目覚めのプロセス~学びの階梯について
「短期的な赦し」と「長期的な赦し」
真理から言えば、目覚めは「一瞬」なのだといえます。
というのも、それは時間のない領域のものであるからです。
ただ、私たちはこの今もまだ時間(と空間)の中にいるわけです。
ここで私たちが知っておかなければならないのは、時間の中に囚われている私たちにとっては時間が必要であり、その時間をどちらの目的で使っていくのか?が私たちに問われているということです。
ようするに、コース(奇跡のコース/奇跡講座)の学びにはプロセスがあるということです。
私たちは、一瞬にして目覚めていくのではないということです。
このコースの歩みは優しく、しかも確実な霊性の道ではありますが、ただし、その歩みは地道な学びと訓練なしにはあり得ないということを覚えておきましょう。
この時間と空間の世界の中ではプロセスというものがあり、私たちは学びと訓練によってその学びの階梯を一歩一歩上っていく必要があるということです。
そして、その学びの階梯を上っていくためにも、「分離のプロセス」についての形而上学的な理解が絶対的に不可欠なのだということです。
「分離のプロセス」を理解するとは、
そもそも神と一なる一体性(ワンネス)であった状態からどのようにしてにこの地上にいる自分として存在している状態になったのか?
ということについて理解するということです。
その「分離のプロセス」について理解することなしには、コースの実践的手段である「赦し」もあり得ませんし、当然、コースの学びの階梯を上っていくこともあり得ないということです。
というのも、コースの「赦し」の実践においては、毎回毎回、その分離のプロセスを遡っていくことをしていくからです。
ちなみに、その「赦し」には、「短期的な赦し」と「長期的な赦し」のプロセスがあるのだということを知っておきましょう。
普段の実践においては、「短期的な赦し」を実践していきます。
そして、「長期的な赦し」のプロセスこそが、学びの階梯と呼んでいるものです。
分離のプロセスをはっきり明確に理解するようになるならば、そのプロセスを逆に遡っていくことが実相世界への階梯(階段)なのだということが分かってくるわけです。
そう、私たちは「分離のプロセス」で降りてきた階梯を逆に遡っていくことによって真の自己を思い出していくのだということです。
そのためには、まずコース形而上学をしっかり理解すること、そして、短期的な赦しを実践していくことです。
そうするならば、真のアイデンティティー(心の決断の主体)が思い出されていくだけでなく、「長期的な赦し」の階梯がますます見える(わかる)ようになっていきます。
いわゆる、「学びの階梯」が明確なものになってくるわけです。
それによって、このコースが示している霊性の道が確実な道であることを確信させてくれますし、何よりも、もっと先に学んでいこうとするモチベーションになっていくわけです。
その階梯の一番上が、「実相世界」と呼ばれているところです。
それが、コース学習者の私たちが目指しているところです。
私たちは、実相世界へと至るその学びの階梯を一段一段上っていくことなります。
もちろん、それは、一っ飛びに、というわけにはいかないわけで、一歩一歩の学びと訓練によってしかその階梯を上っていくことはできないのだということも実感していくことになります。
ただ、実相世界への学びの階梯がよりはっきり見えてくるようになると、コースを学び、そして訓練しているその自分はもはや個人の自分ではないということが自覚されていきます。
つまり、真のアイデンティティーである「心」の自分がコースを学んでいるのだと認識されていくということです。
本当の自分は誰で?本当は自分はどこにいて?何をしているのか?
その真実がはっきりと認識されていくようになるということです。
要約するならば、
私たちは、コースの学びと実践を通して何をしているのか?
というなら、それは「分離のプロセス」を逆に遡っていくことをしているのであり、つまりは、来た道をたどっていくことによって、私たちはわが家(ワンネス/天国)へ帰っていくのだということです。
そのためには、どのようにしてここ(この時空間の世界)にやって来たのか?について形而上学的に学ぶ(知る)必要があるだけでなく、実際に実践を通して体現していく必要があるということです。
ようするに、「分離のプロセス」についてのしっかりとした形而上学なしには、赦しの実践もあり得ないどころか、わが家に帰ることなどあり得ないということです。
ですから、「分離のプロセス」について明確に理解することがコース学習者の私たちにとっていかに不可欠であるかがお分かりでしょう。
個別性、特別性を放棄していくプロセスでもある
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