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映画鑑賞記録|『侍タイムスリッパー』

 おはようございます。伊藤ケンジです。

 安田淳一監督が私財を投じて作った自主制作映画『侍タイムスリッパー』。異例のロングランとなり上映館も拡大と、たいへん話題になった作品です。従って面白いのは分かっているんですね。今更ながら観てみたくなりましたが、僕が住む飯能市には映画館がないので近隣で探します。車で20分ほどの青梅市のシネマネコというミニシアターで上映中だったので行ってきました。
 
 シネマネコというミニシアターはは2021年6月4日にオープンしたのですが、青梅に約50年ぶりに復活した映画館。青梅は映画看板の街で有名なんですが、最盛期には3軒あった映画館も街の衰退とともになくなっていたんですね。国登録有形文化財「旧都立繊維試験場」を改修した建物は、都内で唯一の木造映画館だそうです。とてもいい雰囲気の建物で、中にはカフェと物販スペースがあり、明るくてモダンな素敵なスペースです。

 自主制作映画ということで有名な俳優は出ていませんが、主人公の会津藩士・高坂新左衛門を演じる山口馬木也さんがとても良かった。ちょっと山田孝之を思わせる、不器用で実直ですこしコミカルなキャラクターに感情移入できました。応援したくなるんですよね。

 クライマックスの真剣での立ち回りも迫力がすごくて、コメディーとしてではなく、「時代劇を愛する人による本気の時代劇」を映画として成立させています。低予算という縛りを感じさせない優れた映画。最後はちょっと泣けました。

 笑って泣いて、映画の良さが詰まったほんとうにいい映画でした。エンドロールが流れてきて、美術とか衣装とか音響とか特殊効果とか車両とか監督の「安田淳一」だらけで本当に手弁当で作ったんだなぁと感心するやら笑えるやらで。なんでも興行が終わらないと1円も入ってこないそうで、監督は昨年亡くなった親の遺産で食い繋いでいるそうです。でも次回作は出資者が後を絶たないでしょうね。思いっきり面白い映画を撮ってほしいです。

 

 


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