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【MBTI®︎の方程式】タイプの導き出し方

この記事を読めば、MBTI®︎メソッドにおける心理機能のおおまかな仕組みと、その序列の構成ルールが解ります。
そしてその結果、ご自身のMBTIタイプの導き出し方がわかります。
特徴を文章で表現することで理解に努める数多のサイトとは真逆の手法
でMBTIを導き、心理機能を整理します。心理機能を一つ一つ理解していれば、この方法で自分の内面を整理できる可能性があります。

私は独学で心理機能とその構成の法則性を分析し、自作の表を観察してこのルールでなら割り出せることを発見しました。

何十問もの質問にすべて答える必要はありません。
何度も同じようなことを質問されるのが嫌
な方にはおすすめです。
また、頭の中で「あのMBTIの心理機能は…」「この心理機能をメインに使っているということは、主機能か補助機能に位置するあのタイプの可能性…」とすぐに思考を整理することができます。

前回の記事。


はじめに

MBTI®︎(マイヤーズ・ブリッグス・タイプ指標)は心理学者カール・グスタフ・ユングの研究を基に構築された理論です。

MBTI®︎理論においては、心理機能の構成をもとに16タイプに分類しています。8つの心理機能の中でもそのパーソナリティをより特徴づけているのが4つの心理機能であり、あの四文字の頭文字で構成された16種類のタイプは、心理機能の指向・序列・組み合わせから導き出される結果なわけです。
性格タイプ診断サイトの一問一答形式では、その結果を言葉で説明する試みであり、肝心な根本的な理論の仕組みまでは理解できないでしょう。

今回は、心理機能の序列からMBTIを逆算したり、逆にMBTIの16タイプから、それぞれの主要となる4つの心理機能を割り出す方法を8つのルールにまとめたので、ご紹介したいと思います。最後に練習問題も作ってみました。

言うまでもないことですが、誰もが全ての心理機能を備え、必要に応じて使うことができます。MBTIはあくまで認知パターンと選択の癖です。これはいつも忘れないようにしましょう。



用語解説

心理機能とはなんぞやという方は、まずは、心理機能について軽くググって下さい。できれば公式MBTIの書籍やInstagramの投稿をご覧ください。用語や心理機能ごとの細かい説明は本記事では省きます。

性格類型論と性格特性論

MBTIは類型論である。

集団との類型的な比較で測ろうとする 類型論と心理的な特性(一つの塊や一連の傾向)で測ろうとする特性論。

類型論
:人間の性格を「一定の原理に基づき典型的な行動や心的特性を設定した類型に分類することでその全体像を捉えようとする」考え方
特性論:人間の性格を「心理的特性の構成とその量的差異によって表す」という考え方

https://www.iobt.jp/behavior-traits/psychology-test.html

▶ https://www.instagram.com/japan_mbti/

指向性:外向と内向

「日本版MBTIマニュアル」 第2版 園田由紀 JPP(2022年)
「MBTIへのいざない」R.Pearmanら著 園田由紀訳 JPP (2012年)
「MBTIタイプ入門」 I. Briggs著 園田由紀訳 JPP(2011年)
「MBTIタイプ入門:職場編」 S.K.Hirsh and J. M. Kummerow 著 園田由紀訳 JPP(2010年)
「MBTIタイプ入門:タイプダイナミクスと発達編」Linda.Kirby & Katharine D. Myers著 園田由紀訳 JPP(2010年)
「MBTIタイプ入門:チーム編」Sandra Krebs Hirsh著, 園田由紀訳 JPP(2010年)
「MBTIタイプ入門:タイプとストレス編」Naomi Quenk 著 園田由紀訳 JPP(2010年)
「エッセンシャルMBTI」Naomi Quenk 著 園田由紀訳 JPP(2014年)

https://www.mbti.or.jp/about/

知覚機能と判断機能

MBTIにおける知覚判断とは、“脳の働き、脳内システムの認知の癖”である。人間に現れる文章で表現するような性格特性とは異なる
対して性格“特性論”とは、この認知パターンを指向して人が活動した結果、人間社会の中で他人にも見て取れるレベルの特徴・特性(16Personalitiesで示されるような)帯びて現れたものであると考える。

