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【解糖】 糖分を使ったエネルギー代謝~基礎編~

皆さんこんにちは。
解剖•生理 研究会です!
このサイトでは普段、鍼灸師 スポーツトレーナーとして活動している私たちが実際に現場で使える知識として「解剖学、生理学」を中心に配信しています。

今回は…人間が活動する為のエネルギーを生み出す仕組みの一つである

「解糖」

この糖分を使ったエネルギー産生で最も基礎となる代謝システムについて解説していきます。

1:【解糖の仕組み】

解糖は私たちの身体がエネルギーを生み出すために使う重要なプロセスです。これは、運動時に筋肉が必要とするエネルギーを供給するために活躍します。解糖は以下の3つの段階で行われます。

グリコーゲン分解:

まずはじめに私たちが食事から摂取した糖分が肝臓や筋肉にグリコーゲン(体内で分解された糖の塊)として蓄えられます。運動が始まると、グリコーゲンが専用の酵素により分解されエネルギー源として利用できるブドウ糖として体内に放出されます。

ブドウ糖の分裂:

次の段階では、ブドウ糖が分裂されます。1つのブドウ糖分子からピルビン酸が生成されます。

ATP産生:

ピルビン酸は、酸素の存在しない条件でもエネルギーを産生するプロセスで、細胞内の特定の酵素によってATP(アデノシン三リン酸)が産生されます。ATPは筋肉の収縮に必要なエネルギーとして使われます。

2:【解糖の役割】


解糖は運動時に重要な役割を果たします。主な役割は以下の3つです。

エネルギー供給:

運動時には筋肉がエネルギー(ATP)を必要とします。解糖は、ブドウ糖からATPを生成することで、筋肉の収縮に必要なエネルギーを供給します。このプロセスは速やかに行われ、長時間にわたる運動にも対応できます。

乳酸産生(その1):

解糖は、酸素が不足している場合にもエネルギーを供給することができます。この際には、一部の細胞や組織でピルビン酸が乳酸に変わります。乳酸は一時的なエネルギー源として機能するため、運動の強度が高まった際には乳酸が一時的に蓄積することがあります。

代謝制御:

解糖は体内のエネルギーのバランスを調節する重要な役割も果たします。エネルギーが必要な場合には解糖が活発に行われ、逆にエネルギーが十分に供給されている場合には解糖が抑制されます。このようにして、解糖は体内のエネルギー利用を調整し、効率的なエネルギー生産を可能にします。

3:【解糖とその他エネルギー産生との比較】


解糖はタンパク質や脂質エネルギー産生システムと比較して、以下の利点を持っています。

速やかなエネルギー供給:

解糖は他のエネルギー産生物質に比べ比較的早くエネルギーを供給できるため、高強度の運動時には重要です。一方、脂質エネルギー産生はブドウ糖からエネルギーを生成するよりも時間がかかり、低強度の持久運動に適しています。

酸素が不必要:

前述しているように、解糖は酸素が不足していてもエネルギーを供給することができますが、脂質エネルギー産生は酸素が必要です。そのため、運動の初め高強度の運動時には解糖が主要なエネルギー供給源となります。

乳酸産生(その2):

解糖によって一時的に乳酸が蓄積することがありますが、脂質エネルギー産生では乳酸が蓄積することはありません。乳酸は一時的なエネルギー源として機能する一方で、高濃度になると筋肉の疲労を引き起こす可能性があります。

まとめ

解糖は、運動時にエネルギーを効率的に供給するために重要な役割を果たします。タンパク質や脂質エネルギー産生システムと比較して、速やかなエネルギー供給と酸素が不必要である利点がありますが、乳酸の一時的な蓄積にも注意が必要です。運動の種類や強度に応じて、これらのエネルギー産生システムが調節され、効果的なエネルギー利用が行われることを理解しておくと良いでしょう。

ここからさらに”解糖”を深掘りした記事もございますので「一つ上の知識」をご要望の方は是非足を運んでみてください! ※有料記事

それではまた次の研究会でお会いしましょう!
ここまで読んでいただいた方々、心より御礼申し上げます。
                      ~解剖•生理 研究会一同~




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