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お正月の主役はお雑煮

あけましておめでとうございます。

お正月と言えば楽しみなのはおいしいもの!
おせちにお雑煮!
お正月ならではのご馳走が食卓に並びます。

冬休みに入る前に、移動図書館でこんな本を借りてきました。

川端誠さんの『十二支のお雑煮』

表紙の裏には、こんなことが書かれていました。

お雑煮

 お雑煮は、年神さまをむかえるために、暮れにお供えしたお餅や、地元の食材を鍋で煮込み、神様と同じものを食べて、一年の力を授かろうとしたものです。ですから、お正月の祝いの膳の主役はお雑煮です。
 お雑煮を作る火を大切にするために、他の煮炊きをしないよう重詰めにしたもの、これがお節料理です。年末につくるのがお節料理。年始につくるのがお雑煮です。

十二支のお雑煮 川端誠  

知らなかった!
お正月の主役がお雑煮だということを!

お正月と言えば何はなくとも“おせち料理”だと思っていたし、お正月くらいお母さんが楽をするためだとばかり思っていましたが…違っていましたねぇ。

あらかじめおせちを作っておくことで、お正月の炊事をお雑煮づくりに集中させる。それほど重要な食べ物が『お雑煮』ということなんですね。

お雑煮は地域によって、家庭によって、具や味付けに違いが見られますが、どんなお雑煮にも必ず入っているのが“お餅”。

お正月には歳神様がやってくるわけですが、歳神様はお米の神様なので、米から作ったお餅を食べることで神様から力を授かることができると考えられていたようです。つまり“お餅”はパワーフードなんですね。

お雑煮は、その年の最初に井戸や川から汲んだ「若水」と、新年最初の火で煮込み、元旦に食べたのが始まりといわれています。これだけでも、お雑煮の特別感が伝わってきますが、さらにこれを「祝い箸」でいただくことで、神様と一緒に食べ、神様からの力をいただいたということか!

こういうことを知ると、お正月は『新しい年おめでとう!』という以上の意味合いがあるのだと感じます。去っていった1年の感謝を供え、それを神様とともに食し、豊作を願いつつ新しい1年を始める。そう考えるだけで、ぐっと身が引き締まるような気持ちになります。

日本の文化のベースには“感謝”と“祈り”があるなぁ。

日本のアレコレを気にかけながら暮らし始めてから、いつも最後にこの想いにたどり着きます。

そんな事を考えていたら、東洋経済ONLINEで岡根谷 実里さんの興味深い記事を見つけました。→日本の正月料理はなぜ、世界的にも「特殊」なのか 世界の人たちは新年に何を食べているのか

うちのお雑煮

ちなみに、実家のある愛知(尾張)のうちのお雑煮は澄まし汁仕立て。餅は角餅で、具は里芋・かしわ(鶏肉)・正月菜のみ。今年は生麩も入れてましたが、本来は入りません。正月菜は別名“餅菜”とも呼ばれていて、尾張地方の伝統野菜です。 小松菜に似ていますが、小松菜よりも葉の色が淡くやわらかいです。この正月菜の旨みがお雑煮には絶対に必要!尾張の正月の雑煮には正月菜が欠かせません!

一方で、今住んでいる大阪は白味噌仕立てのお雑煮。お茶の先生が新年のお稽古の時に毎年お雑煮を振る舞ってくださいます。写真は2年前のもの。

お茶の先生のお雑煮 小さなお正月御膳のよう

お稽古だけでもありがたいのに、時間を割いてご準備くださる先生のお心遣いに毎年感謝しかありません。家族以外の人の作るお雑煮って食べる機会がないので、とってもうれしかったです。そして、味噌仕立てで練り辛子を溶きながら食べることもあり、お腹の底からジーンと温まりました。

他の地域のお雑煮はどんな味がするのだろう?いつか食べる機会があったらいいな。

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