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成熟期女性の冷え症に対する温灸セルフケアの効果


はじめに

冷え症は、思春期から妊娠・出産、更年期に至るまで、女性の一生を通じて影響を及ぼす健康問題の一つです。特に成熟期(18歳~39歳)の女性において、冷え症はさまざまな健康問題を引き起こしやすく、周産期においては異常分娩や微弱陣痛などのリスクを高めることが知られています。本研究では、温灸セルフケアが冷え症にどのような影響を与えるかを検証することを目的とし、レッグウォーマーとの比較を行いました。

研究の目的と方法


本研究は、温灸セルフケアの効果を検証するため、ランダム化比較試験(RCT)を実施しました。49名の18歳~39歳の女性を対象に、冷え症評価尺度を用いて冷え症の程度を測定しました。参加者は、温灸を使用するグループ(灸群)とレッグウォーマーを着用するグループ(レッグ群)に分けられました。灸群の参加者は就寝前に、足の特定のツボ(湧泉、三陰交、足三里)に温灸を行い、レッグ群の参加者は就寝中にレッグウォーマーを着用しました。介入期間は1か月です。

主要な評価項目として、冷え症の程度を視覚的アナログスケール(VAS)で測定し、併存症状の苦痛度や体温の変化も調査しました。

結果


本研究において、灸群とレッグ群の間に有意な差が見られました。冷え症の程度については、灸群ではVASスコアが大幅に改善し、レッグ群との比較においても灸群が優れていることが示されました。特に併存症状に関しては、灸群での改善が著しく、苦痛度が大幅に軽減しました。また、体温差の拡大抑制効果も灸群で見られ、冷え症に伴う体温の変動を効果的に抑えることができました。

VASスコアの変化


冷え症の程度を示すVASスコアの変化量は、灸群で平均-8.9、レッグ群で-0.6という結果でした。この結果は、温灸がレッグウォーマーよりも冷え症の改善に効果的であることを示しています。また、苦痛度の変化も灸群で大きく、冷え症に伴う症状の緩和に寄与しました。

併存症状と体温差の変化


併存症状の苦痛度に関しては、灸群での改善が顕著でした。具体的には、疲れやすさや全身倦怠感、手足の冷え、肩こりといった症状が改善されました。さらに、前額部と手足の体温差についても、灸群では体温差の拡大が抑制され、中程度の効果量が確認されました。このことから、温灸は冷え症に関連する体温の不均衡を改善する可能性があると考えられます。

安全性と有害事象

温灸によるセルフケアの安全性についても確認が行われ、灸群において火傷や重篤な有害事象は報告されませんでした。これにより、適切な指導のもとで実施される温灸セルフケアは安全であることが示唆されます。


考察

本研究の結果から、温灸セルフケアは成熟期女性の冷え症に対して有効な方法であることが示されました。冷え症の改善だけでなく、併存症状の緩和や体温差の抑制にも効果があり、レッグウォーマーよりも優れた効果を示しました。さらに、温灸は自己管理が可能なため、長期的なセルフケアとしての利用価値が高いと考えられます。

一方で、レッグウォーマーは主に下肢を保温する手段であり、温灸はツボへの刺激を伴うため、両者の効果には違いが生じました。温灸が持つツボ刺激効果と温熱効果の相乗作用により、冷え症改善に寄与したと考えられます。

今後の課題

本研究にはいくつかの制約があります。まず、対象者の選択におけるバイアスの可能性があること、また、検出力が十分に確保できなかった点が挙げられます。今後の研究では、より多くのサンプルサイズを確保し、冷え症改善に関するエビデンスを蓄積していくことが重要です。

結論

温灸によるセルフケアは、成熟期女性の冷え症に対して効果的なアプローチであり、レッグウォーマーよりも冷え症の程度を改善し、併存症状の軽減に寄与することが示されました。今後の研究により、さらに広範なエビデンスが確立されることが期待されます。

参考文献:成熟期女性の冷え症に対する温灸セルフケアの効果

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Yazawa@鍼灸師/よもぎ栽培
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