知覚機能:情報を集めるための機能

直観:iNtuition:N 
主機能/補助機能に直観を持つタイプ  NT,NF
直観第六感)で捉える

感覚:Sensation:S
主機能/補助機能に感覚を持つタイプ ST,SF
感覚五感)で物事を捉える

知覚機能についての補足と、直観直感という単語の定義や解釈の補足記事を書きました。詳しくは以下の記事へ。


判断機能:集めた情報を整理して結論を出す機能

思考:Thinking:T ⇒ NT,ST
 ⇒ 思考で結論を出す

感情:Feeling:F ⇒ NF,SF
 ⇒ 感情で結論を出す

知覚機能と判断機能をセットで用いる。
TFやNSのような組み合わせがないのはこのため。
知覚と判断の組み合わせとその向きによってタイプが異なる。

心的態度

判断的態度:Judging ⇒ XSXJ,XNXJ
知覚的態度:Perceiving ⇒ XXTP,XXFP

心理機能の序列

①主機能 
❷補助機能
③代替機能
❹劣勢機能



それではルールは次の通りです。

MBTIのタイプの導き出し方

ルールその1:認知パターンの利き手

8つの心理機能の中でも特に意識せずとも人より秀でていると言えるレベルで使える、日ごろ無意識のうちに働いてしまう機能が①主機能❷補助機能とされています。認知パターンの利き手です。
①❷にくる心理機能の頭文字が、そのタイプの真ん中の二文字として表現され、大まかな四分類となり、統一されて表記されます。

例:ST, NT, SF, NF
※なお、タイプの四文字の真ん中に位置する二文字(ENTJならNT)の順番は心理機能の①と❷の順番とは関係ありません。NTだからNが①主機能とは限らないということです。
NT型なら、Nが主機能のタイプかもしくはTが主機能のタイプであり、各々主機能がNiかNeか、TiかTeかでさらに4種類に細分化されていきます。


ルールその2:心理機能の両極性

①❷の位置に心理機能のピースがハマると、相対的にそれぞれの逆の心理機能が③代替機能❹劣勢機能に当てはまります。
①が感情Fなら❹は思考Tに、❷が感覚Sなら③が直観Nになります。


ルールその3:外向性と内向性

心理機能には外向性と内向性という指向性があります。
Extraverted は「外向的な
Introverted は「内向的な」という形容詞です。
頭文字をとって外向あるいはe内向あるいはiで表されます。
心理機能の指向は小文字で表されます。


ルールその4:指向性は互い違い

外向と内向は、理論上では必ず互い違いの組み合わせとなります。
①主機能③代替機能の指向性は同じ向きに、❷補助機能❹劣勢機能の指向性も同じ向きになります。
①がXiなら③もXi、したがって❷❹はXeになります。

①Fi ← I 内向
❷Ne  外向 E →
③Si ← I 内向
❹Te  外向 E →

INFP

ルールその5:代表的な指向性

心理機能の①~❹までの序列が確定したら、そのタイプの代表的な指向性が分かります。
INFP」などのタイプの四文字の頭につく代表的な指向性(E or I)は、①主機能と③代替機能の向きとなります。❷と❹の逆の向きです。
例えば、Eが頭文字のタイプは①と③の心理機能が外向です。
Iが頭文字のタイプは①と③の心理機能が内向です。
INFP①主機能③代替機能に位置する心理機能の向きが内向です。


ルールその6:知覚機能と判断機能

①主機能判断機能(思考T or 感情F)のどちらかがくる場合、もう一方の判断機能は❹劣勢機能に位置付けられます。
補助機能知覚機能(直観N or 感覚S)のどちらかがくる場合、もう一方の知覚機能は③代替機能に位置付けられます。

判断機能が両方①と➋になることはなく、知覚機能が両方➂と❹になることはありません。


ルールその7:【重要】知覚機能と判断機能はセットで働く

心理機能は電気回路を切り替える二極スイッチのような両極性があります。
①×❷と③×❹の間にちょうど境界線があるようなイメージです。
知覚機能判断機能はセットで働いています。反対に、思考と感情が同時にONになることは考えられません。生きていく上で何らかの選択を迫られたとき、一度に実行できる指令は一つです。片方をONにすれば、もう片方はOFFになります。

①×❷③×❹

内的な直観(閃き)で知覚した物事を、外的な思考で判断した結果をアウトプットすることが癖や目的ならNi×Te、というイメージです。
逆に、外的な物事を直観として知覚し、思考で判断し内側にインプットすること自体が癖や目的となっているならNe×Tiでしょう。
内外に関わらず、どちらも直観で知覚し、思考判断するという点で、NT型となります。
感覚で知覚し、感情で判断するならSF型です。

ルールその6も踏まえて心理機能の序列を整理します。
①が判断機能の場合、❷と③が知覚機能となり、消去法で
❹は判断機能となります。

❷が判断機能の場合、①と❹が知覚機能となり、消去法で
③は判断機能となります。

③が知覚機能の場合、①と❹が判断機能となり、消去法で
❷は知覚機能となります。

❹が知覚機能の場合、❷と③が判断機能となり、消去法で
①は知覚機能となります。

同じNTJ型であれば構成される4種類の心理機能は同じです。ENTJとINTJを構成する心理機能は「Ni,Te,Fi,Se」の4種類。(両者とも言うまでもなくその逆側である「Ne,Ti,Fe,Si」も使うことがあります。)

