【中医学】 心包と三焦〜各論〜
こんにちは
今回は心包と三焦について学んでいきます。他の臓器であればなんとなくわかるかも知れませんが、心包と三焦って聞いたこと無いという方が多いでしょう。
だから中医学ってよくわからないんですよね。
心包と三焦は形がなく機能だけがある臓腑とされています。
イメージ的に言えば心包は心臓を包んでいる膜のようなものです。そして三焦は横隔膜から上の上焦、横隔膜から臍までの中焦、臍から下を下焦といい3つを合わせて三焦といいます。
まぁこれだけ読んでもよくわからないと思いますので、はたらきとそれが弱まったときにどうなるかみていきます。
健康時
○心包のはたらき
1)気血を巡らして全身の働きを統括する荒天の原気の根本
2)心の護衛をしている
3)内外の環境で受けたものを心に伝え、心の変化を外部に伝える
4)脳や中枢神経と深い関係がある
○三焦のはたらき
1)水道を疎通させ、水液を運行するルート
2)さまざまな気を運ぶ
3)体温の調整をする
素問では以下のように言われています。
心包は心臓とのやり取りをしたり、守ってくれる臓器(実態のない)であり、三焦は体内の水液の通路となるだけでなく、消化吸収によって気血津液を作り出し、栄養分を全身に巡らせるはたらきもあります。
ではそれらのはたらきが弱まるとどうなるのかみていきます。
はたらきが低下すると…
① 心包
心包の機能が低下するとうわごと、牙関緊急などが出現します。
『霊枢』には「心は五臓六腑の大主であり精と神が宿っているとことである。その臓は丈夫であるために、病邪は容易に侵入ができない。もしも病邪が侵入したときには、心が傷つけられ神は去る。神がさればすわなち死す。したがって心の病症がみられたとしても、すべてが心包絡にあって、心に異常が生じているとはいえない、もし、心だけが病んだときには、病症に応じて神門穴を補瀉する」と記載され心包の重要性を語っています。
② 上焦
横隔膜より上の機能で胸部のことを指しています。(心、肺)飲食物から作られた気を肺の宣発・粛降作用と心の推動作用によって全身に巡らせ皮膚を潤し、体毛に栄養を与え発汗などにより体温調節を行っています。
③ 中焦
横隔膜から臍までの機能で、上腹部(脾、胃)を指しています。飲食物を胃の受納・消化さようによって津液の生成を行い、脾の運化作用によって肺に運ばれ、血と精気を全身に巡らせる役割を持つ。
④ 下焦
臍から下の機能で、下腹部(肝、腎、膀胱、腸)を指しています。水液の清濁、大小便の排泄が行われ、不必要になった水液は膀胱に運ばれます、すべての過程は腎の気化作用によって調整される。
というわけで、今回は心包と三焦について学びました。
心包のイメージ、三焦のイメージできましたでしょうか?