人は変化を嫌う。変われないのは意志が弱いからじゃないよ。
「心理的ホメオスタシス」というものがあります。
ホメオスタシスとは恒常性のこと。
今の状態を維持しようとする性質が人にはあり
体温や血圧を適正範囲に保つのはホメオスタシスの働き。
これは生命維持に欠かせないものです。
この恒常性が心理面にもあって、そのため人は変化を嫌う。
変わりたいのに変われない、チャレンジができない、それらの悩みは、人本来の性質からきているので、決して意志が弱いとかメンタルが弱いとかではないのです。
新しいことに挑戦する、
知らない場所へ行く、
職場が変わる、
引っ越し、
新生活のスタートなど
楽しみでもあることに対しても、ちょっと怖気づいてしまう経験、誰にでもありますよね?
えいや!っと始めてしまえば、飛び込んでしまえば、
なんだ、けっこう良い感じやん、まさに「案ずるより産むが易し」だったこと、ありますよね?
そういう経験を何度もしているのに
やっぱり人は変化を嫌う。
それは生命維持のため、安全確保のための本能的なもの。
決して悪いことではないのだけれど、
今の世の中は、かつてないほどの速さで大きく変化しています。
躊躇っているうちに世界がどんどん変化してしまって、
あっという間に置いてけぼりになってしまう。
安定していると思っていた職場が、どんどん体制が変わり、否応なしに変化せざるを得ない状況になったり、
家族のあり方や、地域のコミュニティーも変わり、それに馴染むしかない状況になることもある。
無理やりに変化するしかないから、
体が危機を感じて、調子を崩してしまう。
最近の「体調不良」には、こういう側面もあるように思います。
「変化を嫌う」人本来の性質に対抗(?)して
「変化を受け入れる」もしくは「自ら進んで変化しよう」とすれば、
体調はけっこうな影響を受けます。
地に足がついていないとふわふわと流されて、
それが別のストレスを生んで、ますます体が変化を拒否する、
そんな可能性だってあります。
地に足をつけて。
落ち着いて。
腹を括って。
どっしりと。
これらは、変化を受け入れる、または変化する時に大事な要素。
イメージとしては「足腰をしっかりさせる」感じです。
肚が据わった状態と言いましょうか。
下腹部、臍下丹田、その辺りがしっかり充実していると、
生命エネルギーもしっかり巡ります。
深い呼吸が気持ちを落ち着かせるのは、
「気を丹田に下ろす」からです。
気が上った状態は、プチパニックみたいな感じで、
イライラしたり、焦ったり、オロオロしたりな状態。
深い呼吸で上の方でぐるぐるしてる気を丹田にまで下ろしてやると、気持ちが落ち着いてきます。
フィジカルなアプローチとしては、
スクワットを私は推してます。
(武道もきっと良いと思うのだけど、独学が難しそう)
またお灸には
「丹田一穴の灸」というのもあって、
とにかく丹田にのみ灸を据えるというもの。
丹田への多壮灸だけを続けるらしい。
これ、1〜3ヶ月、自分の体で実験したいと思っています。
で、何が言いたいかというと、
「意志」は体が育むもの。
気持ちを切り替えようと躍起になるよりも、
臍下丹田を鍛えなはれ。
また、鍼灸で気の巡りをよくすれば、
自然に深い呼吸ができるようになります。
自分の体の状態に気づけるようになります。
消化吸収の機能が整えば、腸内環境も良くなって精神衛生にも良い状態になります。
否応なしに変化せざるを得ない世の中だから、
適応できる体を作るのが大事です。
鍼灸施術でお手伝いしますよ。