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巷のコースの簡易本、簡略本、関連本でコースを学ぶことができるのか?

コースを正しく学んでいくための注意点

現在では、コース(ACIM/奇跡のコース/奇跡講座)に関する関連本がたくさん存在しています。

その中でも、ゲイリー・レナード著書の『神の死者』はとても有名だといえます。

彼の著書をきっかけにコースを学びはじめた方もけっこうたくさんおられるのではないでしょうか。

もちろん、私もその一人です。

彼の著書はとてもありがたいものであることにはちがいありません。

しかし、私たちが知っておかなければならないのは、だからといって彼の著書(例えば『神の使者』など)がコースの教えを的確に伝えているのかというなら、そうではないということです。

つまり、彼の著書をコース(ACIM/奇跡のコース/奇跡講座)学習の教材として使ったり、関連本として学ぶのはいかがなものかと思うわけです。

とにかく言えるのは、コースを学ぶための教材としては、彼の著書はお奨めできないということです。

たしかに、コースの紹介本、導入本としてはいいかもしれません。

ですが、コースの教えを学ぼうとするのであるならば、実践していこうというのであれば、コースが教えているものとは分けて捉えたほうがいいということです。

彼の著書は、コースの大まかな概説として理解するにはたしかにいいかもしれませんが、その内容からいえばコースが教えていることの真髄からはかなり外れているとしか言いようがないからです。

同様のケースとして、コースの簡易本、関連本として(ワプニック博士以外の)コース・ティーチャーと呼ばれるさまざまな著者による著書が存在しますが、そのどれも(ほとんど)がコースが教えていることから歪曲されていると言わざるを得ません。

(ただし、そのことはワプニック博士が解説する内容をよほど明確に理解しないかぎり、認識することができないといえます。)

その一つとして挙げられるのが、コースの続編版として『愛のコース』と称するものを奨励しているコース・ティーチャーやコース学習者がおられたりしますが、まったくもってコースの教えが歪曲されてしまっていると言うことができます。

彼らやその著書を否定するわけではありませんが、コースが教えている純粋な非二元の教えからは逸脱しているのは明らかであって、事実として述べているにすぎないということです。

コースを歪曲することがいけないということではなく、そのような学び方でいくらコースを学んでいる(つもりになっている)としても、無益な学びにしかならないということです。

ですから、コースを通して本気でこの世界の夢から目覚めていきたい学習者にとっては、まったくお奨めできるものではないということです。

コースは難解であるがゆえに、私たちはつい分かりやすいもの、とっつきやすいものでコースを学ぼうとすることは仕方のないことなのかもしれません。

コースの歩みがまだ初期の段階、あるいは、その学びが浅い段階では、そういったものでコースを学ぼうとしてしまうのも仕方ないといえましょう。

それがいけないということではなく、そういうもので学んでいったとしても、コースの教えを理解していくことはないでしょうし、その実践もまったく間違ったものになりかねないということです。

私の見解から申しますならば、それらはほんの学びはじめのみにおいて参考になるだけで、むしろ、コースが教えている内容とは違ったふうに曲解していくことになってしまいかねないと言わざるを得ません。

コースを真摯に学んでいきたい、理解していきたい、そして実践をしていきたいのであれば、簡易本、続編本と呼ばれるものはけっしてお奨めできるものではないということです。

そして、そういうものを奨励しているコース・ティーチャーもお奨めできないと言わざるを得ません。

まず、コースを学んでいこうと思うのであるならば、本編三部作で学んでいくことが基本であることは言うまでもありません。

そして、その学びを助けてくれるものとして私がお奨めするのが、ワプニック博士が解説する教材です。

ワプニック博士の教材が、コースの教え(形而上学)を真に理解していくにあたってとても有益で役に立つということです。

ワプニック博士の教材でコース形而上学を理解するようになるならば、巷においてコースの教えがいかに歪曲されているか!曲解されているか!が明確に分かるようになるでしょう。

もし、上記で挙げたものがコースを歪曲していると分からないのであるならば、それはコースの教えを理解していないからだと認識すべきです。

もしそのちがいというものが分からないのであるなら、コースが教えている内容をまだ理解できていないということです。

そうであるとするなら、コースの学びが、まさに、「求めよ、されど見つけることなかれ」というものになってしまいかねません。

そのことに関して、ケネス・ワプニック博士は以下のように述べています。


”人々は、これまで、『奇跡講座』の続編だとか簡易版だとか子供向け版だとか、ありとあらゆる新バージョンを作り出してきましたが、それはみな、『奇跡講座』そのものへの恐れの表れです。そういうものを作り出すこと自体は悪いことではありませんが、間違いが侵入してくるのは、それらのバージョンを学ぶことで『奇跡講座』を学んでいると考えてしまうことです。”