INTJ
①Ni×❷Te
③Fi×❹Se
⑦Ne×❽Ti
⑤Fe×❻Si

しかし、①×❷,③×❹の序列は次のように異なります。

①×❷③×❹
Te×Ni-Se×Fi
⇒ENTJ

①×❷③×❹
Ni×Te-Fi×Se
⇒INTJ

その結果として、表面的な印象の違いや、認知のパターンが微妙に変化して見えたり、あるいは得意とする機能①×❷が同じで内的な働き方はほぼ同じであるが故に、内部的には双方の見分けがつかなかったりします。

そこで、心理機能の構成が同じNTJ型なら外向か内向か、という議論がなされます。この時、何の機能が外向かを見極める必要があるのです。NTJ同士でみると、①Ni③Fiが内向なのがINTJ,①Te③Seが外向なのがENTJ。
決して対人・社交スキルで図ることはできません。

例えば、Neを主機能に持つタイプは、ENFPENTPです。この両者にはTとFという大きな違いがあります。この違いは振舞いや普段の言動に現れるため、他人から見てかなり印象が変わってくるはずです。ですが、興味の対象が外向を向いているNeのため、似ているところもあるでしょう。

もし、ENTP(Ne×Ti - Fe×Si)が感情を優先すれば、理論上では少しENFP(Ne×Fi - Te×Si)に見えるはずです。この両者は①(得意)と❹(苦手)が同じです。つまり外面的な印象や見える部分としてはINTPとENTPよりも、ENTPとENFPの方が似ていることになります。外に現れるが故に、言動から感情を優先するか思考による判断を優先するかが異なるため、ここを切り分けることができるのです。

ENTPがTを代替機能に押しやることでTeに変化しています。元々代替機能にFを持っているため、少しなら使うことに抵抗はないでしょう。一時的に感情を優位に持つタイプのようにふるまうことは可能です。
しかし、ENTPが永遠にその状態を無理なく続けられるかというとそうではない。本来の自分とは真逆の選択をとることが、嘘とはいわないまでも、芝居であることは確かでしょう。それは、人のためにやっていることかもしれないし、自分の利益のためかもしれません。それは本人にしかわかりません。

芝居はそう長くはもちません。どこかで本心がストレスを感じることになります。このように、自分が何を負担・不満と捉え、ストレスに感じる
かも、自己理解の重要な指針の一つになります。それは➂か❹に現れます。

では、ENTPがINTPのように変化すること可能でしょうか?その時心理機能の序列はこのように変化するでしょう。

NTP型(構成:Ne,Ti,Fe,Si )
ENTP ①Ne×❷Ti
③Fe×❹Si
⇒ 
①と❷が反転,③と❹が反転
INTP ①Ti×❷Ne
③Si×❹Fe

まず、Ne×Ti主機能or補助機能は比較的どちらも簡単に扱えるはずです。そこに大きな差はないと思われます。

重要なのは➂と❹Feを拒絶することもあるINTPに対して、ENTPは多少Feを用いることができます。うしろの3文字が同じ型で比較する場合は、この➂と❹の機能が重要になります。
自分の内的感覚をとるか、外的感情をとるか。ここが変わるとするならば、本人の中で価値観の変化が起こるほどの大きな出来事があったと考えられそうですね。逆に、日ごろどちらも同じレベルで扱えているのなら、上手くストレスを解消してトレーニングを積んできたのでしょう。

このように、これを議論しだすとキリがなく、いつまでも自分の癖を把握できません。MBTIではよりその人の特徴に現れるほうを4種類代表として表現します。
言わずもがな、様々な機能を器用に使えた方がいいことは確かですが、一方で自分の苦手と得意を見極めることで、より素質を伸ばし上手く操ることが可能になります。


ルールその8:心的態度

心的態度について。主要に位置する①主機能と❷補助機能の心理機能のうち、外向の心理機能が判断機能知覚機能かによってわけられます。

判断機能T⇔Fの向きが外向の場合、判断的態度J(XSXJ|XNXJ)となる。
知覚機能N⇔Sの向きが外向の場合,知覚的態度P(XXTP|XXFP)となる。



以上の8つのルールに則って、心理機能からMBTIのタイプを、MBTIからその主要な心理機能を導き出すことができます。
また、このルールを補助にして、自身のMBTIを導き出していくと、より自己理解が深まるでしょう。

よくある一問一答診断形式は、NTかSFか、などのようなおおまかな判定は可能ですが、本質をとらえるのは本当に難しいのです。




例題

例⒈ 主機能が外向思考Te,補助機能が直観Nの場合

序列
①主機能が外向的思考Teならば、❹劣勢機能は内向的感情Fiとなる。
①主機能と❹劣勢機能は判断機能となる。
❷が内向的直観Niならば、③は外向的感覚Seとなる。
❷補助機能と③代替機能は知覚機能となる。
⇒ ①Te ❷Ni ③Se ❹Fi

