「党紀と法令」- 処分への今後の対応
1.処分のポイント
本日、日本維新の会の幹事長名で、党員資格停止処分とする旨の通告を受け取りました。
本年4月の衆院補選(東京15区)において実施された政党機関紙の配布について「党批判を行った」(通告書)ことが、党紀規則第2条に規定する倫理規範に反する行為と判断され、本日6月1日付けで党員資格停止6ヵ月の処分となりました。
2.何が問題とされたか
問題として指摘された私のX(旧Twitter)ポストは、これ(4月18日、4月29日)です。公職選挙法に関する警察庁コンメンタール(=解説書)を踏まえた一般的な法令解釈を紹介するとともに、選挙に動員された秘書団や候補者のために駆けつけて下さった衆院支部長、区議、そして党員支持者、ボランティアの皆さまが法令違反リスクに晒されることのないよう注意喚起をしたものであり、決して党を批判するものではありませんでした。
にもかかわらず、東京維新の会から私の除名を求める上申が三度なされ、党本部の判断を経て本日の処分に至ったことは、誠に遺憾であります。
特に、問題とされた事案の核心である「機関紙配布の違法性」に関する党紀委員会の審査結果は、「党本部が総務省、選挙管理委員会に確認しながら進めた」から「適正な手続きであった」としているだけです。
本来、「機関紙配布の違法性」を評価しようとすれば、先の衆院補選中の機関紙頒布方法が「通常の方法(当該選挙の告示の日前六月間において平常行われていた方法)」(公職選挙法第二百一条の十五)であったかどうかを検証しなければなりません。
私の上申書(反訴状)においては、こうした点について具体的な証拠を示しつつ主張しましたが、(審査結果を読む限り)党紀委員会等で正面から議論がなされた形跡はありません。
3.処分への今後の対応
今回の処分内容については上記の点を含めて異議がありますので、週明け早々にも「不服の申立て」(党紀規則第8条)を行いますが、上記の点、つまり、「機関紙配布の違法性」に限定して申立てを行います。
つまり、処分自体(党員資格の停止)については、直ちに受け入れ、不服を申立てない、ということです。
党員資格が停止されている6ヵ月の間に解散総選挙となれば党の公認や推薦をいただけないなど非常に厳しい選挙となりますが、そうした私個人の党員としての権利制限については、甘んじて受け入れる、ということです。
一番懸念をしたのは、地元の同志への影響です。今回の処分に関し混乱が続けば、選挙を控えた地元同志の活動等への悪影響が避けられません。そうした地元への影響回避を何よりも優先した判断ですので、何卒、ご理解をたまわれればと存じます。
他方、国民の負託をいただき立法府に身を置く国会議員として、政治資金規正法とならぶ重要法令である公職選挙法の解釈とその執行について、万が一にも違法行為があった場合、それを黙認したり、あるいは封印したりすることは、絶対にできません。
政治資金規正法や公職選挙法等の法令を遵守することは、党の規律や名誉より優先されなければならないし、また、そうした法令遵守を徹底する姿勢が、党への国民の信頼を高めていくに違いありません。(以上は一般論です。)
今夕の記者会見で「徹底的に戦う」と申し上げたのは、当に、公職選挙法の法令解釈とその執行(法令遵守)について、確認を求めていく、党の仲間と党を支援下さっている方々にリスクが及ばないことを確認できるまで訴えていく、という趣旨なのです。
4.お詫びとお願い
いずれにせよ、私の行為によって、こうした結果を招いたことについては、改めてお詫びを申し上げます。
その上で、最後に引用しておきたいのは、党の綱領にある「法の支配」です。法の支配は、民主主義の基本であり、日本維新の会の綱領にも明記されている「党是」です。加えて、いまほど政党、政治家に政治資金と選挙に係る透明性と公正性が求められている局面はありません。
だからこそ、私は、これからも愚直に、透明で公正な経済社会、透明で公正な政治行政、そして透明で公正な政党ガバナンスの確立に向けて、力を尽くしてまいりますので、変わらぬご支援をお願い申し上げます。
衆議院議員 足立康史
【参考資料】
6.処分通告関連文書
7.党紀規則
8.後援会員宛てレター【6月3日追加】
9.機関紙頒布問題の経緯【6月5日追加】
10.処分の経緯【6月23日追加】