-ケネス・ワプニック:https://jacim.com/jcm/?p=2045より引用-


ようするに、巷の続編本とか簡易本でコースを学んでいったとしても、ほとんど意味を成しませんということです。

そういう学び方では、コースの教えを真に理解することはないからです。

だとするなら、コースを学んでいるつもりになっているだけで、何も学んでいないということです。

むしろ、それでコースを学んでいるつもりにさせるのが、自我の策略なのだということを知っておきましょう。

そのような自我の策略は、他にもたくさんあります。

その一つの例が、コースを、他のスピリチュアリティや自己啓発といったものと混ぜこぜにして自分の都合のいいようにコースの教えを歪曲して学んでいるケースです。

そのことに関しても、ワプニック博士のことばを引用したいと思います。


”このコースをその他の霊性の思考体系と混同し、「『奇跡講座』は、ちょうど・・・(自分の好きな名称の霊性の道をここに入れる)とそっくりです」と言ったりすることは、つまるところ、自我が『奇跡講座』を変容させて、その教えの脅威を軽減させようとする巧妙な策略に他なりません。...(省略)...このコースのスケールを自分の理解できるレベルにまで引き降ろそうとするのではなく、このコースに合わせて自らを成長させていくべきなのです。...(省略)...他の霊性の道について読むことや、それらに関心を抱きもっと学んでみたいと思うこと、あるいは諸々の宗教的な儀式や霊性の道の集い等に参加することなどは、もちろん、何ら悪いことではありません。けれども、もう一度、重要な点を繰り返すなら、『奇跡講座』を学ぶ私たちは、少なくとも、究極には混ざり合うことのない複数の神学や霊性のアプローチを一つに混ぜ合わせようとする試みに対しては、用心していなくてはなりません。いくつかの霊性の道は、そうした「混ぜ合わせ」に対応できますが『奇跡講座』はそうではありません。”

ー『赦しのカリキュラム』ケネス・ワプニック/グロリア・ワプニック 著 P.242-P.246 よりー


コースをその他のスピリチュアリティや自己啓発といったものと混同させること自体が、コースの教えを理解していないがゆえに成せることだと言うことができます。

私たちはコースの教えをそのようにしていともたやすく歪曲してしまうのだということをわきまえておかなければなりませんし、そのことに警戒していなければならないといえましょう。

正直なところで申しますと、かつての私自身もそのようにコースを歪曲して学んでいた経験があったということです。笑

私の場合、ワプニック博士が解説する教材で本格的に学びはじめたとき、自分がいかにコースを歪曲してコースを学んでいたか、コースの教えを曲解していたか、に気くことができたということです。

言い換えるなら、ケネス・ワプニック博士の解説に基づいてコースを学んでいくならば、そして、その形而上学が理解できるようになるならば、「自分はコースを理解していなかった」ということに気づかされることになるといえましょう。

それだけではなく、ワプニック博士以外のもののほとんどが、コースが教えている内容を歪曲、矮小化しているということが明確に分かるわかるようになるでしょう。

そうはいっても、なんとも皮肉なもので、ワプニック博士の解説するものでコースを学んでいかないかぎり、そして、その内容を理解できるようにならないかぎり、そのことが分かってこないわけで、どうしようもないのかもしれません。

人はみな、自分のしっくりくるものを、しっくりくるティーチャーから学ぼうとするものです。

つまり、私たちはコースを自分の都合のいいように解釈しようとしてしまうわけです。

だからこそ、私たちはそういうことに注意深くいなければならないといえます。

でなければ、せっかくのコースの学びも無益なものになってしまいかねないからです。

ですから、やはり、ワプニック博士の教材で学んでいかれることをお奨めするわけです。

たとえワプニック博士が解釈するコースが難しそうに思えたとしても、それでもワプニック博士が解説する教材で学んでいくに尽きるといえます。

それが、コースの教えを理解していく一番の近道であると私は思います。


以上が、コースを学んでいくうえで知っておくとよい助言です。

ちなみに、以上述べていることはあくまでも私の学びの経験からの見解であるということ、そして、誰かを批判するものではないということをお断りしておきます。

加えて、簡易本や続編本の件につきましてですが、それは私個人だけの見解ではないということもお伝えしておきます。

その件つきましては、「奇跡講座のための財団(FACIM/Foundation for A Course in Miracles)」におきましても、以上に述べた内容と同じような見解とスタンスであることをお伝えしておきます。

とくに、『愛のコース』という本についてや、『神の使者』という本については、下記のサイトの記事を読んでいただくと参考になると思いますので、ぜひご覧ください。



参考記事:
・JACIMサイト別館JQA#10: 「神の使者」という本について
 https://jacim.com/jcm/?p=976
・JACIMサイト別館JQA#16: 「愛のコース」という本について
 https://jacim.com/jcm/?p=2045



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