働き始めだったのもあり、じじばばを召喚してなんとか
2週間を乗り切りました。ほんと感謝しかない。
2人いると、風邪のかかりあいでエンドレスです、、、
子供3人とか4人とかの人、仕事行けてますか(笑)
子育て中の皆様毎日お疲れ様です!!(大声)
さてさて本題です。
ずっと気になっていた本をついに読み終えました。
「認知症世界の歩き方」という筧裕介さん著の本です。
なんだかベストセラーにもなっているようなので
ご存じの方も多いのでないかと。
認知症世界の歩き方ってどんな本?
タイトルだけ読むと認知症の方の世界旅行の話なのかと思い、
個人的に旅行記も好きなので、まず単純に興味を持ちました。
ですが、概要を読むと
なるほど!
「認知症の方が普段体感している世界」を、
旅行記のような形で説明する本なのでした。
認知症については、大学でも勉強しましたし、
就職してからも多くの患者さんが併発していたりするので
元々それなりに知っている方だと思いますが、
医療系で働いていると小難しい本ばかりに出くわすので
なんだか軽い気持ちで当事者の事を知れそう!
と思い読むことにしました。
本のコンセプトは旅行記なので
認知症世界の地図として、脳のような形の島が登場します。
それぞれのスポットに面白いネーミングがつけられていて、
読者の興味がそそられます。
例えば、”顔なし族の村”
認知症の症状に、人の顔の見分けがつかなくなってしまう
という事がありますが、その現象を観光地の様に紹介しています。
あとは”サッカク砂漠”
目の前に水たまりが現れたり、
電車の隙間がとてつもなく深く大きく思えたりする
現象を紹介していたりします。
他にも色々と、認知症当事者ではない周りの人からは
「なぜこんなことを言っているんだろう?」
「なんで勝手に出歩いてしまうんだろう?」
と疑問に思うようなことが、
”本人の見えている・体感している世界”として
ポップにわかりやすく書かれています。
認知症当事者の心理
この本にも何度も書かれていることなんですが、
やっていること、言っていることは
”本人にとって当たり前の事” なんですよね。
しかし、認知症の症状によって、
記憶・感覚の認知が歪んでしまうがために
少しズレた行動を起こしてしまうのです。
例えば、もう退職して日中は自宅で過ごしている認知症の方が
自分の中の感覚では「まだ働いていて、そろそろ出勤の時間だ」
と記憶のズレが生じてしまうことで、
日中におもむろに外出をしてしまう、という行動に至ってしまうのです。
私たちだって、休みの日に平日と勘違いして出勤や保育園の準備を
してしまうなんてことがたまにありますよね。
その時に、「どこ行こうとしてるの!!勝手に出ないで!!」
と怒られたら、??となりますよね。
なんで怒られているのかもよくわからない状態です。
結果的に起こした行動や本人を責めても
何の意味もないし、本人の自信や行動意欲が低下して
認知症の悪化を招く一因になりかねません。
この本は、結果的に表れる行動パターンの例示がありつつも
その行動自体にフォーカスするのではなく、
当事者がどう感じて(認知して)その行動をとっているのか
にフォーカスを当てて書かれているので、より理解しやすい
内容になっていると思います。
旅行記風なのが新しい!
そして、旅行記の様にポップに書かれているので、
読んでいる人が辛くない!
多くの闘病記や、当事者の声をまとめた本は
病気の事ですし辛い思いをしている本人のお話なので
暗く、悲しみを誘うような内容になりがちです。
(もちろんリアルを伝える事は重要ですが)
しかし、まずは病気の事を知る という点において
本自体の手に取ってもらいやすさ
読み進めやすさ
はとても大事だと思うのです。
その点においてこの本のコンセプトは秀逸であり
挿絵やレイアウト、デザインがとてもハマっていて
誰もが気軽に認知症(当事者)のことを知れるきっかけに
なるのではと感じました。
著者の筧さんがデザイナーさんのようで、
そういったことに重きを置いているんではないかと。
ぜひ多くの人に読んでほしい一冊
もちろん、病気なので症状の程度は様々ですし、
書かれている内容は比較的軽症かつ部分的であると言えるかもしれません。
世の中にはうんと認知症について事細かに書かれた書籍や媒体があります。
毎日毎日認知症の方の介護をされている方からしたら
こんなかわいいもんじゃない!
行動の理由がわかっても怒らない方が無理!!
なんて声が現実的なのかもしれません。
私も同居はしていませんが、認知症の祖母がいます。
病院でも一定数、認知症の患者さんを担当したりします。
一緒に生活したり介護するご家族は本当に日々大変なご苦労をされている
ということは想像に難くありません。
そんな方でも、再度この本を読むことで
改めて本人の気持ちを想像し理解しようと思える
きっかけにもなると思います。
本人の気持ちに寄り添いながら生活・介護をしていくのか
または理解を諦めて接していくのかでは、
本人、家族ともに心理的負担が異なります。
ぜひ、当事者やその周囲の方ほど
ほんとに軽い気持ちで読んでほしいと思います。
また、若い人たちにもぜひ読んでほしい。
いずれは自分の親や家族、
なんなら自分もなりうる認知症について知ることで
記憶の端っこにでも
「あーこんなことが理由で大変って聞いたことある…」
と思える人が増えたら、
認知症の方(そのほかの障害を抱える方に)も生きやすい世の中に
なるんではないかと。
では、長くなりましたが最近読んだ本のレビューでした!
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