理想のキッチン探し62野方リベンジ?
豪徳寺の物件を断念して、GWの後半を必死で遅れた仕事をやっていたら、GW後にぐったり疲れ……仕事がぽっかり空いた数日を休んでいました。2カ月ほどの睡眠不足を取り戻すみたいに。ぼんやり家で過ごすなんてどれだけぶりなんでしょう……。
新しいプロジェクトも準備し始めましたが、いずれ引っ越さなければならないことは変わらない。と思っていたら、夫が野方のマンションを見つけてきました。このところ、広めの物件がちょこちょこ出てきていたのは、私も気づいていました。野方で3LDK、81㎡なら近いので、引っ越しを一度にしなくても、しばらく2重家賃を払って友人などに手伝ってもらえば、無理なく引っ越せるかもしれません。何しろ、来年度以降は人件費がさらに上がって引っ越し料金が上がる、と新聞にも出ていましたから。
ただこの物件、外観と間取り図しかインターネットに公開されていません。もしかすると、キッチンは2口別置きで狭いかも……と思いながら行ってみたところ。
駐輪場は2段重ねで若干置きにくいけれど。外観は落ち着いていてステキ。鉄骨だそうです。3階建ての階段で2階の角部屋です。退去すぐで入居可能日は6月後半なので、悪くない日程です。中廊下でしたが、廊下側には窓がない。でも、おそらく長く居住している人が多いのでしょう。玄関周りに傘立てその他いろいろ置いている人が多い。駅から6分は近いですから便利と言うのもあるでしょう。
中は天井が2500ミリもあるので、本棚の上置きは余裕で置けます。窓は西向きですが、隣に少し空いて家もあるので西日はそれほどきつくないと思います。間取り図には南側の窓がないですが、実際はありました。日当たりは悪くないです。廊下にも収納があり、収納力は悪くない。玄関も狭くない。ただ玄関に入ってすぐの収納はスリッパ置場的なので、下駄箱は買う必要があるかもしれません。
そしてキッチン。やはり、というか思った以上に狭い。
図面だとこんな感じ。
キッチンコーナーのコンロ前から壁までは830ミリなので、棚を置いて調理したら火傷します。というか入るのがやっと。シンク横の柱の前に冷蔵庫置き場があるといえばあるのですが、奥行きは540ミリしかない。わが家の3ドア冷蔵庫の奥行きは670ミリあります。シンク前の扉をつぶすんですか?という広さで、ここには何か棚を置いて、冷蔵庫はダイニング横に置くしかありません。しかし、キッチン自体の幅が1800ミリの、私が長年親しんできた最低サイズで、鍋も電子レンジも置けません。調理台の幅は500ミリ、シンクは普通サイズで深さ170ミリ×幅640ミリ×奥行き400ミリですが、コンロがごとくを渡せるタイプの古い2口コンロで、ごとくはずらせるけど、魚焼きグリルもなく……。さらに本当にこれがよくあるタイプなのですが、吊戸棚は下の段にようやく手が届く高さ。デッドスペースが多過ぎます。他の部屋はよくできているのに、キッチンがこれでは……総菜を買ってきて温めるスペースでしょうか? いやいや、すでにここ1年半で45件見てきた私の想像力をさらに下回るひどいキッチンがこんなに世の中にあるとは! 修業が足りませんでした。最低限というキッチンの基準は、この国にはないですね。
前の住人はおそらく中国人家族でしょう。中華系の調味料がいくつも残っていました。どのように暮らしておられたのか……。
営業のお兄さんがまだ若い人で、「このキッチンの壁を外してリフォームしたほうがいいですよ。そのほうがまだダイニングキッチンとして使えるから」と言ったら、「オーナー様に言ってみます!」と言っていましたが、家賃が安かったので、たぶんこの大家さんは、手を入れるのが面倒だから家賃を安くしているというタイプだから何もしないでしょう。何しろ広くて駅から近いから、誰か気にしない人が借りるんじゃないでしょうか?
本当に、料理は外注が前提としか思えない賃貸物件、多過ぎます。ときどき、不動産屋さんに「料理、お好きなんですか?」と聞かれるけど、私は別に特別料理好きじゃない。普通に日々の食卓を賄いたいだけなんです。でも、それには炊飯器や電子レンジも必要だし、鍋も食器も調味料もストック食材もいるんです、そういうのが必要な人って「料理好き」になっちゃうんですか?腕自慢になっちゃうんですか? それ以外の人はお湯だけ沸かして紙皿を軽く洗えばいいと思っているんでしょうか? やっぱり変です、日本の不動産事情。