心的態度
①❷の心理機能のうち、外向を指向するのは①のTeである。したがって、心的態度は判断的態度Jとなる。
以上の心理機能はTとNを主要に持つNTタイプであり、判断的態度のNTJタイプである。

MBTI
①主機能の向きが外向Eであるため、
MBTIのタイプはENTJとなる。




例⒉ 代替機能が内向的感覚Si,劣勢機能が感情Fの場合。

序列
③が内向的感覚Siならば、❷は外向的直観Neとなる。
③代替機能がSiのため、①主機能は内向の判断機能となる。
①が内向の場合❹は外向である。❹劣勢機能は感情機能Fである。したがって❹は外向的感情Feとなる。
⇒①Ti ❷Ne ③Si ❹Fe

心的態度
外向を指向するのは❷の外向直観Neである。直観は知覚機能のため、心的態度は知覚的態度Pとなる。

MBTI
①主機能の向きが内向Iであるため、
MBTIのタイプはINTPとなる。




練習問題

Q⒈ 残りの心理機能とMBTIを導き出してみましょう。

①_i ❷S_ ③__ ❹T_
MBTI⇒

①T_ __ ③Ne ❹__
MBTI⇒

⒊ ①__ T_ ③__❹Ni
MBTI⇒

①__ ❷__ ③T_ ❹Se
MBTI⇒


Q⒉ 次のMBTIの心理機能を導き出してみましょう。

⒈ ESFJ
①__ __ ③__❹__

⒉ ISTP
①__ __ ③__❹__

⒊ ENFP
①__ __ ③__❹__

⒋ ENTP
①__ __ ③__❹__

⒌ ISTJ
①__ __ ③__❹__


Q⒊ 残りの心理機能と心的態度を導き出してみましょう。

⒈ ENF_
①Fe __ ③__ ❹__
心的態度 ⇒ 
MBTI ⇒ 

⒉ ESF_
①__ Fi ③__ ❹__
心的態度⇒
MBTI ⇒

ISF_
①__ ❷__ ③Ti ❹__
心的態度⇒
MBTI ⇒



解答は記事の一番下までスクロールしてください。



以上となります。
気分次第で練習問題を追加します。
それでは。


Q,芥川




MBTI関連記事

すべてのタイプの心理機能をまとめた表を作って、MBTIと16Personalrtiesの違いについて比較分析した記事。本記事はこの記事の副産物。INFPの演技をしていたENTJ。この公式がよく解らない人は、まずはこちらの記事の一覧表を見てみてください。

お遊びの記録です。全キャラ攻略済み。

自己分析とタイプや心理機能の考察。






解答

Q⒈ 残りの心理機能とMBTIを導き出してみましょう。

⒈ ①Fi ❷Se ③Ni ❹Te ⇒ ISFP
⒉ ①Te ❷Si ③Ne ❹Fi ⇒ ESTJ
⒊ ①Se ❷Ti ③Fe ❹Ni ⇒ ESTP
⒋ ①Ni ❷Fe ③Ti ❹Se ⇒ INFJ

Q⒉ 次のMBTIの心理機能を導き出してみましょう。

⒈ ESFJ ⇒ ①Fe ❷Si ③Ne ❹Ti
⒉ ISTP ⇒ ①Ti ❷Se ③Ni ❹Fe
⒊ ENFP ⇒ ①Ne ❷Fi ③Te ❹Si
⒋ ENTP ⇒ ①Ne ❷Ti ③Fe ❹Si
⒌ ISTJ ⇒ ①Si ❷Te ③Fi ❹Ne

Q⒊ 残りの心理機能と心的態度を導き出してみましょう。

⒈ ENF_
①Fe ❷Ni ③Se ❹Ti
心的態度 ⇒ J / 判断的態度
MBTI ⇒ ENFJ

⒉ ESF_
①Se ❷Fi ③Te❹Ni
心的態度⇒ P / 知覚的態度
MBTI ⇒ESFP

⒊ ISF_
①Si ❷Fe ③Ti ❹Ne
心的態度⇒ J / 知覚的態度
MBTI ⇒ISFJ




おまけ1:心理機能早見表

心理機能の序列(F⇔T,N⇔S)と,外界と接する時の心的態度JPの一覧


おまけ2:自分で回答してみた

問題なさそう💮

Q⒈
Q⒉
Q⒊




2024/11/02 :誤字脱字の修正。「ルールその7」を加筆。


必ずや活動費として還元します。或いは珈琲として血肉となります。