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「性」、そして「生」(第二期:第5回④)

 「性」に関わる話題も非常にデリケートで、以前の「性同一性障害」が今では「性別違和」(DSM-5)という名称になっています。障害というラベルも外され、直すべき異常な状態そして差別の対象となってしまうものから多様性として認めるものへと認識が変わっています。LGBTも注目されるようになってきました。

1.さまざまな「性」のあり方

 「性」には、生物学的な分類や機能(sex)の他に、社会的役割(gender)もあり、心的機能として性に関わるイメージもあります。

 人間が生物学的にも「男女」の半々ではないことを、知識としてでもまず知る必要があります。「性分化疾患」もしくは「半陰陽」を検索してください。詳細はここでは割愛します。社会的(文化的)な役割としての性(ジェンダー)は、曖昧で男女に分けにくいものです。それらの関与する男女や父母といった性に関わる心的なイメージも同様に曖昧です。むしろ心的には、両性の性質をもつ「両性具有」であることが理想とされています。LBGTとは、性自認と性対象における「多様性」です。

 「性」というものは、生物としても、文化・社会的役割においても、そして心的なイメージにおいても、男女が二分されているのではなく、中間的な領域をもちながら連続している「グラデーション」のように存在していると考える必要があると思われます。その中における個人のあり方に多様性があります。

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2.生み、育て、生まれ、育ち

 それでも、人間は有性生殖をする生物であり、生物学的な雌雄により子どもが生まれることは現実です。そして近ごろは軽視されている印象も受けますが、哺乳類であるため、子育てにおいても男女の差は幼少期には特に重要になります。簡単に言ってしまえば、男性は出産も授乳もできないということです。

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